詩篇 その76
「12 たといわたしは飢えても、あなたに告げない、世界とその中に満ちるものとはわたしのものだからである。
13 わたしは雄牛の肉を食べ、雄やぎの血を飲むだろうか。
14 感謝のいけにえを神にささげよ。あなたの誓いをいと高き者に果せ。
15 悩みの日にわたしを呼べ、わたしはあなたを助け、あなたはわたしをあがめるであろう」。
16 しかし神は悪しき者に言われる、「あなたはなんの権利があってわたしの定めを述べ、わたしの契約を口にするのか。
17 あなたは教を憎み、わたしの言葉を捨て去った。
18 あなたは盗びとを見ればこれとむつみ、姦淫を行う者と交わる。
19 あなたはその口を悪にわたし、あなたの舌はたばかりを仕組む。
20 あなたは座してその兄弟をそしり、自分の母の子をののしる。
21 あなたがこれらの事をしたのを、わたしが黙っていたので、あなたはわたしを全く自分とひとしい者と思った。しかしわたしはあなたを責め、あなたの目の前にその罪をならべる。
22 神を忘れる者よ、このことを思え。さもないとわたしはあなたをかき裂く。そのときだれも助ける者はないであろう。
23 感謝のいけにえをささげる者はわたしをあがめる。自分のおこないを慎む者にはわたしは神の救を示す」。」
旧約聖書「詩篇」第50篇12節~23節
感想
>12 たといわたしは飢えても、あなたに告げない、世界とその中に満ちるものとはわたしのものだからである。
「50:12たとえ飢えることがあろうとも
お前に言いはしない。世界とそこに満ちているものは
すべてわたしのものだ。」(新共同訳)
「主」は、「武士は食わねど高楊枝」的な人物なのだろうか。いや、この「主」は「感謝のいけにえを神にささげよ」とあるように、接待されたら御馳走になるような人物だろう。「主」にも種類があるようである。
「わたしはいつくしみを喜び、犠牲を喜ばない。燔祭よりもむしろ神を知ることを喜ぶ。」
「ホセア書」第6章6節
「6 あなたはいけにえと供え物とを喜ばれない。あなたはわたしの耳を開かれた。あなたは燔祭と罪祭とを求められない。」
「詩篇」第40篇6節
「13 われわれの神、主よ、あなた以外のもろもろの主がわれわれを治めた。しかし、われわれはただ、あなたの名のみをあがめる。」
「イザヤ書」第26章13節
>13 わたしは雄牛の肉を食べ、雄やぎの血を飲むだろうか。
「50:13わたしが雄牛の肉を食べ
雄山羊の血を飲むとでも言うのか。」(新共同訳)
旧約聖書でも牛は食べてもいいんだったよね。ただし、獣の血を飲むのはダメだと思ったが。(ユダヤ教徒はステーキを血抜きで食べる。)
「3 すべて生きて動くものはあなたがたの食物となるであろう。さきに青草をあなたがたに与えたように、わたしはこれらのものを皆あなたがたに与える。
4 しかし肉を、その命である血のままで、食べてはならない。」
「創世記」第9章3節~4節
念のため、他の箇所で豚肉とか食べてはいけないものが多々ある。
「11:1 それから、主はモーセとアロンに告げて仰せられた。
11:2 「イスラエル人に告げて言え。地上のすべての動物のうちで、あなたがたが食べてもよい生き物は次のとおりである。
11:3 動物のうちで、ひづめが分かれ、そのひづめが完全に割れているもの、また、反芻するものはすべて、食べてもよい。
11:4 しかし、反芻するもの、あるいはひづめが分かれているもののうちでも、次のものは、食べてはならない。すなわち、らくだ。これは反芻するが、そのひづめが分かれていないので、あなたがたには汚れたものである。
11:5 それから、岩だぬき。これも反芻するが、そのひづめが分かれていないので、あなたがたには汚れたものである。
11:6 また、野うさぎ。これも反芻するが、そのひづめが分かれていないので、あなたがたには汚れたものである。
11:7 それに、豚。これは、ひづめが分かれており、ひづめが完全に割れたものであるが、反芻しないので、あなたがたには汚れたものである。
11:8 あなたがたは、それらの肉を食べてはならない。またそれらの死体に触れてもいけない。それらは、あなたがたには汚れたものである。」
旧約聖書「レビ記」第11章1節~8節
>21 あなたがこれらの事をしたのを、わたしが黙っていたので、あなたはわたしを全く自分とひとしい者と思った。しかしわたしはあなたを責め、あなたの目の前にその罪をならべる。
「50:21お前はこのようなことをしている。わたしが黙していると思うのか。わたしをお前に似たものと見なすのか。罪状をお前の目の前に並べて
わたしはお前を責める。」(新共同訳)
相手の事をよく知りもしないのに、自分と同じようなものだと考えるのは愚かな事である。まして、自分より下と考えるのはコンプレックス(劣等感)を抱えているからだろう。
>16 しかし神は悪しき者に言われる、「あなたはなんの権利があってわたしの定めを述べ、わたしの契約を口にするのか。
「50:16神は背く者に言われる。「お前はわたしの掟を片端から唱え
わたしの契約を口にする。どういうつもりか。」(新共同訳)
悪しき者も「契約」を気にしているのだろう。そこで、「ダニエル書」から抜き書きしてみよう。
「29 定まった時になって、彼はまた南に討ち入ります。しかし、この時は前の時のようではありません。
30 それはキッテムの船が、彼に立ち向かって来るので、彼は脅かされて帰り、聖なる契約に対して憤り、事を行うでしょう。彼は帰っていって、聖なる契約を捨てる者を顧み用いるでしょう。
31 彼から軍勢が起って、神殿と城郭を汚し、常供の燔祭を取り除き、荒す憎むべきものを立てるでしょう。
32 彼は契約を破る者どもを、巧言をもってそそのかし、そむかせるが、自分の神を知る民は、堅く立って事を行います。」
「ダニエル書」第11章29節~32節
偽善者も神との契約を交わすが、途中から本性が出て来るのだろう。
「8 地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、その名を世の初めからしるされていない者はみな、この獣を拝むであろう。
9 耳のある者は、聞くがよい。
10 とりこになるべき者は、とりこになっていく。つるぎで殺す者は、自らもつるぎで殺されねばならない。ここに、聖徒たちの忍耐と信仰とがある。」
「ヨハネの黙示録」第13章8節~10節
おまけ