【レポート】響己10周年ワンマンライブ@池袋BigBangBox | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

4月に入りました。
新生活を迎えた方も多い中、いかがお過ごしでしょうか。

余談ですが、昨今、界隈では「嘘」のような話が飛び交っています。
朗報もあれば、引退、解散の報とか……。
中には驚きのあまり「本当?」と信じられないものもありましたが……ちょうど年度の切替えを境に、色々な物が動いている様子が伺えます。

そんな中、4月1日、エイプリルフールに行われたけれど、本当のお話……。

この日の主役である彼女は、ちょうど10年前のこの日、ステージに立った。

その間、紆余曲折があったものの……いや、言うなれば、この日のステージまでの準備すら紆余曲折があったのだが(汗)
様々な紆余曲折を経て、荒波乗り越え活動を続け早10年……無事にこの日を迎えた……という話。

この日の主役、彼女の名前は……響己。

……という事で、2017年4月1日、池袋BigBangBoxで行われた「響己10周年ワンマンライブ」の様子をお送り致します。

●開演前

今回のライブは事前にキーホルダー状のチケットが前売り券として売られていた。
本人としては席を設けて、入場者数を絞る狙いがあった模様。
だが本人も「自身を過小評価していた」と語るように、チケットがあっても席が確保できるとは限らなかった模様……。

そこで開場時間よりやや遅れて、会場に向かった。
恐らく開演前だと席が確保出来ないと踏んでの事である。

結構な頻度で訪れる池袋BigBangBox。
いつものようにそのドアを開けると……受付のFICE・炎が猫耳らしき髪方で、そこに立っていた(笑)
(詳しくは画像を検索するといいだろう・笑)
そして会場内から流れてくるBGMは……お経(爆)
このお経「消災呪」というお経で、読んで字の如く「災いを消す呪文」の意味があるらしい……。
更に会場の内装は……これから何かの儀式でもやるかのような禍々しい……もとい、神々しい(?)感じに……。

ステージの後方には赤い糸が張り巡らされて、そこにはよく神社で見るギザギザの紙が貼ってあり「結界」のようになっていた。
ステージの中央には「響」の文字が書かれた大きな扇子に、上手にはお神酒と座布団の上に……モバひびが邪神の如く鎮座していた(笑)
また天井のあちこちから同じ赤い糸で色々と紙がぶら下がっており、独特の雰囲気を醸し出していた……。

この会場の世界観……一瞬、あの顔の白い方を思い出した(笑)

……こうして何とも言えない、不思議な世界にいると、一人、また一人……客が入る。
幸い自分は席を確保できたものの、開演直前に入った某赤馬氏はステージの前のスペースで地べたに座る事となった(笑)
※もっとも我々客層としては、地べたに座るのはいつもの事なので慣れているのですが。
間もなくすると会場に響いていたお経は一瞬、その音声を上げてやがてフェードアウトすると……。

聞き覚えのあるイントロが流れた……。

そして現れたのは、漆黒の衣装に狐のような獣の耳を生やした……響己、その人だった。

●本編

こうしてワンマンライブは響己の代表曲「幻」から軽快にスタートした。
彼女の活動初期からのソロ楽曲で、記憶が確かならもう7年か8年くらいは間違いなく歌っているだろう。
聴き慣れた同曲ではあるが、響己と言えば「幻」……これだけは絶対外せない。
楽曲のタイトルこそ「幻」だが、それだけは確信を持って言えるだろう。

まずはあっという間に「幻」を歌い終え、響己はステージに立ち挨拶をした。
今回のステージのコンセプトなどを語り、各方面からのツッコミどころを先手を打って封じた形となった(笑)
なおここのMCの中で活動開始から10年という事で、10年前のステージデビューの話となった……。

……10年前のまさに4月1日、某養成所所属時代に都内某所のライブハウスでステージに立ったのがキッカケかつデビューだったと語る彼女。
当時の事をしみじみと語りつつ、ここから先は当時歌っていた楽曲を中心に構成する……というものだった。
ここから四曲連続だが、そのうち三曲が以下の通りとなる。

「ココロビーダマ」(RYTHEM)
「風に乗っかって」(皆川純子)
「十六夜涙」(吉岡亜衣加)

