どうしても、悪い気持にとらわれて逃げ出せない時があるとする。
どうにも途方に暮れるのも辛いなら、
とりあえず、深く呼吸して、良い景色、
大好きな匂いに包まれる、雨の降る静かなお休みの朝、晩御飯に何を食べたいか、を、夢中で思う。
何を思うか決めて、15分、5分で良い。その事だけについて集中するのだよ。

この時、きちんと呼吸すること。呼吸か落ち着いたら、考え始めることがポイント。
呼吸が落ち着いて、考えがまとまって来たら微笑んでみる。
しばらくそのまま、薄ら笑いで呼吸を続ける。

それで、あなたはもう時のはざまから脱出出来ている。
次の新月の時、必ず決めるお願いごとに、悪いところにははまらない、流れて過ぎる事が出来る、って、はっきり書いておく。
近づかない、とどまらない、で、解決しよう、必ず出来る。もう、すでに始められているのだから。

人の形で見るんじゃなくて、心の奥の方、目に見えないその人の真ん中を、大切に思うこと。小さいところに行き詰るのが悪いわけではない。ただ、下を向いているから仕方が無い。大きく深いイメージで、全て肯定するやり方、知ってるはずが見えなくなっているだけ。

思い出して、広げて、元の自分の心地よいところに戻ろう。
それがあなたのほんとうのすがたなのだから、大丈夫だよ。元気を出して。
もう、良いことしか起こらないから。





そう、沿わす、そうそう、ひたひたと沿う気持ち。
そばによりそう、沿う、そう、良さ。

目を閉じて
ふんわりと包まれる、それが全て。
今一番美しい、見えないさわれない大事なモヤ。

丸い大きなシャボン玉に包まれて、
歩くたび大きく揺れる。
いずれは身体から離れ、
それの導くままに大切な希望に変わる、などの。

光のかたまりか、水の粒か、
手に触れた人/あるいは頬にふれた人だけが知る、
至極の楽しみ、
包まれて転げ回る芝生のにおい、
永遠に鳴り止まない、
彼方から優しい鐘の音が聞こえて、
ぐっと生きている実感を増す、
例えば、そんな。

名前を呼ぶとすれば
愛かしら、愛。
フルムーン。
雨上がりの澄み渡る空。
歓喜のメロディに似た。





その女は口を閉ざしたまま確かに誰かと話をしていた。

・・・

四角が三角になったりしないわ。だって、三角は四角よりも角が一つ少ないわけだし、三角に角を一つ加えたら四角になるし、辺も増えるじゃない?それをずっと三角って呼び続けるのは違うと思うの。赤い紙に書いてあるとおりよ。果実の指定はなし。手袋は五組必要。斜めに引きずる必要も、それ以外の要求はないわ。以前お伝えした通り、わたしは鉛筆を削ることが大嫌いなの。だって、削るのをやめられないんだもの。尖っていることが美しい。尖っているだけでいい。ただ、美しい三角形を眺めていたいだけなの。雨の日に、雫を一つ刺せるように、いつも尖らせておく必要があるの!電話の相手のせいか?知らない人よ。いつもね。少し話せばわかるわ。なにも、灰色が関係しているって決めつけるのは早い。灰色の中に、白檀の項目があるでしょう?見落としたの?らしくないわね。白檀。白檀。大切に、火をつけて。香りで満たすの。部屋の中をいっぱいにして水を貯めて鏡を照らす。五分ほど。そうすれば現れる。捉えることが出来れば高く売れるわ。うふふ。知らないわよ、そんなこと。わたしはもう興味がないことよ。ダメよ!藁は一緒にしないで。ありがとうタバコに火をつけてくれたのはあなた?その発電装置を休めて、こちらへいらっしゃい。そう。そのままでいいわ。甘い水もあるのよ。どちらになさる?苦くても平気?少しの間だから、きっと好きになるわ。膝においてもらえるかしら。斜めにならないようにまっすぐ。

・・・

真後ろで騒がしい。

信じられないスピードで豆大福を食べながら、ずっと話すのをやめない。いや、誰とも話などしていない。やはり、赤い唇はずっと黙ったままだった。

わたしは豆大福の豆が口からこぼれ落ちそうで落ちない様子を後頭部の目で見つめているのに忙しく、
本当にその女が誰かと、話しているかどうかは
私とは全く、関係がなかった。