超人ナイチンゲール 栗原康

超人ナイチンゲール　栗原康　医学書院

何気なく読みはじめたが

ホンマにあらゆる事に超人らしい

1800年代における英国の貴族である

男社会のど真ん中を野心満々に生き抜いた母を出し抜き

フローレンスナイチンゲールは教会など目もくれず神秘主義にのめり込んで行く

年収億単位の収入を得ていた超大金持ちに生まれながら神の声を聞く事で

社会性など見向きもせずに父から学ぶ学業へと没頭し自由奔放に暮らして行く

そんな中で最終的には看護婦と言う当時最下層の世界に飛び込み社会的革命をもたらす

旧態依然の官僚支配による法権政治を

女の力で動かしたのは色気でも地位でもない

統計学を駆使して根拠によらずとも

結果を数字で見せて納得させたのだ

感染症の原因が細菌やウイルスだとまだ知らない時代でも

衛生的に向上すれば死亡率が下がると言うデータを数字で証明する事で

整理整頓や換気や上下水や排泄設備や食事に予算を取ることができるのだ

権力をもたらす力は

法と警察による強制力と

軍隊や学校のように集団生活の中で

普通と言う空気で分断統治する統制力と

統計や社会防衛や安全管理を示し

その損得感で自ずと従わせる自然力である

統計学者　看護教育学の母　並外れた知識人　ギリシャ哲学をはじめ語学にも堪能