「自己紹介」打込み機材紹介 | 近野淳一説明所

近野淳一説明所

近野淳一音源の歌詞、ライナーノーツ等を掲載します。

自分はギター一本弾き語りで活動してるけど、今作は全曲ドラム、ベースが入ったバンドサウンドで統一されています。

更に、そのうち何曲かは、パーカッション、ピアノやオルガン、シンセ、ノイズなど自分が演奏するギターともまた別の音が入っています。

これらは全て「打込み」です。


いつも使っている録音ソフトLogic Pro Xに、デフォルトで入ってる音源のみで作りました。打ち込みって自分の原点みたいなもんで、高校三年生からバンドをやるために曲を作り始め、当時はギターと歌を重ねたデモ音源を聞いてもらってそこにベースやドラムを付けていくっていう形式だった。

デモの録音はCDラジカセ(多分若い人は知らない)を2台向き合わせ、トラックを重ねていく方法(結構やってた人いるみたいなので調べれば出てくると思います)。録音媒体は今は殆ど見る事もなくなったカセットテープ。

オリジナル曲とカバー曲が混在していたお遊びバンドのうちは、それで十分楽しめていたが、やがてオリジナル曲だけで勝負していこうとなった時。

頭で鳴っている曲を言葉で伝えきれない事がもどかしくなり、ドラムマシーンを買った。

これはドラムとベースをプログラムできる機材だ。

同時に、友達から4トラックまで録音できるMTRを借りた。

今となれば、かなりやれる事が限られた機材だが、スタジオに入って演奏するまでわからなかった構造が部屋でわかってしまう、その感動で、作曲をする手が止まらなくなった。

ドラムやベース、自分が演奏しない楽器のパターンについては、いろんな曲を聞いて見様見真似で覚えていった。

そこから、今に至るまでずっと、バンドメンバーにはバンド演奏が入ったデモ音源を渡すようにしています。(稀に弾き語りデモから作る事もある)

だから、打込みというのは自分にとっては作曲の教材みたいなもの、誰かから何かを教わるのではなく、今の自分ができる事をやる事で生まれる新たな発見「作りながら教わる感覚」。

誰かに何かを教わるのが極端に苦手、自分が知らない理屈は全然頭に入ってこない、そんな大きな課題(欠点)を克服するために時間を使うより、自分ができる事だけやって「わかる範囲」をゆっくり広げていった方が得策ではないでしょうか?

いや…そもそも、自分ができる事だけやっても成長しないのが普通なのか??

他人の事はわからないが、自分はとりあえず、そういう経路を辿る事で音楽が楽しく身についていってます。

今でもね。


時代は進化して、ドラムもベースも、シンセも、人の声も…全部、録音ソフトに備え付けられてます。

楽譜は読めない、理論もなんとなく、こんな人間でも音楽が作れる。

もちろん、それを音楽とは呼ばない人もいる。

でも、ありがたい事に呼ぶ人もいるのでやっていられる。


自分が打込みを始めた頃は、バンドブームだったので、生演奏がもてはやされ、電子音が売りのジャンルでもない限り、打込みで音源を出すなんてちょっとダサい風潮があった。

あれから、時は過ぎ今はどうだろう?


打込みでデモを作る感覚で、そのままリリースしても違和感の無い空気。


ラッキー。


勿論、生演奏も最高です、大好きです。

ただ、自身のバンド鴉(からす)でいつもやってます。


鴉というバンドでは、演奏だけでなく、機材も時代錯誤な重ったい真空管アンプ持ち込んだり、同期モノも使わず(※使えない)に、生に拘ってやってます。


難しい事は考えず、バンドメンバーと音で対話しながら演奏するのは楽しい。


そして、自分の中にある音を完璧に並べていく事ができる打込みもまた、同じように楽しいのです。


同じビートをただループさせるのではく、バレない程度に少ーーーしパターンを変えるとかね。


これ実演してもらうとしたら、めんどくさがられそうで頼めないから、パターン同じにしちゃうよね…っていうのも、実演予定がないから気にしないで好きに打ち込めるでしょ。


人に気づかれなきゃ意味ないんだけど、その意味ない事も実際音にしてみなきゃわからないじゃないですか。

もし、ずっと一定だと思っていたものが、要所要所で少し違っているのに、気づいたら「こいつまたやってんなー…」って呆れてください。