参考資料816 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

なぜ平和運動が盛んになるのか
「わたしは必ずしも賛成できないが、いわゆる“平和運動”が、政治家たちにはとうていおよびもつかない大成功をおさめると確信するのは、読者の自由である。政治家たちは政界での出世しか念頭にないため、軍縮にはあまり熱心とは言えず、独裁者の目的やわが国が直面する危険について無理解な善意にあふれた人びとの圧力に屈するからだ。
 ユダヤ人国家イスラエルさえも、“平和運動”やその味方の圧力には屈してしまうだろう。したがって、そんな“甘ちゃん”どものために、イスラエルの政策には劇的な変化が生じるはずだ。国際連合にたいするソ連の忠誠ぶりを見せつけられれば、だれもが“態度を軟化”させるのは間違いない。ソ連はまだほかにも和解のしるしを見せ、欺かれた人びとは彼らの高邁な意図を信じこまされるようになるだろう。
 目下のところ、イスラエルは充分な軍備を持っている。しかし“ハルマゲドンの戦い”前夜は、この国は“かんぬきも門もなく生活している”、“囲いのない国”になる。
 これこそ、ソビエトの思うつぼだと予言者は言う。《わたしは囲いのない村々へ攻め上る》というわけだ。
 第二次世界大戦直前、時の英国首相ネブィル・チェンバレンが、“和平条約”と書かれた紙くず同然の紙切れを持ってヒトラーのもとから帰ってきたとき、わが国民が二度と宥和政策などに従うものかとかたく誓ったことを、わたしはよく覚えている。歴史の教訓は、こうだ。慰撫したからといって、飽くなき野望を引っこめる無法者や独裁者や好戦主義者、国際的ごろつきはいないのである。なのに、いまだにわれわれは、同じように無価値な紙切れでの信頼関係に満足している。
 第二次世界大戦に先立つ時代に、大々的な軍縮運動があった事実を、われわれは忘れがちである。こちらが独裁者たちに軍縮のよい手本になれば、向こうもこちらに見習うと運動家たちは主張した。結果は、無残なものだった。こちらは軍縮したのに、肝心の相手が実行しなかったのだ!
 ごく若い人たちは、わが国が武装解除すれば、ソビエト連邦も力を得てこちらを見習うはずだ、という自分たちの提案を、なぜ上の世代の人間たちが受け入れないのか、たぶん理解できないだろう。ここで、そのわけを言おう。そうした言葉はどれもこれも、とうの昔に聞きあきたからだ。多くの独裁者たちが、何度も同じことを言った。しかも、それは実現したためしがないのだ。個人的レベルと国際的レベルとを問わず、ごろつきどもが腰抜けの言葉に耳を貸すわけがない。
 二度と間違いをおかしてはならない!わたしは悲しみをこめて、この言葉を言おう。チェンバレンのように平和を愛した人を、だれが批判できよう?平和を愛し、それを守ろうと努力する若者や年配者をこうした問題で批判することをだれが望むだろうか?第二次世界大戦を引き起こしたのは、好戦主義者ではなかった。引き金となったのは、平和愛好家のほうだった。“軍縮論者”の言葉に耳をかしたばかりに、数百万人のユダヤ人がガス室で死ぬはめになったのだ。
 誠実に行動して誤りをおかしたほうが、ずる賢く立ちまわった場合よりもひどい被害をもたらすこともある。カンボジアやベトナムでは戦争の最中、アメリカやイギリスで催された平和行進が直接の原因となって、何百万人もの人間が死んだ。“平和運動”の活動の結果死んだ者のほうが、戦争屋に殺された人間よりも、数百万人も多いのが現実である。
 民衆煽動家に対処する方法は、ただひとつだけだ。できるだけ早い時期に、断固たる決意をもって、全力で立ち向かうしかない。第二次世界大戦勃発の原因は、ヒトラーが本性をむきだしにしたのに、手遅れになるまで彼を放置したためである。彼を阻止すべきだと主張した人間には、“主戦論者”のレッテルがはられた。英国きっての大政治家ウインストン・チャーチルですら、「手遅れになる前にやつを止めろ」と、お題目のように唱えたばかりに、政治的に孤立したのだ。
 平和主義者が大手をふり、その善良な意図からでた愚行が原因で、数百万人の人びとが死ぬ。不幸なことに、わが国はいま同じ道を歩きつつある。いったいいつになったら、われわれは懲りるのだろうか。
 西側諸国とユダヤ人国家イスラエルが、しだいに軍縮に傾きつつある今日、現在の状況が二千五百年前に予言者エゼキエルによって予言されていた、という事実を思い起こさずにはいられない。」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(下)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
>ユダヤ人国家イスラエルさえも、“平和運動”やその味方の圧力には屈してしまうだろう。したがって、そんな“甘ちゃん”どものために、イスラエルの政策には劇的な変化が生じるはずだ。

あまり関係ないが、「学生集団SEALDs」も頑張ってるね。
http://home.kingsoft.jp/news/ent/reallive/29613.html

>目下のところ、イスラエルは充分な軍備を持っている。しかし“ハルマゲドンの戦い”前夜は、この国は“かんぬきも門もなく生活している”、“囲いのない国”になる。

前回も述べたが、現在の延長ではそんな状況には永遠にならないだろう。

>民衆煽動家に対処する方法は、ただひとつだけだ。できるだけ早い時期に、断固たる決意をもって、全力で立ち向かうしかない。

独裁者に対処する方法という事だが、「平和運動家」のデモとか見てるとどっちも「民衆扇動家」だよね。
https://www.youtube.com/watch?v=CR-_pOQ59f8

因みに、クリスチャンで誰も実践出来ていないと思うが、「ルカによる福音書」第6章にこうある。
「しかし、聞いているあなたがたに言う。敵を愛し、憎む者に親切にせよ。のろう者を祝福し、はずかしめる者のために祈れ。あなたの頬を打つ者にはほかの頬をも向けてやり、あなたの上着を奪い取る者には下着をも拒むな。あなたに求める者には与えてやり、あなたの持ち物を奪う者からは取りもどそうとするな。人々にしてほしいと、あなたがたの望むことを、人々にもそのとおりにせよ。自分を愛してくれる者を愛したからとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でさえ、自分を愛してくれる者を愛している。自分によくしてくれる者によくしたとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でさえ、それくらいの事はしている。また返してもらうつもりで貸したとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でも、同じだけのものを返してもらおうとして、仲間に貸すのである。しかし、あなたがたは、敵を愛し、人によくしてやり、また何も当てにしないで貸してやれ。そうすれば受ける報いは大きく、あなたがたはいと高き者の子となるであろう。いと高き者は、恩を知らぬ者にも悪人にも、なさけ深いからである。あなたがたの父なる神が慈悲深いように、あなたがたも慈悲深い者となれ。」
27節~36節

おまけ