デビューしたての彼女が「幻」のようなオリジナルを持つ前の話。
当然、カヴァー中心の構成となる。
しかし現在の響己からすると、到底、選曲するとは思えない楽曲の数々であった。
またこれらのカヴァー、全てアニメ関係。
「ココロビーダマ」はアニメ「焼きたて!!ジャぱん」のEDテーマ。
「風に乗っかって」はこちらもアニメ「テニスの王子様」のイメージソング。
「十六夜涙」もアニメ「薄桜記」のOPテーマ。
……当時の響己の趣向も垣間見える選曲でした。

上記三曲が終わり、次の楽曲……「夢雪」が流れる。
これは響己のオリジナルでご存知の方も多いだろう。
ただこの時流れたバージョン……これ実は初代のバージョンである。
そう……かつて彼女が組んでいた三人組ヴォーカルユニット・ToLadyで歌っていた方のバージョンである!
響己と知り合うキッカケになったToLady……個人的に色々ありましたが、非常に今、このタイミングで聴ける事が感慨深いものがありました……。

……と、こうして序盤戦終了。
さてここで響己がある入れ物を取り出す……。
それは昨年作った「菊の酒」との事である。
9月9日の重陽の節句……またの名を「菊の節句」に際し、響己が作った酒との事である。
これまで響己自身が飲むタイミングを逸した事もあり、その場にいる客層に振る舞う事となった。
菊の香りが強く漂う会場内……そして会場にいる全員で、この日、10周年を迎えた響己に祝杯を挙げた。

祝杯が終わったところで、響己オリジナル楽曲コーナーに入る。
まずはアカペラで「HappyBirthday」を歌う。
あまり歌う機会が無い楽曲ではあるが、彼女の誕生日を祝いたいという気持ちがこもった楽曲となっている。
今回は自身の10周年……言い換えれば「響己」という歌い手が生まれて10年というこの日を「誕生日」に見立てて歌ったのかも知れない。
……そんな事を思った。
続いて「玩具」(おもちゃ)
この楽曲は比較的、歌われる頻度が高い。
非常に静かで語りかけるような歌い方が……まるで子守歌のように聴こえた。
聴いていて、非常に心安らぐ楽曲であった。

こうして響己オリジナル楽曲パート終了。
「玩具」で歌っている、おもちゃについて語るなどして、楽曲の裏側についてのトークが展開された。
続いては再びカヴァーソングに戻る。
ここでは以下の二曲を歌った。

「TRIP×TRICK」(VALSHE)
「狐ノ嫁入り」(ボーカロイド)

「TRIP×TRICK」は初めて聞いたかも知れない。
響己ならむしろ「狐ノ嫁入り」の印象は非常に強いのではないだろうか。
彼女自身に「狐」のイメージが強く、まさに響己が歌うためにある楽曲では無いかと……。
知らない人はこの楽曲が響己のオリジナルと勘違いしてしまうかも知れないが、それくらい彼女のイメージと合致している代表的なカヴァー曲の一つと言って過言ではないだろう。

こうしてカヴァー二曲を終え、再びMCに入る。
さてここで響己の口から、実はあるプロジェクトが進行中との話が飛び出す。
会場にいた客層にとっては初耳となる、そのプロジェクトの中身は……「童謡」
このたび「童謡」のアレンジ楽曲を歌う事となり、今年の秋頃を目安に音源化を目指すとの事である。
今回はそのプロジェクトの一貫として「江戸の子守唄」、そして「赤とんぼ」の二曲を歌った。
どちらの楽曲も幼い頃に何度も耳にした事だろう。
響己が今回初披露したこの二曲もアレンジは違えど、とても耳馴染みの楽曲だったに違いない。
彼女のこれまでの「和」テイストの雰囲気を踏まえると、整合性は高く、非常に楽しみな出来であった。
今後もこのプロジェクトの展開に、これからの響己に期待したい内容だった。

こうして新プロジェクトの発表を終えて、次に歌うのは……また話が10年前に遡る。
当時所属していた事務所の寮で同部屋だった人……いわば同僚のオリジナル楽曲を音源化したものとの事である。
響己が楽曲を音源化した事で「音源が欲しい」と当人から言われているとか(笑)
こうして歌ったのが「ルキアスの羽音」
恐らくこの場にいた客層の誰もが初めて聴くだろう楽曲。
響己のオリジナルじゃないのですが、恐らく初めて聞いた方は彼女のオリジナルと勘違いしてしまいそうな程、いかにも……な感じの歌詞と旋律が印象的である。
今後、この楽曲を響己がどうしていくのか……ここだけで終わらせるのが勿体無いので、なんらかの形で歌い続けて欲しいと思いました。
※余談ではあるが「ルキアスの羽音」で検索すると元歌の歌い手の思われる方が、この楽曲を歌っている動画が出てくる……興味があれば是非。
続いて「歌に形はないけれど」を歌う。
この楽曲はボーカロイドで配信されている楽曲。
いかにも響己らしい選曲というのを感じさせてくれました。

