※4/9~4/13公演。既に公演は終了しています。
4月に入り、新生活が始まった皆様、いかがお過ごしでしょうか。
自分の職場でも新入社員が入ったりしましたが、新卒はいません(笑)
さてそんな中、行ってきたのは大塚・萬劇場。
今回拝見したのは劇団「平熱43度」の「帝国陸軍と不老不死伝説!!」なる舞台。
どんな舞台なのか……お話する前にまず平熱43度について簡単に紹介。
主宰・桃原秀寿氏により2011年9月旗揚げ。
劇団の名前通り、熱い作品を作る事をコンセプトに舞台を作っているとの事。
以後、年に2回ペースの公演で今回が6回目の公演となります。
そんな「平熱43度」ですが、自分はお初となります。
……が、今回の舞台の出演者、知っている人が意外と多い。
なのでお初なのですが、お初のような気はしませんでした。
まぁどなたが出演者していたかは……後々、レポート内で触れましょう。
さて今回の舞台「帝国陸軍と不老不死伝説!!」ですが、サブタイトル(?)に「インディとジョーンズの冒険第二弾」とあります。
実は旗揚げ公演「インディとジョーンズの最初の聖戦!」の続編という位置づけで作られています。
でも前作観ていないけど大丈夫!?
そんな不安は……まぁ観てのお楽しみって事で(笑)
劇場に入って、毎度お馴染み地下に地下に潜っていき、辿りついた萬劇場。
公演終了後につきネタバレ有りなあらすじから。
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の一員としてこき使われるインディ(桃原秀寿・以下敬称略)と相棒のジョーンズ(宝栄恵美)
ある日、ユネスコの依頼で古代遺産である「賢者の石」を盗み出す。
しかし「賢者の石」を狙う、謎の軍隊に追われることになる。
なんとか謎の軍隊を振り切ったインディとジョーンズ。
後日、ユネスコでの上司・エル(久留裕子)の仲介で「賢者の石」の本来の持ち主であるエマリア国の使者に渡す事となるのだが……。
そこに再び現れた謎の軍隊……新大日本帝国陸軍【那智】!
更に盗賊団「隼の爪団」を交え「賢者の石」を巡る攻防が繰り広げられる!
果たして「賢者の石」は誰の手に!?
新大日本帝国陸軍【那智】の真の目的とは!?
そしてエマリア国の使者に隠された真実とは……!?
舞台はニューヨーク、そしてペルー・マチュピチュへ……!
「平熱43度」渾身の「B級アクション演劇」
※フライヤーでも「B級アクション演劇」と記載されています(笑)
……一言で言うと、とっても分かりやすい、冒険活劇でした。
出演者が全員、舞台を所狭しと大暴れする様は観ていて爽快だった。
今回の舞台の特徴として、アクションが非常に多い事。
この手の活劇ものには欠かせないんだけど、劇中の多くをアクションシーンで占めていたように思います。
後半から終盤なんて、ほぼ全ての出演者、殆どアクションシーンか、走っているかどっちかだったと思う(笑)
それにしても本当に良く動いていたなぁ……そう思います。
出演者のアクションの数々と体力に脱帽。
ストーリーについても非常に分かりやすい。
登場人物同士の関係性や、「賢者の石」に関する謎など分かりやすかった。
もしかしたら謎解きとかが好きな人には物足りなかったかもしれないけど、これはこれでいいと思う。
また登場人物の設定の元ネタが分かりやすいので、イメージがとっても沸きやすい。
インディとジョーンズがそもそも、あの有名な映画の登場人物だし(笑)
それと新大日本帝国陸軍とあるけど【那智】という名称と、登場人物の火虎大元帥(垣内あきら)で元ネタが浮かんでくるのでは……。
「隼の爪団」も「鷹(以下略)
登場人物からしてこれなので、まぁ劇中の台詞もところどころツボをついてくるものもあったり、中には某アニメの有名な決め台詞を丸ごと拝借していたり(笑)
とにかくネタは尽きなかった。本当に笑わせてもらった。
それでいて締めるところは、しっかり締めており、物語として破綻していない。
