【舞台観賞】「着メロはお気に召すままに」(CAPTAIN CHIMPANZEE) | ヒトデ大石のなんとなくレポート置場

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2011年8月「ヒトデ大石のどんなブログにしようか検討中。」からタイトル変更。
ライブイベント、舞台観劇のレポートを中心に書いていこうというブログ。
以前はmixiが主戦場だったけど、今はこっちが主戦場(笑)

※この舞台は11/2~11/6まで行われた舞台で既に公演は終了しています。
 
すっかり秋の気配が漂う昨今、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
……いやもう「冬」と言った方がいいのでしょうか?
暦の上では「立冬」は迎えたので……。
 
そんな中、舞台を観に行った訳ですが……一つの区切りを迎える事となりました。
 
向かった先は池袋・シアターグリーン BATH THEATER。
劇団は「キャプチン」ことCAPTAIN CHIMPANZEE。
 
劇場もお馴染みならば、劇団も年に1~2回、お邪魔していますね。
何もかもがお馴染みのはず……なのですが、それだけでは終わらない理由が今回ありました。
 
何があったか……を語る前に、まずは公演開始前の状況からお伝えします。
 
今回、自分がお伺いしたのは初日。
実はあまり初演はお伺いするのが好きじゃないのですが、今回は諸々の予定上、どうしてもこの日しか空いていませんでした。
所用で少し遅れて入ったのですが、平日(と言っても祝前日)にも関わらず、席はほぼ満席状態。
もっとも自由席でしたが、いい席は確保できたと自分でも思っています。
 
さてこのキャプチンさん、意外とサービスがいい劇団でありまして、公演前にプレゼント抽選回があります。
1等だと前公演のDVDが当たるなど、普通に買えば数千円のものが入手出来るので、意外とコスパがいいのです。
そんな自分ですが、今回、3等が当たりました(笑)
キャプチンさんの卓上カレンダーなのですが、普段、こういうものを一切購入しない自分的には非常にありがたかったです。
いやむしろ、キャプチンさん、結構な頻度でお伺いしていて、今回が初の当たりだったからそれだけでも嬉しかった(笑)
キャプチンさん、卓上カレンダーありがとう。来年一年、大切に使います(笑)
 
……こうしている間にあっという間に開演となります。
公演終了につき、ネタバレ全開であらすじでも追っていきたいと思います。
 
 
 
海野渚(池上映子・以下敬称略)はロボット・天天(天海祐子)を販売する勤続20年のセールスレディ。
だが昨今の売り上げは悪く、上司や後輩に馬鹿にされる日々が続く。
 
そんな彼女がひょんな事から不思議な携帯電話を謎の女神(川瀬ゆい子)からもらう。
その携帯電話、実は会話した人物に変身するというもの……。
同僚・徳川(鈴木美奈)のアイディアで、一気に売上を伸ばし、出向した副社長・滝川(瀬谷和弘)からも認められ、いよいよ春も近い……そう思った矢先、ある事件に巻き込まれる事となる……。
 
冴えない日々を送るセールスレディの身に起きる、非日常な事件。
国家を巻き込み、世界中のスーパースターを巻き込み、事件は大きくなっていく。
 
果たして の運命は如何に!?
 
……これはある冴えないセールスレディに起きた、一大事件簿の物語である……。
 
 
 
ま、こんなところ。
むしろあらすじにある「事件」がメインなのですが、ここの内容は今後DVD化の事も踏まえ、敢えて伏せようかと(笑)
ただ物語の本筋はこの現実をベースとした、ちょっと近未来的な世界とヒーローが実在するファンタジーな設定。
このような設定はキャプチンの得意とするところ。
でも近未来的なロボットが存在する一方で、そこにはセールスレディがいたり、職人がいたり、現在にも通じる世界観もしっかり根付いている。
このあたりの荒唐無稽になり過ぎない設定は観ている側としてもそこまで違和感を感じない。
いやこの世界にはお手伝いロボットが普及していて、世界各地にスーパーヒーローがいるという事が「当たり前」と最初の段階ですんなり納得させてもらえる。
 
そんなキャプチンならでは世界観でありますが、今回はこれまでと比べて表現の仕方が若干違うように思えました。
いつもならくどいくらいに世界観を掘り下げるのですが、今回はそれが意外とあっさりとしていた。
どうやら今回、キャプチンは外部から演出の方を呼んだとか……。
 
キャプチンであって、キャプチンらしくない……どうも観ていて、そういう場面が多々見受けられました。
例としては映像をほぼ全く利用していない。
また背景やセットが変わる事が多いのですが、それも今回は最低限の演出に留まっていたような……。
どちらかというと、出演者の演技を魅せる事に重点を置いたようなそんな舞台になっていました。
 
