窓の外は、真夏の日差しが厳しい。その中に、今日は車が2台、置かれている。

 1台は私の車で、もう1台は学生らしき男性の所有車である。


 ここには、22戸のワンルームがある4階建ての建物が、2棟並んで建っている。

 駐車場は8台分、4台が向き合っている。他にバイクと自転車の置場がある。 戸数に比べて、駐車台数が少ないようだが、隣接して駐車場があるから大丈夫なのであろう。

 一応、アスファルト舗装ではあるが、起伏があって、雨の日には大きな水溜りが出来る。


 机に向かったまま、左に頭を振れば、4台分の駐車場が見える。私の部屋は1階でなので、バルコニーの手摺壁越しに、車の運転席から上が見渡せる。

 その手摺壁のところには、簾が掛かっている。昨年の夏、西日を遮るために吊り下げたのだが、出入する入居者からの視線を妨げることを考えて、そのままにしておいた。


 手前が赤いホンダライフ。

 学生と思しき女性の車である。その女性の顔をはっきりと見たことがない。簾が邪魔をしているのだ。

 この4月に越して来たはずである。その前は、男性サラリーマンの白いセダンがあった。

 朝早くから出かけたり、1日中、止めたままだったりと、彼女の行動は、はっきりしない。

 車1台がやっと通れる狭い路地から、バックで入って来て、駐車位置に止めるのだが、これがなかなか上手である。

 一昨日から、車がない。盆だから、里帰りでもしているのだろう。


 その向こう側が、私の車の置き場所である。手前の車が止め易いように、一杯まで後ろに下げてやる。私の車が、一番長いからだ。

 私はバックの感覚が掴めない。だから、区画線の上に、止まる位置を示す目印の金具を打ち付けてある。それを見ながらバックするのだ。


 そして、次の場所には、また、赤い車が止まる。ボックス型の車だが、車名は知らない。

 25、6歳のほっそりした女性の車である。彼女は、車を必要とする仕事に就いているようだ。朝は大体、同じ時間に、制服らしき黒のスーツ姿で出掛ける。日中でも出入りしているのが、少し不思議だが、勤め先が近いのだろう。

 ここでのキャリアは、彼女の方が長い。顔を会わせて、挨拶を交わしたことがあるが、街中で出会ったら、彼女とは分からないと思う。女性の顔をまじまじと見ることが苦手だから、一昨日の朝、出会ったのにも拘らず、ぼんやりとも思い出せない。私服で出掛けて行ったから、彼女も実家で盆休みを過ごしているに違いない。

 メガネを掛けた少しずんぐりむっくりの男性と一緒のところを見掛けたことがある。彼が恋人かも知れない。


 一番向こう側の路地に近いところは、赤いスポーツカーが止まる場所である。

 持ち主は、男性で、恐らく学生である。ウィークデイはほとんど動かない。しかし、土曜日には、必ずと言って良いほど、ゴルフのハーフバッグを担いで出掛けている。

 彼も、私が来る前から、ここの住人である。彼女らしき女性を見たことがない。


 対面の4台は、見難いし、興味もない。

 今のところ、こちらの3台の車とその所有者の観察で手一杯である。