参考資料718 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読


「映画『オーメン』が公開されて以来、『黙示録』の予言について、たとえ歪曲されたものではあっても、何がしかの知識を持っていない人はほとんどいなくなった。とはいえ『黙示録』を手にとって、獣―――666―――の真実の物語を読んだ人はそれほど多くないのではなかろうか。だが、真実の物語は小説よりも映画よりも恐ろしく、興味深く、畏敬の念を呼び起こし、そのうえ現実にあったし、いまも現実にある、作り事ではないほんとうの話なのだ。
 次の短い引用は、『黙示録』13章からとった、ヨハネが読者に“獣”を紹介している部分である。

 わたしはまた、一匹の獣が海から上がって来るのを見た。これには十本の角と七つの頭があった。それらの角には十の王冠があり、頭には神を冒瀆するさまざまな名が記されていた。
ヨハネの黙示録 13章1節

 さらに、こう述べている。

 わたしはまた、もう一匹の獣が地中からのぼって来るのを見た。この獣は、小羊の角に似た二本の角があって、竜のようにものを言っていた。
ヨハネの黙示録 13章11節

 ヨハネは『黙示録』17章で、“獣”が何の象徴かを解くための鍵を与えてくれている。

 すると、天使がわたしにこう言った。「なぜ驚くのか。わたしは、この女の秘められた意味と、女を乗せた獣、七つの頭と十本の角がある獣の秘められた意味とを知らせよう。
 あなたが見た獣は以前はいたが、今はいない。やがて底なしの淵から上がって来るが、ついには滅びてしまう。地上に住む者で、天地創造の時から命の書にその名が記されていない者たちは、以前いて今はいないこの獣が、やがて来るのを見て驚くであろう。
 ここに、知恵のある考えが必要である。七つの頭とは、この女が座っている七つの丘のことである。そして、ここに七人の王がいる。五人は既に倒れたが、一人は今王の位についている。他の一人は、まだ現れていないが、この王が現れても、位にとどまるのはごく短い期間だけである。
 以前いて、今はいない獣は、第八の者で、またそれは先の七人の中の一人なのだが、やがて滅びる。
 また、あなたが見た十本の角は、十人の王である。彼らはまだ国を治めていないが、ひとときの間、獣と共に王の権威を受けるであろう。この者どもは、心を一つにしており、自分たちの力と権威を獣にゆだねる」
ヨハネの黙示録 17章7~13節

 これらを読めば、古代の予言者たちが、人類史上のいかなる時にも、文字どおりの動物が海から上がってきて国々を苦しめたりするわけではないことをよく知っていたとわかる。
“獣”というのは、さまざまな時代の諸国や王を寄せ集めてつくった、世界的な権力のモンタージュなのだ。人類史上の多くの帝国や同盟が、運命はひとつだが目的や国籍はひとつでない政治権力として描き出されているのだ。

 これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である。
ダニエル書 7章17節

 さて、その人はこう言った。第四の獣は地上に興る第四の国。これはすべての国に異なり、全地を食らい尽くし、踏みにじり、打ち砕く。
 十の角はこの国に立つ十人の王、その後にもう一人の王が立つ。彼は十人の王と異なり、三人の王を倒す。彼はいと高き方に敵対して語り、いと高き方の聖者らを悩ます。彼は時と法を変えようとたくらむ。聖者らは彼の手に渡され、一倍、二倍、そして半倍の時期がたつ。
ダニエル書 7章23~25節」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(上)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
>あなたが見た獣は以前はいたが、今はいない。やがて底なしの淵から上がって来るが、ついには滅びてしまう。地上に住む者で、天地創造の時から命の書にその名が記されていない者たちは、以前いて今はいないこの獣が、やがて来るのを見て驚くであろう。

オウム真理教が100倍ぐらいスケールアップして復活すれば驚くけど現実的にはあり得ないだろう。(他のどんな組織もね。)

>また、あなたが見た十本の角は、十人の王である。彼らはまだ国を治めていないが、ひとときの間、獣と共に王の権威を受けるであろう。

前から思っていたが、「終わりの時」の王は現在の国家とはまるで別のものらしい。参考までにノストラダムスの詩の10巻75番の4行目を挙げると、
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10559004196.html(ラメジャラー本の原文という所の訳。)
また、地から獣と海からの獣がいて山からの獣がいない所を見ると、前回のダンスタン説の「海は動揺する群衆の暗号」や「地はしいたげられ、踏みにじられる人びとの暗号」は当てになるのかもしれない。

>彼はいと高き方に敵対して語り、いと高き方の聖者らを悩ます。彼は時と法を変えようとたくらむ。

因みに、「ダニエル書」第4章16節~17節に、
「またその心は変って人間の心のようでなく、獣の心が与えられて、七つの時を過ごさせよ。この宣言は警護者たちの命令によるもの、この決定は聖者たちの言葉によるもので、いと高き者が、人間の国を治めて、自分の意のままにこれを人に与え、また人のうちの最も卑しい者を、その上に立てられるという事を、すべての者に知らせるためである。」

とあるが、同一人物だとしたら大したものだ。運命なんて自分で決めるものだろう。

おまけ