熟柿
佐藤正午
KADOKAWA(単行本)
2025.3
図書館で借りて(予約)
読書ブログで
高評価…涙腺崩壊…と記載があって
未だかつて本を読んでいて
泣いたことがないから
どんなものかと
図書館で予約…手に取りました
(予約件数も多かったから、3ヶ月くらい待った)
あらすじ
熟した柿を愛していた伯母
(正確には父の伯母・主人公にとっては大伯母)
その伯母の葬儀の帰り道
人身事故を起こし、轢き逃げをした
主人公・市木(田中)かおり
は妊娠中だった
ほどなく逮捕され
刑期中に出産し、退所時に離婚
出産した子ども
拓(たく)は夫が引き取ることに
罪を犯した母親という立場から
拓に会うことを許されず
拓を想いながら過ごす
2008〜2025年まで(17年間)の
出来事&出会う人々の縁を綴った物語
感想
久々に主人公主体の分かりやすい小説で
スラスラ読めました![]()
タイトルの熟柿(じゅくし)には
- 熟した柿
- 『熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと』
と、2つの意味があり、それに終着する話で
最終的には
『気長に待っていたら時機が来て』
想い続けていた拓に再会できたという話![]()
ただ再会までのエピソードがてんこもりで
拓に
会いたすぎて、
幼稚園に乗り込んだり
入学式にしれっと参加しようとしたり![]()
仕事先では、
貯めに貯めたお金を盗まれたり
犯罪歴が露呈してクビにされたり![]()
ハラハラさせる事件があることで
読む手が止まりませんでした
(『恍惚の人』のようなスピード感)
期待していた
泣きどころは…というと
拓(17歳)と再会を果たす場面
かおりに会えるのを
拓は、ずっと心待ちにしていた…
かおりに捨てられた…と思っていたほどに
犯罪歴のある親でも
子どもにとっては、
唯一の生みの親であり
かけがえのない、
特別な存在でしかないんだ…
(あくまでも私の解釈)
と、打ちのめされ、
涙腺崩壊にはならなかったけど
心揺さぶられました
(泣いてはいない)
と、心温まる物語だったんだけど
ソレよりも何よりも
私は
伯母さんが何でそんなにも
熟した柿を愛していたのか?
が気になって
その謎を解明して欲しかった![]()
孤独の比較対象として
伯母さんが引き合いに出されているのは
解るけど
ただのダブルミーニングの為に
熟柿好き伯母さんを
登場させたかったのか…と
モヤモヤが残りました![]()
伯母の葬儀後の
親族達のどんちゃん騒ぎも
夫のあり得ない泥酔も
かおりの(人身事故の原因)ながら運転も
モヤモヤポイントだけど![]()
それは伯母さんからの
“こんな奴ら、こんな自分とは、
決別すべき…”
という、縁ギリのメッセージだと思えば、
昇華できるんだけど
縁は切れてないし…
考えすぎ
?
(ただただクジュウロ親子に感謝)
あと物語的に
女性作家さんだと思っていたら
(親のいない子がでる小説が軒並み女性作家だった)
男性作家…結構年配の…で意外だった
けれど
子を産んだ女性に
永遠の母親像を当てはめるのは、
やはり男性作家だからなのか…
と勝手に勘繰ってしまった![]()
すっかり考察グセがついて、
純粋に本が読めない今日この頃![]()