神沢利子さん おめでとう 100歳展
北と星といのちと


 児童文学作家神沢利子さんと聞いても、ピンとこないかもしれませんが、くまのこウーフの作者と言えば思い当たる方も多いかもしれませんね。


 永らく三鷹市にお住まいの神沢さんが今年の一月に100歳を迎えられたことを記念しての展示会です。三鷹市芸術文化センターで2月4日まで開催中です。


 年表は100年分ですから見応えがあります。原点として0〜19歳がⅠ期、20〜37歳が投稿期としてⅡ期、38〜61歳が書くことは生きることのⅢ期、独り居の自由 好奇心の旅が62〜80歳のⅣ期、81〜100歳がⅤ期 同じうたをうたい続けて と、なっています。

 ファンの方はお気づきでしょうが、2006年「同じうたをうたい続けて」からタイトルを取っていると思われ、そこには

ふりかえれば、十代のころから、いや、きっと「いないいないばあや」の橙子時代から、川の流れのように、わたしは同じうたをうたい続けてきたのだった。たとえうたいぶりはつたなく、声はかすれていたとしても、終わりの日までわたしはわたしのうたをうたい続けるのだろう。 とあります。



 1971年の「わたしの絵本」にて次のように書かれています。
 どこかに自分本来の鉱脈があるかもしれないなら、ツルハシで掘ってみることだ。と、三十過ぎて童話をかき、四十いくばく過ぎて絵をかこうという遅蒔き人生のわたしはいささかのんびり考えている。でも、ああ困った。この調子なら百までわたし生きなくちゃ!
 
 300を超える作品には、名だたる画家や絵本作家がこぞって絵をつけています。子供時代を過ごした北の国の鮮烈な自然の思い出も作品から伝わります。

 幼少時は気が付きませんでしたが、あの作品もこの作品も神沢さんの作品でした。懐かしさに浸りながら、北の少数民族への思いと、いのちの始原への問に触れてみてはいかがでしょうか。



 くまのこウーフとのツーショット写真を撮れるコーナーなど撮影可能エリアもありますよ。


2000年ごろの仕事机を再現

おしまい