3月の仕舞いの頃

 

見事なみごとな柑橘をいただきました

 

直径は20センチ越え

グレープフルーツの3、4個分の質感の大きな柑橘

 

友人のお父様が育てられたものを

柑橘類が好きな私にと送ってくださいました

 

 

 

外皮からは想像できない繊細な果実の

香り高いこと 

品の良い甘さと歯切れの良さで

 

眠っていた遠い日の記憶が揺り起こされました

 

その柑橘は 家族の思い出の味

「晩白柚」でした

 

父が何かの折にお土産に持ち帰った大きなみかんが

珍しくて 美味しくて

ただ「バンペイユ」と教わったその音感が楽しくて

 

「またバンペイユ食べたいね」と

弟と何度も話していた「バンペイユ」そのものでした

 

 

 

そのエピソードを話しはしませんでしたが

美味しさの感激を友人に伝えたところ

再度 送ってくださることに

 

2度目は いろいろと調べ

果実を包む厚みがあるワタのような皮の部分を

何度か茹でこぼして 

ほろ苦さも楽しめるマーマレードも作り

 

大切に「バンペイユ」をいただききりました

 

 

 

直径20センチを越える果実を

いくつも実らせる樹ってどんな様子なのだろう

 

その実を育て ご家族だけでなく

私にまで分けてくださるお父様の存在って偉大

 

 

そのような想いで

感謝の言葉を毛筆で手紙にしたためて

少しばかりの品と共にお届けしました

 

ただ ほんとうに「ありがとうございます」と

伝えたかっただけの手紙

 

お父様がそれをご覧になって

とても喜んでくださっていたと伺い

 

お会いしてはいないけれど

 

バンペイユを育てて届けてくださったお父様と

バンペイユを嬉しそうに土産に持ち帰った父とが

 

どこかで繋がったようで

「バンペイユ」は格別の果実第一位となりました

 

 

 

6月になって

多用な日々となりました

門下生の展覧会の作品制作にかかりきりの今月

 

今日も朝8時からほぼ丸一日 

指導の仕事をしました

 

帰宅したところに届いたのは

「バンペイユ」を届けてくれた友人からの包み

 

中には お父様が作られたという木工のお品

 

どれも 手にひとつも当たるところのない

なめらかで丁寧な仕上がりです

 

お嬢様が手紙を添えてくださっていました

 

この文鎮は

お父様がずっと以前 手に入れておられた

「槐(エンジュ)」の木を加工されたものであること

 

「槐」の花や葉は昔から薬として使われていること

 

木」ヘンに「鬼」と書くのは「魔除」や「厄除」に

なると言われている木だからということ

 

 

「槐」という木を

 

私は知りませんでした

 

ましてや その漢字の意味も由来も、、、

 

 


とても硬い木質であるという「槐」を

 

このように 丸くなめらかに加工してくださる

 

その手数と お心、、、に感動します

 

 

仕事柄 「文鎮」はいつもそばにあって

 

使わない日は ありません



 


 

 

「槐」の文鎮に込められたのは

 

「あなたが守られますように」というお心

 

 

自宅の仕事机の上に置いて

 

日々 愛ながら使わせていただくことにします

 

 

 

「エンジュ」と聞いて連想するのは 

 

延寿

 

そして縁受

 

ありがとうございます