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昨日はバーゼルの初雪。
初雪の中を歩きながら、今回のスイスツアーで最も私の心に残った曲、ラヴェルの亡き王女の為のパヴァーヌが心の中に聴こえてきたので、ちょっぴりこの曲について書き留めさせて頂きたいと思います。

実はこの曲、21歳の新倉選手のデビューアルバム'鳥の歌'にも収録されています。20歳のとき宮崎国際音楽祭の特別編成オーケストラでフランスの指揮者シャルル・デュトワ氏の指揮で演奏させて頂いた経験がきっかけでこの曲がより好きになり、是非チェロとピアノの編曲でも弾きたいと思いアルバムに選曲したのでした。

しかし、今回オーケストラの中で改めて曲の冒頭のメロディーがホルンによって奏でられたとき、フルートでもオーボエでもクラリネットでもファゴットでもない、ホルンでしか表現出来ない世界がふわーっと広がりました。ラヴェルが求めている色彩はこれだ!というかんじ。
今までチェロはホルンと近いものがあると思って親近感を抱いていたのでこの曲をチェロで奏でることに違和感を感じていなかったし、もちろんオーケストレーションを考え感じながら弾いていましたが、なんだろ…なんだか恥ずかしくなってしまいました。

…そんな話を今回ツアー中何回も聴かせてくれたホルン奏者(以前ブログにも登場した日本が大好きなコンスタンティン)にしたら、笑いながら'この曲を愛して弾いてくれているなら良いじゃない、僕のホルンで聴いてくれたヒトミがこの曲を次に演奏することがある時は僕にも是非聴かせてよ'なんて言ってくれたのでした。また、コンスタンティンは最近大切な家族のかたが亡くなられたそうで、そのかたに捧げる気持ちで演奏したそうです。だからかな、本当に天に昇るような、祈りのようなラヴェルのパヴァーヌだったのでした。

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ああ、またこの曲を弾ける日が楽しみでしょうがない。

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