「一口馬主での失敗を見える化する」と記した前回の続きです。


前回、各馬の失敗のポイントを長く書いてしまったので今回は短く書くことを意識して。


も、もちろん頭数が多いから手を抜こうと思ったわけじゃないですからね!


(つまりそういうこととお察しください)


・2020年(2019年産)

 出資12、勝ち上がり5。7頭未勝利

エレダール(エレンシアの19)

 ゼンノロブロイ×ワークフォース、文字面からしたらパスですよ。でも本当に動きが良く見えたんですよね。育成時評価は過去の愛馬イチと思えたくらいの言葉が並んでましたし(笑)。


 血統からは避けられた、でも実際避けようがなかった、そんなところです。



ジャグアーロ(レオパルディナの19)

 上記エレダールと同じ杉山晴厩舎。当時はそのワードだけでも加点ポイントでした。ただ、馬自身には凄く抜けた良さがあったわけでもなく、頭数確保したいタイミングだからこその選択とも言えます。初仔でサイズも小さかったですし。


 この馬とスズナミ、シャルムランプの走りを見て、初仔かつ小さい馬にはよほど惹かれるものがなければ出資をしないとも決まりました。



シャルムランプ(レインボーソングの19)

 レーゲンボーゲンの孫。出資理由はそれだけしかありません。馬体を見た感じは正直厳しいとは思ってました。だから一度はパスしようとブログにも「見送り馬」と記し誘惑を断ち切ったはず、なのに結局出資してしまった。


 今年、レーゲンボーゲンというワードが再び見え隠れします。やはりもっとシビアに行くべきか、感情だけではダメですよと考えさせられて。馬の出来を見てから判断しよう、3年前の失敗が活きるかどうかはブログを書いているあなた次第です。



スズナミ(サザナミの19)

 母が小さい馬で活躍、この馬自身も運動神経は良さそうに見え締切直前に出資を決めました。が、やはり小さい馬は厳しい、当時でもどこか選馬の緩さを持ちながら、昨年の21年産以降は理由がはっきりしている小さい馬には手出し無用となりました。今年「馬体は語る2」を読んだこともあり、今の知識アップデートの状況ならば今後に活かせると。(流されやすいだけ)


 今年の募集、ナスノシベリウスの仔については公開されている写真あるいは聞いた話からして、父レイデオロのそれとも合わせて馬体が薄い感じで募集がかかりそう。ただ、母の仔の成長力の実績があるのも確か。つまり小さい馬を選ぶ際はそこまで含めて吟味する必要がありますね。


 さらに、父ハービンジャー。3頭以上出資した種牡馬の仔で唯一勝ち星なし、最も相性が悪い種牡馬です(笑)。今年はグリーンでもハービンジャー産駒はいますが相性の問題からカタログは飛ばして読むつもりです。



トリメストラーレ(シーズンズベストの19)

 体質面の不安が見え隠れする中で、動きは良かったので攻めた狙いをしました。決して安くなかった馬ですが、運用開始後の未出走引退はこの馬が初めてのことでした。


 「もし、見込みが外れて体質が弱ければ「育成時から体質の弱さを見せており」の定型コメントが待っているかも。」出資時に記していた、まさにifが的中した感じです。引退の経緯を知ってからも募集時点でどこかそういう面があったようで、でもカタログには記されていなかった。全ての情報が公開される趣味ではなく、こちらもこれまで何度か記した「情報の非対称性」があるものなので仕方ない。それでも今後に向けては、体質不安と見ていたくらいなので無理に行くのはやめようということ、自分への大きな反省です。


 スズナミのところでハービンジャーとの相性を書きましたが、こちらはロードカナロア。ジュビリーヘッドに代表されるように相性は良いと思いますが、後ほど記すラディアンシアと合わせ牝馬にはもう手を出すことはしないと思います。未出走引退2頭ともカナロア牝馬ですから(笑)。



ラブシックボッサ(シンギングセンセーションの19)

 上2頭で単純な種牡馬批判的なものが続きましたのでこの馬は違う視点で記したいのですが、イスラボニータ産駒は活躍馬をバンバン出すかなと見ていたんですよね。この馬の出資理由もほぼそれによるもの。


 加えて「母の産駒実績から一つは確実に勝てるでしょう」という見解。いやいや、一つ勝つことは容易じゃない、一つはなんて思うから一つも勝てない。ここはもっと高い視座で判断するということを学びました。



ローゼシュティア(ピンクアリエスの19)

 3口出資は当時この世代までの愛馬で最も高い出資割合。馬の皮膚感、運動神経の良さ、かつピンクアリエス産駒のディープ系牝馬。出資をした時点で一つ二つそれ以上の姿が見えていました。


