皆さんこんばんは。
7月14日は、お盆の連休初日にも関わらず、そしてとんでもない猛暑の中、サントリーホール ブルーローズでの響公演、歌舞伎俳優の尾上松也さんとの音楽劇「某はセロである」にご来場いただき、本当にありがとうございました。
歌舞伎とクラシックのコラボレーションと聞いてもイメージが湧かない方がほとんどだったと思いますし、私自身も「絶対に素敵なことが起きる」ということは信じていたものの、常に手探りで公演当日まで不安な気持ちは抱えておりました。
松也さんと司会のお仕事をご一緒したきっかけで信頼関係を築いたとはいえ、伝統を守るために新しいことへ挑む者同士とはいえ、何もない状態から新しいものを作ることは、本当に大変でした。
でも、お忙しいのに即答でご出演を決めて下さった松也さんは、私が気を遣って躊躇したり固まっているときちんと気付いてフォロー下さり、なんて完璧なかたなんだと思っているとお茶目なところがあったりと、打ち合わせやお稽古期間を重ねるほどに、皆さまから愛されてどんどんご活躍・成長をされる理由を垣間見たように感じましたし、本当に救われました。
また、今回の演目「某はセロである」は、私の提案した宮澤賢治さんのセロ弾きのゴーシュを、松也さんのご紹介で振付・演出を尾上菊之丞さんに、脚本を松竹の戸部和久さんにお願いしたことで生まれました。
人間的にも音楽的にも豊かな菊之丞先生と戸部先生のご協力なしには、実現しませんでした。
そして、打ち合わせを重ねるうちにピアニストの柘植涼子さん、語りにはなんと竹本織太夫さんにお願いすることとなり、このお2人の柔軟なご対応なしにも実現しませんでした。
何もないゼロからのスタートでしたが、こんな素敵なゴールデンメンバーに支えられ、公演が近づくにつれで雪玉が転がってどんどん大きくなるように作品を仕上げることが出来ました。
織太夫さんは菊之丞先生からのご紹介でお引き受け頂きましたが、奥様がオペラ歌手でいらっしゃることから実は共通の話題も多く、今回ご縁をいただけて嬉しかったです。
ピアニストの涼子とはもう18年くらいの付き合いでプライベートでも大の仲良し、演奏でもいつも無理難題を引き受けて貰っており、二児の母である彼女にはかなり無理をさせてしまいましたが、今回も愛情深い涼子に助けられました。
また、プレトークでは松也さんが胸ポケットにブルーローズ、私もブルーローズ色のドレスをチョイスしましたが、なんと今回サントリーフラワーズさんからホワイエへの生花をご提供いただきました!!ありがとうございました。
駐スイス日本国特命全権大使の本田悦朗大使(本田千恵子大使婦人がたまたま一時帰国中でご来場が叶いました!)、井村屋グループ株式会社浅田剛夫会長、作曲家の和田薫先生、セント・フォースの久保地美晴社長からもご立派なお花を頂戴し、
他にもガトーフェスタハラダの原田義人社長はじめたくさんの楽屋見舞いやプレゼントを頂戴しました。
ありがとうございました!
今回、終演後に松也さんも私もそれぞれ違うお仕事がありサイン会が開催出来なかったので、せめての気持ちに…とオリジナル記念グッズを、友人の型染め作家の中澤結美子さんにデザインをお願いし和紙舗の榛原さんに作っていただき「松とチェロ」蛇腹便箋をお土産としてお配りさせていただきました。
抜群のセンスでこちらの意見を最高の形にしてくれた結美子ちゃんの支えにも、大きく救われました。
さらにチラシやパンフレットは結美子ちゃんのご紹介で、制作を大橋謙譲さんに、イラストは川村淳平さんにお願いしました。
実はこのチラシのデザインから松也さんも私もインスピレーションを受け、照明や舞台の大道具のアイディアとさせて頂き、この手作りの舞台を支えていただいたのでした!
スイスへ渡る前からCM出演でご縁をいただき、いまだに心から応援くださる森下仁丹さんなしに、今回の企画を思い切って進めることは出来ませんでした。
最後になりますが、今回この舞台を見守ってくださった皆様。
本当に、本当に、ありがとうございました。
実は、コラボレーションは、共演するアーティストそれぞれを応援くださる皆さまに対して、一番不安を与えてしまうことだと思っています。
ですから松也さんとの初期の打ち合わせで「松也さんにとってのクラシックとの初めてのコラボレーションが私で、松也さんを応援されている皆さまは大丈夫でしょうか」と弱気に伺ったことがありました。
メディアでもご活躍が目覚ましい松也さんとスイスが拠点のハイジ瞳とでは世界が違いすぎますし…
そうしたら「心から応援してくださっているかたがたは、私がすると決めたことや信じていることに、必ず喜んでついてきてくださるから、もちろん大丈夫。新倉さんを応援してくださっているかたがただって、そうでしょ?」
と松也さんが力強く言いきってくださり、弱気な自分を改め、ご来場くださった皆さまにとにかく喜んでいただけて、新しい扉を一緒に開いた気持ちになっていただけるよう、全力を尽くすことだけを考えるようにしました。
わたしの力不足で会場を満席に出来ず、松也さんにはもちろんご協力くださったみなさまに対して申し訳ない気持ちが残っていますが、ご来場くださった顔馴染みの皆さま、初めましての皆さまの笑顔と大喝采をいただき、関係者のみなさまには信じてよかった、楽しかった、必ず再演に繋げようと言っていただき、充実した幸せな気持ちでいっぱいです。
再演については、出演陣だけでなくご来場いただいた皆さまからたくさんお声いただいており、またそれがいつか実現するよう、信じていようと思います。
舞台を終え、ふにゃふにゃになりそうですが、また違うリハーサルがはじまっておりますのでクリームパンのように腫れた手で今日もチェロを奏で、この音が誰かに届くよう、また目の前の小さな努力を一つ一つ重ねたいと思います。
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