参考資料3129 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

ソ連のシベリア開発は”滅亡の日”への準備か?
「最近、ソ連のスペース・シャトル計画は、ここ一、二年ようやくその緒についたといういくつかの発表があった。しかし、あの軍事大国のソ連が、この時期になって実験飛行の初期の段階にいること自体おかしいし、信じられない。これらの一連の発表は”なにか”をカモフラージュするための陽動作戦であるはずだ。滅亡の日のための準備はソ連国内でも着々と進んでいると考えるのが妥当であろう。それも西側諸国よりも先んじていると。
 たとえば近年、ソ連がひじょうに力を入れている、油田をはじめとするシベリア開発になにか秘密が隠されてはいないだろうか? わたしの手もとに届いた未確認情報によると、どうやらソ連はシベリアの雪深い山地の奥にいくつかの巨大な洞窟を建設中とのことらしい。つまりこれは、自然の地形を利用した巨大なドームである。そしてその目的はただひとつ、核シェルターとしての利用なのである。万年雪に包まれたシベリアならば魚や肉などの生鮮食料を貯蔵するにはもってこいの場所だし、ドーム内を快適な温度に保つための燃料である石油はいくらでも採掘することができる。おまけにいったん大移動が終わってしまえば、厳しい気候条件からいってもそうたやすく外部から侵略されることはないだろう。まさに雪深い山奥に造られる巨大なドーム型の洞窟は核シェルターであると同時に、不滅の要塞ともなりうるのである。
 またもうひとつ、これは容易には信じられないことだが、ソ連が月の裏側に宇宙基地を建設しているという情報もある。現在のソ連のもつ宇宙科学技術からいって、けっして不可能なことではない。しかしこれが事実だとすれば、大きな問題がひとつ残されている。もしソ連がこの宇宙基地建設を独自に推し進めているとしたら、アメリカが気づかないわけはないということだ。とっくに知っていて当然である。それともアメリカはこれを黙認しているのだろうか?あるいはおたがいになにか秘密の協約を結んでいて見て見ぬふりをしているのだろうか?
 巨大な洞窟(ドーム)といい、月の宇宙基地といい、ソ連の国内ではなにかが行われていることはまちがいない。昨年、ソ連が発表した核シェルターの保有率75パーセントという数字は、核の災害に対する防衛の準備が着々と進んでいることを証明してはいないだろうか。アメリカの数値の1.5倍に達しているのだ。ソ連はまぎれもなく、人類滅亡への準備をしていると断言できる。」
「ノストラダムスの遺言書」ダニエル・ルゾー著・流 智明監修より

感想
この本の出版は1983年だから、そのたった8年後にソ連は崩壊する訳である。陰謀論ばかりいう奴はもっと現実を見つめた方が良い。(念のため、原書は1975年出版らしい。)
ところで、2巻91番の詩を紹介しよう。

百詩篇第2巻91番
日の出に大きな火が見られるだろう、
騒音と閃光をアクィロの方へ差し出しつつ。
球形の中で死と叫びが聞かれるだろう。
剣、火、飢餓によって居合わせた人々は死ぬ。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/774.html

20年以上前の私の訳も載せておこう。

2巻91番の詩
Soleil levant un grand feu on verra,
Bruit & clarte vers Aquilon tendant;
Dedans le rond mort & cris on orra,
Par glaive, feu, faim, mort les attendans. (原文はロバーツ本)
太陽が芽を出す時、1つの大きな火を人々は見るだろう
アキロンを目指している国の方で騒音と光
その輪の中で死と叫び声を人々は聞くだろう
剣、火、飢えによって死が彼らを待っている

素朴な疑問だが、3行目の「rond」が「球形」と訳されているが、私の手元の辞書では「円,輪,円形のもの,輪切り,小銭,金,[手や足で描く]円」である。ただし、形容詞で「球形の」という意味はある。
また、古語辞典の(rondの)名詞では「Circonférence」(周,円周,周囲,周辺)「plénitude」(完全さ,充実,絶頂,豊満,横溢)「complétude」(円満,全備,具足)「Nom de danse」(ダンスの名前)「rondeau」(ロンド,回旋曲)「Pièce d'argent」(銀貨),他にも多少あるが「球」を表すものはない。

