参考資料2999 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

「百詩篇」2巻53番の詩の解釈

詩百篇第2巻53番
海辺の都市の大規模な悪疫は、
代償として罪なくして咎められた公正な血(を持つ者)の死が
復讐されることでしか止まらないだろう、
偽りによって辱められる偉大な婦人によって。
引用元:https://w.atwiki.jp/nostradamus/pages/1771.html

海辺の都市の大疫病は
死の復讐が遂げられるまで熄まない
無実の罪をきせられた正義の血で
至高の貴婦人は見せかけに辱しめられる
(山根和郎 訳)
引用元:http://www.ne.jp/asahi/mm/asakura/nostra/proph_text/Centurie_02.htm

私も自分で訳してみよう。

La grande peste de cité maritime,
Ne cessera que mort ne soit vengée
Du juste sang par pris damné sans crime,
De la grand dame par feincte n'outraigee.
引用元:http://www.ne.jp/asahi/mm/asakura/nostra/proph_text/Centurie_02.htm

「maritime」(1 海に面した,海辺の;海の影響を受ける,2 海上の;船舶の;海軍の),「cité」(1 都市;[古代の]都市国家,2 集合住宅地,団地,3 [Cが大文字で][いくつかの町の]中心地,4 [宗教的に]理想の国),「peste」(1 ペスト;[古]悪疫,疫病,2 [家畜の]伝染病,3 有害な人(もの);嫌な(手に負えない)女)
「ne」(…ない(否定)),「cessera」は「cesser」の三人称単数の未来形。「cesser」([他動詞]やめる,中止する,[自動詞]やむ,終わる),「mort」(1 死,2 破滅,崩壊,終焉,3 [死ぬほどの]苦痛,4 [Mが大文字で]死神),「vengée」は「venger」の過去分詞の女性形。「venger」([…の」仇を討つ,復讐をする,恨みを晴らす),「soit」(「être」の接続法現在の三人称単数の変化形。)「soit+vengée」で受動態ではなく接続法過去である。(êtreの接続法現在+過去分詞),「ne」(ここでの「ne」は「虚辞のne」として訳さない。)
「crime」(1 犯罪;[法]重罪;[倫理的]罪,2 犯行;[特に]殺人,3 [話]重大な過失),「pris」(1 [席などが]ふさがっている,2 [予定が]詰まっている,用事(先約)がある,3 とらえられた,つかまれた,包まれた;[病気などに]かかった,4 解釈(理解)された,5 借用された,6 固まった,凍った),「damné」(1 地獄に落ちた(落ちる運命の)人,2 逆境にある人),「juste」(1 公平な,公正な,2 正義にかなった,正しい,正当な,3 正確な,[感覚などが]正しい,4 [分量などが]ぎりぎりの;[衣類が]窮屈な,きつい),「sans」(…なしに),「sang」(1 血,血液,2 [流された]血,流血;殺傷,3 血の気,血気,4 血筋,血統;[古,文]子孫,5 畜生,こいつめ)
「outraigée」は現代語の「outrager」(ひどく侮辱する,凌辱する,[法や良識に]反する,背く)の過去分詞,「n’」は「ne」(「ない」、つまり否定)の短縮形。「feincte」は古語辞典に「Fiction」とあるので「空想,想像[の産物],虚構,作り事,協定,申合せ」、または「feinte」の古語と見ると(これはノストラダムスの大事典の訳からも確実)、「[相手を惑わす]見せかけの動作,牽制(示威)運動,フェイント,策略,ぺてん,見せかけ,偽り」,「dame」は「既婚女性,奥さん,婦人,女性,貴婦人,身分の高い女性,奥方,女領主,姫,修道女,[トランプ,チェスの]クイーン,女王」だが、「damné」(1 地獄に落ちた(落ちる運命の)人,2 逆境にある人)と校訂する。

La grande peste de cité maritime,
Ne cessera que mort ne soit vengée
Du juste sang par pris damné sans crime,
De la grand dame par feincte n'outraigee.
海辺の都市の大規模な疫病は、
死が復讐をするまで止まないだろう。
罪なくして逆境にとらえられた人による正義の血筋の(死)
偽りによって陵辱されない偉大な逆境にある人の(死)

3,4行目はイエス・キリストの磔刑と解釈している。その死が復讐するとは真のキリスト教が世界中に広まるという事である。

「14 そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである。」
「マタイによる福音書」第24章14節(口語訳)

「14 その後、イエスは十一弟子が食卓についているところに現れ、彼らの不信仰と、心のかたくななことをお責めになった。彼らは、よみがえられたイエスを見た人々の言うことを、信じなかったからである。
15 そして彼らに言われた、「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ。」
「マルコによる福音書」第16章14節~15節(口語訳)

また、4行目は「dame」でダブルミーニングとすると、「虚構に凌辱されない偉大な身分の高い女性によって」といった所である。(その場合は、「死」に修飾をしない。)https://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-12247640468.html

おまけ