結婚して7年目くらいかなー。

カミさんと

離婚したい時期があった。

作家になる前の話です。

 

カミさんは

僕が大事にしたい価値観をまったく

わかってくれなかった。

あるとき、

とってもわかちあいたい本があって

それをカミさんに読んで欲しくて

『一生のお願いだから、

この本を読んで欲しい』

と手渡した。


一生で一回しか使えない、

一生のお願い。

僕は切り札をカミさんに使った。

 

3ヶ月後、僕が一生のお願いだから読んでほしいと

差し出した本は、僕が置いた場所にそのまま置かれていた。どう考えてもページを開いた形跡すら見えない。 

恐る恐る聞いてみると、

読んでないどころが、やはり

ページすらめくっていなかった。

 

一生のお願いは砕け散った。

もう、離婚だ!

って思った。




今週

結婚20周年を迎えたので

記念リングを一緒に買いに行きました。


いまはカミさんに心から感謝ができます。

カミさんに真っ先に伝えたいのは

『本を読まない人でいてくれてありがとう』です。

 

僕の本は、

本を読まない人でも読みやすいとよく褒められる。

それは、僕が本を普段読まない人も読めるようにずっと意識して文章力を磨いてきたからです。


なんでそう意識することになったのか?


僕の無意識の想定読者が

カミさんだったことに気づいたんです。


そうか、本嫌いのカミさんでも読める本を書けるようになろうと

ずっと文章力を磨いてきたからオレはベストセラーを出せたのか、とわかったんです。


僕の伝える技術が進化したのは

100パーセント

本を読まないカミさんのおかげでした。


そもそも

仲が悪かったカミさんと

どうしたら仲良くなれるのか

探求する過程で心理カウンセラーの資格まで取り、本を40冊も書けるほど

心の世界に詳しくなってしまったんです(笑)



ひすいこたろうを

つくってくれたのは

本を読まない

価値観がまったく合わないカミさんだったんです。


人生って

面白いよね。

13年前はそのことで離婚したかったくらい嫌なことだったのに、

いまは、そのことで涙がでるくらい感謝してるんだから。カミさんは変わってないのにね。


は敵じやないよ。君が最高に

素敵になるためにいてくれてる。


カミさんよ

本を読まない人でいてくれてありがとう。

一生のお願いを無視してくれてありがとう。


涙がでるくらい感謝してます。


目の前の人はそのままで

100パーセント愛の存在だったことに

20年たって気づきました。