「ちょっと面白い数学の話 その21」の続き | シフル・ド・ノストラダムス

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ノストラダムスの暗号解読

モンモール問題
n人の人がプレゼント交換をする時、1回で済む確率は、
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で表される事を証明せよ。

解答
3人の場合を考え、3人をA,B,C,3人の持って来たプレゼントをa,b,cとすると、樹形図を描いて、
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2通り。また、全ての場合の数は3!=3×2×1=6通りより確率は2/6=1/3
ここで、Aがbの場合を考えてみる。次にBがaかaじゃないかで大きな違いがある。これを4人の場合で考えてみると、
$シフル・ド・ノストラダムス
Bにaが入ってしまえばAとBの関係は完結してしまってC,Dはお互いの関係だけを考えれば良い。しかし、Bにaが入らない場合はBとCとDの関係を考えなければならないからである。
そこで、n人がお互いに自分のプレゼントを受け取らない場合の数をD(n)と置くと、Aの場合の数はn-1通り。また、Bがaの場合はD(n-2)通りでBがa以外の場合はD(n-1)通り。(これは漸化式慣れしていないときついか。ただし、よく考えれば分かる事である。因みに、以前に巣鴨高校の入試問題で似たような漸化式の問題を見た事がある。)
よって、D(n)=(n-1){D(n-2)+D(n-1)}―――①という関係式(漸化式)が成り立つ。
よって、n人がお互いに自分のプレゼントを受け取らない確率をP(n)と置くと、
P(n)=D(n)/n!よりD(n)=n!・P(n)―――②
②を①に代入すると、n!・P(n)=(n-1){(n-2)!・P(n-2)+(n-1)!・P(n-1)}=(n-1)!・P(n-2)+(n-1)(n-1)!・P(n-1)
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(この定石は高2で習うが、定石など知らなくてもこの式を展開すれば青い字の2番目の式になる事は中1で分かる。)
ここからは数列の知識がないとダメかもしれないが、何となく感じだけは中学生でも分かると思う。
よって、数列P(n)-P(n-1)は、初項がP(2)-P(1)で公比が-1/nの等比数列である。ところが、公比の-1/nが変動するので等比数列とはならない。つまり、
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ところで、1人の場合の確率は0で2人の場合の確率は1/2である。よって初項は、P(2)-P(1)=(1/2)-0=1/2 また、(-1)^n-2=(-1)^nより、
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よって、
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よって、示された。
ところで、マクローリン級数より、
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(これは公式としてこういうものだと考えれば問題ない。e=2.7182818・・・・)
これにx=-1を代入すると、
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よって、n→∞の時P(n)は1/eに収束する。
よって、その確率は1/2.7182818・・・・=0.3678794・・・・
よって、約36.8%に収束する(参考になったサイト)。

おまけ