またこれはキャプチンならでは特徴ですが、多くの出演者が一人二役を演じてました。
なのでパンフレットに掲載されている役よりも、もう一つの役が目立った出演者もちらほら……。
この辺りの多彩さや変幻自在っぷりは各出演者の力量が大いに試されるところでしたが、多くの出演者がきちんと二役をこなしていたように思います。
ただパンフレットでは、もう少しその辺触れてくれてもいいような気がしないでもないですな……意外と終演後、誰が誰だったか解らないし(苦笑)
 
もっともこれまでのキャプチンらしさを踏まえつつ、外部演出によって多少の変化が加わった本作品。
物語の設定は荒唐無稽でも、エンターテイメント作品としてしっかり楽しめました。
 
上演時間は約1時間40分。
肩ひじ張らず楽しめ、最後は少し心が温まる作品でした。
 
 
 
ここからは気になった出演者の方でも。
 
キャプチンと言ったら、欠かせない池上映子嬢。いや今度から「様」をつけて呼ぼうかな(笑)
看板女優兼主役と言ったらこの方を置いていないでしょう。
毎回、一癖も二癖もある、ちょっとダメな主人公(失敬)を演じておりますが、今回もその例に漏れず。
上手いというよりは、味がある……彼女を観ないと、キャプチンを観た気分になれません(笑)
 
そういう意味では川瀬ゆい子嬢もお気に入りの出演者の一人。
この方も「常連」と言って過言ではないくらい、毎回客演していますが、毎回、一癖も二癖もある(笑)役を演じきっているな……と。
今回も「女神」(正体は科学者)という、なぜこの世界に居るのか、存在自体が不可思議な役を演じてました。
嫌いじゃない……いや、むしろ好きだな(笑)
 
あと今回、キャプチンに出演していた事自体が驚きだったのが瀬谷和弘氏。
カプセル兵団で何度か演技は拝見した事がある方ですが、正直申し上げると、カプセル兵団での彼を観ているとキャプチンのカラーに合うのがどうしても想像できなかった。
しかしその不安はいい意味で裏切られました。こうした抑えた感じの役柄も出来る事に感嘆しました。
 
その他、もう何度も拝見している劇団員の方、客演の方、初めましての方、皆様、非常にそれぞれの役がハマっていて良かったのです。
 
 
 
さて今回、最後に語るとしたら、今回のお目当てだった長井柚嬢について語らないといけないでしょう。
今回演じたのは会社の秘書・田中、そしてとある国の姫・セレーネ(川口未央)の侍女・セト(あれ?ミトだったかな?パンフに役名が載ってないからうる覚え)の二役を演じました。
田中はこれまでの彼女ならではのかわいらしさが詰まった役柄。
そして侍女(セトかミトか自信が無いので侍女で統一・汗)の方は恐らく年齢的には結構上の部類に入る役柄。
正反対の立場と、年齢層の役柄を演じ分けたと思うのですが、個人的に好きだったのは侍女の演技。
長年彼女の舞台を観てきましたが、こういう役が出来る様になったのか……と、しんみりしてしまいました。
 
彼女に関わる思い出を上げるなら……実は出会いもこのキャプチン。
この時は小学生の女の子を演じていたのを覚えています。
その際、レポートで彼女を絶賛したのをキッカケに、彼女から舞台の誘いをいただくようになり、面識が出来た……と言ったところです。
 
同郷という事も手伝って、親近感が沸いてからは機会があるたびに彼女の舞台を拝見させていただきました。
138.2cmという小柄な体格に合わせた役柄から、徐々に色んな幅の役を演じて成長していく彼女を、年に数回とは言え拝見するのが楽しみでした。
 
そんな彼女がこの公演を最後に、活動休止に入ってしまうと聞いた時はなんとも寂しい気分になりました。
欲を言えば続けて欲しいのですが、それは一客のワガママであるし、彼女も自分のこれからの人生と真剣に向き合って出した結論だと思う次第……。
 
今回、彼女を舞台で拝見するのが最後かも知れないと思い、しっかり見届けたつもりです。
 
……いい役者になった。
初めて拝見した時と比べて、確実に成長した。
 
それだけは間違いないと思います。
 
これからの人生、彼女自身、どのような道を歩むのか分かりません。
とにかく今、彼女にかける言葉があるとするなら「お疲れ様」よりは「ありがとう」なのかも知れません。
 
 
長井柚様、本当にこれまでありがとうございました。
私のここ数年における観劇ライフにおいて、貴女の存在は決して欠かせませんでした。
どうかこれからの人生、一度しかない人生、素晴らしいものになる事を心よりお祈りしております。
 
 
……以上となります。
 
長井柚嬢目当てで拝見していたキャプチンさん。
今後は拝見する機会が減るかも知れませんが、毎回、抽選と「ひまつぶ紙」は楽しみにしているクチなので(笑)またお伺いする時はその独特の世界観で楽しませてくれる事を期待しております。
 
・CAPTAIN CHIMPANZEE・公式サイト↓
http://capchim.com/