 が、そんなに簡単なものではない、勝ち上がることって大変なんだよと教えてくれました。多分タイムマシンで時間を戻せたとしても同じ失敗を繰り返しているであろう、さすがにこの馬に関する失敗は防ぐことはできないと思います。



・2021年(2020年産)

 9頭出資、勝ち上がり4。5頭未勝利

ラディアンシア(ラドラーダの20)

 この馬にかけた気持ちと金銭面。引退から少し時間が経っても未だスマホの待ち受けはこの馬の小さい頃の写真、名前を書くと色々とこみ上げてきます。事実として大失敗だけどそのワードは使いたくない、そんな身勝手な感情です。


 失敗の反省というテーマと割り切っても書き出すと止まらなくなるので、この馬についてはこれ以上はやめておきます。



以下可能性を信じたいけど、権利なし未勝利馬たち


アンナジーク(アンナモンダの20)

 確実に一つは勝てるだろう、小ささはあってもその考えの方が上回りました。これから記す他の3頭と比較しても一番そのチャンスがあったはず。でも上手くいかない、走る能力があることは分かっている。ホントに難しいです。やはりサイズと母年齢の組み合わせも大事な要素。



ジュエルアズギフト(ラヴアズギフトの20)

 堅実な仔出しの母の産駒。2,3勝クラスを見ていた当時の私はどうすれば避けられたであろうか。逆にどこにウィークポイントがあったと見抜けたであろうか。競馬は走ってみないと分からないことを痛感させられた馬ですね。



セブンリーチ(リーチコンセンサスの20)

 キャロットではお馴染みの血統。それがキャロット価格ではなくグリーンで募集されるなら自然と⚪︎を付けてしまいますよね。


 ただ、「確認したいのは内臓面。皮膚の質感がきになったのと、少し体質に不安がありそうな顔つきもしています。また右前脚の歩様もネガティブです。」と記していた。今はもう無理にそういう判断はしないと決めて、ようやくですけど。



ブリアンツァ(ツルマルオトメの20)

 この馬も安定して走ってくれる存在と思いましたし、写真動画ともに良かった。母年齢で避けられたか、今となれば那須野系の馬と私の相性で対象外になるのですが。


 育成では長い長い外厩での坂路の時間がどう影響したか分かりませんが、人気厩舎の難しさもありました。逆に言えばその順番待ちを飛び越える何かまでは見せられなかったということでも。



前回今回と未勝利馬たちについて記しました。アンナジーク以下の4頭はそれが確定した訳ではありませんし最後まで奇跡を信じてはいますが、権利もない中であって残り2走、相当なビハインドにあることは隠せません。


ただ、こうやって思い返して出資時にブログに記していたことを改めて記してみて、自分なりのヒント、特に頭数を絞る意味では頭の整理にはなりました。


客観的なデータではサイズ、母年齢での線引きをした方が頭数を絞るならなお良さそう。でもキャロットの今年のアワブラ産駒は年齢的には…。


あとは体質面。今回は未勝利馬だけ記してますが、もちろん逆に勝ち上がった馬の中でも体質面について触れていた馬もいるのは確かです。


ただ、改めて各馬の出資理由を読み返すと不安があるのにいくのは良くない、仮に不安があったとしてそれを上回るような血統の実績だったりとかそのようなことがなければ、こちらも頭数を絞っていく以上あえて体質不安を感じる馬を選ぶ理由はないということ。


グリーンの馬の場合はこの部分が馬の価格を抑制してくれていることもあり、だからこそ緩くなりがちな基準は締めてかかりたい。


長々と記しましたけど、最終的にはこの趣味は運に過ぎないかも知れません。それでも少しでも確率を上げていくことは大事です。



最後に、先を見据えての懸念事項を一つ。


今回のテーマとはズレますがサラブレッド生産頭数が増えているのに働き手の確保って大丈夫なのかということ。つまり一頭あたりにかけていただける工数が減り、質の問題、事故を未然に防げる可能性の減少なども既に見え始めてもいる。愛馬たちに限ってもちょっとした頓挫が増えている肌感覚はあって、単なる偶然なのか、それとも出資頭数が増えているから多く感じているだけなのかも知れませんが…。


ただ、中長期の視点ではなく、ごく短期目線でもこの問題は相当な危うさを抱えていると見ています。


一言でまとめると、「明らかに出資リスクが増大している(いく)」ということ。


このことについてはいくら個人のブログといえどもさすがに言葉を選ばないと難しいですし、短文の中では書ききれないので機会があればまた今度。



さて、本題に戻り、物価高そして可処分所得が増えない中で無理をすることは日常生活にも跳ね返ってきちゃいますからその点でもダラダラとであっても記憶を呼び起こした意味はありました。


もう間も無くカタログが届くグリーンの募集から本格的検討がスタートしますが、失敗から学べた反省点がたくさん見えてきたので例年以上に絞り込んでいく判断に活かしたいと思います!