ちょいちょい、いいシーンがあったんですよね。
だけどお涙頂戴な感じではなく、爽やかな感動とも言うべきか……。
ただ舞台効果については、暗転の多さは非常に気になったところ。
物語の演出上、場面転換が非常に多い内容なので、致し方ないのかもしれないけれど、場面の切り替えを安易に暗転に頼りすぎた印象はあります。
もう少しこの辺り、工夫が出来なかったかな……それだけは残念です。
しかしトータルで観ると、エンターテイメント作品として上質。
公演時間が1時間55分という長さでしたけど、一本の映画を観ている感覚でいれば、妥当な長さかな……と。
そんな訳で気になった出演者でも。
っていうか、今回、知っている方ばかり上げるだろうなぁ。
まず真っ先にあげさせてください。宝栄恵美嬢。
ジョーンズ、かわいいよ(照)それに尽きます(爆)
まぁぶっちゃけ主人公の一人ですからね。メインのヒロインですからね。かわいいのは当たり前ですけどね(笑)
でも見せ場は本当にたっぷり。アクションのシーンもカッコよかったし、その天然ですっとぼけた感じのキャラクターも良かったし。
こりゃインディも好きになるわ。うん分かる(爆)
正直、男女のカップルの組み合わせって傍から見ていても「なんでこの登場人物好きになるんだろ?」って思う組み合わせあるんです。
……でも今回に関してはそれは無かった(爆)
結構、以前に拝見した事がある方ですが、今回の舞台を拝見して新たに彼女のかわいらしさというか、そういう魅力に気づきました。
続いて村井みゆき嬢。
この方も年に数回、舞台で拝見する女優さんです。
今回彼女が演じたのは【那智】の女性軍人・藤堂大佐。
女性の部下を引き連れて颯爽と現れるあたり、なんか男装の麗人っぽい感じがして非常にカッコ良かった。
でも登場したときのテーマソングが「薔薇は美しく散る」なんですが、なんか似たような登場の仕方を今年の1月にもしていたような……(笑)
村井さん、女性にしては非常に長身なので、この手の役がハマるんですけどね……ちょっとデジャブだった(笑)
随所にアクションシーンだったり、某女性キャラとのキスシーンだったり(笑)今回も見せてくれました。
期待を決して裏切らない素敵な大佐でした。次回はまた今回とは方向性の違う役どころを観てみたいです。
最後に野上あつみ嬢。
今回、一番のお目当てですよ。あつみ嬢(たまには言わせてください)
彼女が演じたのはレイスという執事……と見せかけた、実は正体はエマリア国のお姫様!……という一粒で二度美味しい役柄(笑)
ただレイスに隠された秘密が物語の後半で判明すると、更に美味しい役柄(笑)
相変わらず彼女の役の恵まれっぷりは半端ないですなぁ。
でもその美味しい役柄を余すことなく、演じていた印象はあります。
所属劇団でもヒロイン級を演じる事が多い事もあり、女の子らしい一面はもちろんの事、コミカルな演技から、設定的に難しいと思われる一面までしっかり演じきったと思います。
表向き宝栄恵美嬢が演じたジョーンズがヒロインですが、実はレイスが真のヒロインでは……いや、この扱いは今作のヒロインだったな。
彼女が所属劇団以外でヒロイン演じたらどうなるのか……というのが、今回の注目ポイントでしたが、面白い化学反応を起こしていたと思います。
今回の経験を今後彼女がどうフィードバックしていくか……6月のジャングルベル・シアターの公演も非常に楽しみにしております。
またこれは全体にいえますが、出演者の皆様、多くの方がアクションなどが達者でした。
カーチェイスのシーンとかも、小道具なしであの表現力は素晴らしかったと思います。
ただ……本当に疲れたと思うので、心からお疲れ様と言いたいです。
本当にお疲れ様でした。
そんな訳で比較的知っている方、名前を見た方が多かったので、安心して楽しめた舞台でした。
名は体を現す……「平熱43度」
熱い劇団でした。
・平熱43度・公式サイト↓
http://43deg.com/