「その周囲(周辺)の中で死と叫び声を人々は聞くだろう」ぐらいが妥当かな。

何故、この詩を挙げたかというと、日本人が目を覚ます頃に、ロシアに核が落ちるのではないだろうかという話。調子に乗ってウクライナとの戦争を続けていると危ないよという警告である。

また、アキロンは1巻49番の詩にも出て来たね。(他にも沢山あると思うが。)

1巻49番の詩
Beaucoup, beaucoup avant telles menees,
Ceux d'Orient par la vertu Lunaire,
L' An mil sept cens feront grands emmenees,
Subjugant presque le coin Aquilonaire. (原文はロバーツ本)
ある策略の遥かずっと以前
空想的な力によっての東洋の人々
先導された偉大な者達が1700年を作るだろう
アキロンの一隅をほとんど魅了している

訳の解説
「beaucoup」(1 たいへん,大いに,非常に,2 たくさんの,多くの,多数(多量)の,3 はるかに,ずっと),「avant」(~の前に,前),「telle」(ある,さる,これこれの),「menée」([複数で]陰謀,策略)
「lunaire」(月の,太陰の,月のような,空想的な,夢のような),「orient」(東,東の空,東方,Orient:東洋,[特に]近東諸国,オリエント,[フリーメーソンの]地方支部,真珠の光沢),「ceux」(~の人々(もの),その人々(もの)),「par」(~によって),「vertu」([古]力,精神力,勇気,[複数で]長所)
「emmenees」は「emmener」の過去分詞(の複数形)で、「emmener」(連れて行く,運んで行く,持って行く,指揮する,先導する),「grand」([子供の]年長者,上級生,[子供から見た]大人,大国,《文》偉大なもの,《古》大貴族,高官,大物,実力者),ただし、「grand」が男性形(男性名詞)であるので、「emmenees」の「e」が1個多いような気もするが、ノストラダムスの詩は文法的には謎が多い。(わざとやっているのだろう。)「feront 」は「faire」の未来形で「faire」(作る,する,~になる,させる,など。)「L' An mil sept cens」(1700年)
「subjugant」は「subjuguer」の現在分詞で「subjuguer」(魅了する,征服する,屈服させる,支配する,制する」,「presque」(ほとんど),「coin」(片隅,はずれ,一隅)
因みに、「Aquilonaire」の「aquilon」は(《詩》北風,烈風,北)であり、個人的には「ロシア」かなと考えている。

3巻95番の詩
La loy Moricque on verra defaillir:
Apres vne autre beaucoup plus seductiue,
Boristhenes premier viendra faillir:
Pardons & langue vne plus attractiue.
人々はモリックの法(オウム真理教)が消滅するのを見るだろう
その後、遥かに魅惑的な別の1人が
ボリステヌスは最初に[誘惑に]屈するようになるだろう
最も魅力的な天賦の才能と国民によって
引用元:https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12786638580.html

因みに、オウム真理教が消滅したのは1995年3月22日の強制捜査からであり、詩のナンバーは3巻95番である。

「事件は未然に阻止され、メンバーがロシア当局によって逮捕されたが、私はその裁判の取材でロシアに渡ったことがある。2000年から01年にかけてのことだ。そう、ちょうどプーチンが最初に大統領に就任した頃だ。
 首謀者はドミトリー・シガチョフという若くて熱心な麻原信奉者だった。麻原がいなければ、この世は滅びると真剣に考えていたらしい。」
引用元:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70340

どうでも良い事だが、エリツィン元大統領の名前はボリス・エリツィンであり、「Boristhenes premier」は「最高位のボリステヌス」とも訳せる。

おまけ