私は訪問看護の仕事をしながら、ひきこもりや依存症の人、その家族を支援する活動をしています。
でも、それは決して他人事ではありません。
なぜなら、私自身もひきこもり・不登校の子どもの親だったからです。
当時の私は、毎日不安と焦りでいっぱいでした。
「どうして学校に行けないの?」
「このままで将来どうするの?」
「私の育て方が悪かったの?」
何とかしなければと必死で声をかけても、子どもは何も答えない。
部屋にこもり、ゲームや動画の世界に没頭するばかり。
私は何度も「ちゃんと向き合わなきゃ」と思いましたが、
話しかけるたびに拒絶され、どうしていいかわからなくなっていきました。
「わかってほしい」のは私だけじゃなかった
「わかってほしいのは私の方なのに」
そんな気持ちが、いつの間にか心を支配していました。
私は一人で抱え込み、誰にも相談できず、
「私の努力が足りないのかもしれない」
「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込んでいました。
でも、あるときふと思ったんです。
——この子も、私と同じように「わかってほしい」と思っているのでは?
私はずっと「私の気持ちをわかってほしい」と思っていました。
でも、子どもも同じように「自分の気持ちをわかってほしい」と思っていたはずです。
それに気づいたとき、私は子どもを「変えよう」とするのではなく、
「この子は何を感じているんだろう?」と考えるようになりました。
【私が試したこと】
すぐに何かが劇的に変わるわけではありませんでしたが、
少しずつ、子どもの世界に寄り添うことを意識しました。
「学校に行かせるために」ではなく、「この子が安心できる場所を作るために」
私は、これまでの関わり方を変えてみました。
• 「どうして?」と聞くのをやめた
今まで私は、「どうして学校に行けないの?」
「どうして外に出ないの?」と問い詰めていました。
でも、それをやめました。問い詰められると、
子どもはますます口を閉ざしてしまうからです。
• 話しかける頻度を減らし、そばにいる時間を増やした
「話さなきゃ」と思うと、余計にプレッシャーを感じてしまいます。
だから、ただ一緒の空間にいることを大切にしました。
• 子どもが好きなことに興味を持った
ゲーム、アニメ、動画…それまでは「またそんなことばかりして」と思っていましたが、
「どんなものが好きなの?」と少しずつ聞いてみました。
すると、「このゲーム面白いよ」と話してくれるようになりました。
• 子どものペースに合わせた
無理に外に連れ出そうとせず、家の中でできることを一緒に楽しむようにしました。
一緒に映画を見たり、子どもの好きな料理を作ったり。
• 「大丈夫だよ」と伝え続けた
たとえ子どもが何も話さなくても、「あなたのことを大事に思ってるよ」と伝えることを意識しました。
言葉にしなくても、安心できる関わり方を心がけました。
【少しずつ変わったこと】
そんな関わりを続けていくうちに、少しずつ子どもの方から話しかけてくれるようになりました。
「今日はこんな面白い動画を見つけたよ」
「このゲーム、めちゃくちゃ面白いんだよ」
ほんの些細なことかもしれません。
でも、それは「わかってほしい」という子どもからの小さなサインでした。
「わかってほしい」という気持ちは、親も子どもも同じです。
でも、親の「わかってほしい」が強すぎると、子どもはますます心を閉ざしてしまう。
だからこそ、まずは親が「わかろうとする」ことが大切なのかもしれません。
もし今、目の前の子どもが何も話してくれなくても、
「この子も“わかってほしい”って思っているのかもしれない」と考えてみる。
そう思うだけで、少し関わり方が変わるかもしれません。
私は、かつては悩み苦しみました。
でも、「子どもの気持ちをわかりたい」と思えたとき、親子の関係は少しずつ変わっていきました。
だから大丈夫。
あなたの気持ちは、きっと子どもに届きます。
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