……10周年記念ライブも、いよいよ最後の一曲を残すのみとなりました。
ここのMCでは10年間の感謝を込めた趣旨の御礼の挨拶などを中心とした話題を展開しました。
そして最後に歌ったのは「再会の約束」
今や押しも押されぬ、響己の代表曲。
……もうただ響己の作り出す世界にどっぷり浸かっていて、もうお別れなのだと思うと、少し寂しい感じがしましたが……。
ただこの楽曲のタイトルにある通り、また「再会」出来る……これからも進化する響己に再び会える……そう前向きな解釈をしつつ聴き入っていました。

……こうして響己10周年記念ライブは、最後にその場にいる全ての人との「再会の約束」をして、幕を閉じました……。

●総括

全14曲。約一時間半、ノンストップで駆け抜けたライブイベントとなりました。
彼女の人柄を表すように、非常に謙虚で身の丈にあった規模での開催でしたが、そんな彼女が作り出す世界観に浸れる心地よい時間でした。
今回、本人としても大規模な開催は考えていなかったようですが、結果的には会場がいっぱいになるくらいに集まりました。

思うところ、それも響己がこれまでの10年で培ってきた人と人の繋がりが、そこまで規模は大きくなくても、しっかりと人を惹きつけ、集めたられたような気がします。
ただこの10年、彼女が順風満帆だったか……と言われると、決してそうでない10年だったように思います。
ここに至るまで、響己自身、非常に紆余曲折の日々を過ごしてきたのを、少し離れた位置ではありますが結構長い間、見て来ました。
多くの出会いがあった一方で、様々な別れや離別も経験してきたように思います……。
だけど別れや離別も、多くの出会いが無ければ生まれなかったものだと思えば、決して不幸な出来事と単純に決めつける事も出来ないと思います。

例えばこの日は受付に徹したFICE・炎。
2010年の秋、これまで響己が所属していたToLadyが解散した際、真っ先に声を掛けて、コーラスとしての居場所を提供しました。
今やFICE隊の一員として欠かす事の出来ない響己は、この縁を7年経った今でも大切に紡いでいます。

この日、前述のFICE・炎をはじめ会場にいた誰もが響己とは「縁」があった者たちです。
共演者、関係者、客層……皆、それぞれ立場や出会った時の状況は違えど、この10年における響己としての活動の中で出会った者たちです。
そんな人たちに囲まれて、自身の10周年を迎えられた響己は……どんな心境だったのでしょう?

幸せだった……そう断じるのも単純な気がする。
彼女の事だから、却って身が引き締まる想いになったかも知れない。

色んな想いを巡らせる事が出来るのですが……。
ただこの日、10周年を迎えた彼女が見せたステージは、これまでの彼女の歩みの一部分であり、ひとまずの集大成であった事は間違いないと思います。

昨今、この界隈でも活動休止なり、引退の報が結構な頻度で流れてます。
一年後ないし、三年後、今、この界隈で活躍している出演者が半数以上いなくなっていてもおかしくないのがこの界隈では有りえる事です。
そんな中で10年……自分のしたい表現を突き詰めて、歩き続けた響己の存在は一言で「称賛」するには言葉が足りない。
それにこの日見せたステージは、これからの響己に期待を抱かせるような「未来」……言い換えれば、これから10年先の響己を夢見れる「未来」が確かにそこにあったのだと思います。

確かな10年の歩みと、これからの10年を期待させるステージをこの日見せてくれた響己……。
きっとその場に居た全ての方が、響己と出会えた今を幸せだと感じた……。
そう思える……素晴らしい10周年記念ライブでした。


また個人的な話になりますが……響己本人にこのイベントのレポートを書いて欲しいと言われた事、非常に嬉しく思います。

その場で応援する以外で、このように求められる事は本当に自分にとってはこれ以上ない名誉というか……嬉しさがあります。
あの日、あの瞬間に立ち会えた事、そしてこのレポートを書ける事に自分は感謝したいと思います。

ありがとう、そしておめでとう響己。
これからも長く活躍する事を心から願っています。


これからの響己に幸あれ!