「生」と「死」は、対極にあるが、実は同じもの?
生きるということは、死んでいくことだと、前に書いた。
細胞レベルの話だが。
生まれた瞬間から、死ぬ瞬間までの間が「生」である。
では、胎児の時代は? その前は?
逆に、死んだ後の時間は?
私は、まったく信じていないのだが。
辞書で調べてみる。
生とは、生物が、生物として存在し得る「ゆえん」の
本質的な属性として、栄養摂取・感覚・運動・生長・増殖
のような生活現象から抽象される一般概念。 難し過ぎる。
つまり、端的に言ってしまえば、栄養摂取などの「生きて
いくのに」必要な活動を総称して「生」という・・・
くらいなことだろう。
完全変態の昆虫が、卵として生まれ、孵化して幼虫となり、
蛹(成虫として生きていくための準備)を経て成虫となる。
学問としてではなく、我々の実感としての、「生き物として
生きている期間」はと言えば、成虫の期間だと思う。 蠅で
言えば、人間の生活空間を飛び回っている期間だろう。
では、人間の場合は、外界に出て来た時からか?
うん、そうだね。 胎児も自分で生きているのだが、命綱は
全面的に母親が担っている。
生と死は、紙一重であり、時に、表裏一体である。 |
そして、「生」は一瞬で「死」に至るけれど、
「死」が裏返ることはない。
時々、裏返る話を聞くけれど、それは奇跡ではない。
人間が、まだ本当の死を知らないだけなんだと思う。