参考資料2026 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

ユディトという女 その3
「ホロフェルネスは宝石をちりばめた絹の天蓋の下で寝床についていたが、ユディトが来たことをきくと、銀の燭台を手にして出てきた。ユディトはその前にひざまずいて、うやうやしく礼をした。彼は、こんな美しい女にうやうやしく礼をされて、すっかりいい気もちになり、ユディトを立ちあがらせていった。
「この夜中にわざわざ訪ねてきたからには、なにか大切な用件があるとみえる。われわれはアッシリアの王に楯をつかない人間にはけっして乱暴はしないから、さあ、安心してなんでも話すがよい。」
 ユディトはまず、ホロフェルネス将軍の勇ましさをたたえてから言った。
「イスラエル人は、罪を犯さないかぎりエホバのお守りがありますから、城を攻め落とすことはむずかしいでしょう。ところが、いまはきびしくあなたの軍にかこまれて、水も食糧もつきてきたため、神殿に納めなければならない初穂や酒までも、じぶんたちで使おうとしています。これが神の怒りにふれないですむでしょうか。わたしはそれを知りましたから、町を逃れ出てきたのでございます。
 わたしはこちらにいますあいだ、夜ごとに谷に出て神に祈ります。まもなく神はきっとイスラエルの民が罪を犯したのを知って、彼らを罰するしるしをわたしに見せて下さると思います。そうしたら、すぐさまあなたがたに知らせますから、その時をのがさずにお攻めになることです。エホバに見すてられたら、イスラエル人に何ができるでしょう。ひとたまりもなくベツリアの町は落ちてしまいます。そうなったら、エルサレムはもう手にはいったも同様でございます。その道はわたしが御案内いたします。」
 ホロフェルネスはひどく喜んで、これほど美しくて賢い女は世界のどこにもいないと思った。そこでユディトに言った。
「よろしい。あなたのいうとおりにことが運ぶなら、あなたをアッシリア王の宮殿に住まわせて、世界に名前がとどろくようにしてあげます。さあ前祝いに宴会をひらきましょう。」
 しかし賢いユディトはそれをことわって、べつのテントにしりぞいて真夜中すぎまで一眠りすると、谷間にいって神に祈りをささげた。こうして、三日が何事もなくすぎた。
 四日めの夕方になると、ホロフェルネスは御馳走をたっぷり用意して、もう一度ユディトを食事に招いた。今度はユディトはすぐに承知して、いっそう美しく着かざってあらわれた。ホロフェルネスは大よろこびで、さかんに杯をあげた。ユディトも美しい顔をほころばせて、しきりに飲んだり食べたりした。しかし、それは前もって女中に用意させた品々だったのである。」
「聖書物語・旧約物語」山室静著より

感想
>しかし、それは前もって女中に用意させた品々だったのである。

さすがに小説だけあるね。実際は、こんな事は不可能だろう。それに毒味係もいただろうし。https://ja.wikipedia.org/wiki/毒見

>ホロフェルネスはひどく喜んで、これほど美しくて賢い女は世界のどこにもいないと思った。

何となく、ダニエルとネブカドネザル王を思い出した。

「46 そこでネブカデネザル王はひれ伏して、ダニエルを拝し、供え物と薫香とを、彼にささげることを命じた。
47 そして王はダニエルに答えて言った、「あなたがこの秘密をあらわすことができたのを見ると、まことに、あなたがたの神は神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされるかただ」。
48 こうして王はダニエルに高い位を授け、多くの大いなる贈り物を与えて、彼をバビロン全州の総督とし、またバビロンの知者たちを統轄する者の長とした。
49 王はまたダニエルの願いによって、シャデラクとメシャクとアベデネゴを任命して、バビロン州の事務をつかさどらせた。ただしダニエルは王の宮にとどまっていた。」
「ダニエル書」第2章46節~49節

これは、ダニエルがネブカドネザル王の夢を解読して解説したからである。

「31 王よ、あなたは一つの大いなる像が、あなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。
32 その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹と、ももとは青銅、
33 すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。
34 あなたが見ておられたとき、一つの石が人手によらずに切り出されて、その像の鉄と粘土との足を撃ち、これを砕きました。
35 こうして鉄と、粘土と、青銅と、銀と、金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところがその像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。
36 これがその夢です。今わたしたちはその解き明かしを、王の前に申しあげましょう。
37 王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、
38 また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたはあの金の頭です。
39 あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります。また第三に青銅の国が起って、全世界を治めるようになります。
40 第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう。
41 あなたはその足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。
42 その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。
43 あなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって、互に混ざるでしょう。しかし鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合することはありません。
44 それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。
45 一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と、青銅と、粘土と、銀と、金とを打ち砕いたのを、あなたが見られたのはこの事です。大いなる神がこの後に起るべきことを、王に知らされたのです。その夢はまことであって、この解き明かしは確かです」。」
「ダニエル書」第2章31節~45節

初めのうちは、ネブカドネザル王の時代の話のようだが、途中から「終わりの時」の話になっているようである。それは決して深読みではないだろう。何故なら、ネブカドネザルの息子のベルシャザル王の時代にもダニエルは夢解きをやっているが、その時は「終わりの時」の話だからである。(「ダニエル書」第7章,第8章 ただし、これらはダニエル自身の夢だが。)

>「この夜中にわざわざ訪ねてきたからには、なにか大切な用件があるとみえる。われわれはアッシリアの王に楯をつかない人間にはけっして乱暴はしないから、さあ、安心してなんでも話すがよい。」

因みに、ネブカドネザル王も人格者だったようである。

「ところで、バビロンのパレスチナ占領の際にバビロンに来るのを拒んでエルサレムにとどまったユダヤ人がいる。聞いたら、きっと吹き出すような話だ。ほんとにおかしな話なんだから。
 どうやら、エルサレムが紀元前586年に陥落したとき、ネブカドネザル王はこのユダヤ人に対して、いっしょにバビロンに来てもいいし、わずかな同胞とともにエルサレムに残ってもいいと言ったらしい。まったく馬鹿なやつだ、とバビロンの人びとは考えた。なにしろ、ネブカドネザル王に彼らがいだいている不満があるとすれば、それは王がユダヤ人の若者を国の要職につけ過ぎるということだったのだ。ネブカドネザル王は明らかにこのユダヤ人を大いに買っていたのだ。それなのに、このユダヤ人はエルサレムを選んだ―――当時のエルサレムはまったく住みやすいところではなかったのに。
 このエレミヤという名の男はいま、“神”の声が彼に語りかけ、バビロンの運命のみならずネブカドネザル王の行く末までも教えられた、と主張しているところだ。」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(上)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

「終わりの時」もそうなると思われるが、人格者(義)だけではダメなのだろう。イエスの再臨(ユダヤの神)を信じる者でなければ。

おまけ