さて、いよいよ

A Happy New year 男その5(完結編)です。

 

 

世界一過酷なマラソンといわれるサハラマラソン。

 

Team A☆H☆O

その最も過酷な

4日目〜5日目のロングレースを迎えました。

 

距離がいつもの倍。

81.5キロを夜通しで闇の中を走る最大の山場。

にもかかわらず、

こーちゃんとちかちゃんはまたも

ノリノリで踊ってからのスタート。

 

クレイジージャパニーズ。

日本人はそれでも踊るのか!?

YES!

 

この日は、スタッフがあまりに喜んでくれることから、

なんと、20分も走らずにスタート地点で踊り続けた。

体力も時間も

大きなロスです。

 

4日目は夜通し81.5キロを行く。

レース中は、100グラムでも重く感じるので、

できるだけ食料は減らしてきたこともあり、

用意していた食料がつきかけていた。

それによる空腹感と、

砂漠の夜の寒さがふたりを極限に追い込む。

そこに水ぶくれが大量にできた足の裏の激痛。

もうさすがにダメかもしれない。

 

ふたりの後ろにはもう誰もいない。

最下位だった。

 

 

残念ながら

もう進めない。

 

 

意識が朦朧としかけたそのとき、

ふとこーちゃんは自分に問うた。

 

「なんのためにこの挑戦をしているんだろう?」

 

なんのために?

 

そうだ。

そうだ。

そうだった!!!

 

忘れていた。

あまりに過酷で

自分のことでせいいっぱいになり忘れていた。

 

僕は誰かをハッピーにするために

この挑戦を始めたんだった!

 

できるできないではなく、

笑い楽しみながら一歩踏み出すことの大切さを伝えたいんだった。

 

 

自分の原点の想いに気づいたとき

「何がなんでも完走してみせる」

という情熱が湧き上がってきた。

 

すると、

闇の中に光が差してきた。

砂漠の夜が明けようとしていたのだ。

朝日です。

 

ちかちゃんはいいます。

「目的が強すぎると過程にある素晴らしい景色に感動できなくなる。

しかし、それを遥かに越えて感動させてくれる景色が地球にある」

 

ゴールが見えてきました。

 

 

 

どんな想いでやっているのか?

なんのために?

そこに立ち戻れば、

どんな過酷な状況でも

前に進むことができる。

勇気が湧いてくることをこの日知った。

 

「ひとりではとっくにあきらめていた。

 自分のお金できたのならとっくにあきらめていた。

 仲間がいたから、そして支えてくれるスポンサーがいたらこそ

 ここまでこれた。

 そう、

 僕はこの星で助けあいっこをしたいんだ。

 よろこびあいっこをしたいんだ」

 

こーちゃんは改めて、

どんな思い出を自分が作りたいのか明確になった。

 

 

 

 

そして、レース6日目最終日を迎えます。

42.2キロの距離を制限時間12時間以内に走ります。

 

こーちゃんとちかちゃんはやっぱり

ノリノリで踊って「ハッピー」とハイタッチしてスタート。

 

もう足が痛いとか、

そんなのすら関係なくなった。

無心で、前に進むだけだ。

 

ひたすら前進を続けていると、

なにか上空で音がする。

ヘリコプターが飛んでいた。

「ん?」

 

何を間違ったのか

彼らは道を間違って進んでいて

ヘリコプターが教えにきてくれたのだ。

 

 

日本人チーム

彼らはいつも「ハッピー」と言っていたので、

「チームハピネス」

「チームハッピー」

と周りからは呼ばれていた。

 

ゴールでは、

「チームハッピー」を大会スタッフと先にゴールをした選手たちみんなが

大歓声のなかで彼らを出迎えてくれていた。

 

まるで1位の選手を出迎えるような拍手喝采だったといいます。

 

 

 

大会後、隣のナイトクラブに出かけると、

大会のカメラマンに声をかけられた。

「You are  Strong very good」と。

 

こーちゃんは、大会中、カメラをむけられると、

カメラマンを喜ばせようとずっとアイドルのようなグラビアポーズを決めていた。

世界一過酷な状況で

それでも笑いをわすれなかったこーちゃんに

カメラマンは感動していたのです。

これが日本人なのか、と。

 

 

そして、なんと、翌日、

日本人3人組は

サハラホームページのトップニュースに取り上げられます。

 

 

 

以下、フランス語でトップニュースで記事になったものを日本語訳したものです。

 

 

「TeamAHO(チームアホ)」として参加した、

カワシマコウイチ、ミシロケンシ、イケダチカオは陽気なグループ!

2014 年度サハラマラソンを最後まで明るくし、

行くところ行くところで出会う人たちの心を動かした。

 

コウイチ、ケンジ、チカオの 3 名は、

初参加となるこの大会で本当に大きな存在感を示した。

彼らは多くの注目を集めただけでなく、

皆に好かれ、あるフランスの選手は

「彼らはとっても 陽気で、周りの皆にポジティブなエネルギーを送りまくっていた」と語っている。

 

ロングステージはとくにハードで、選手たちの笑顔をまず見ることはできない。

しかし、そんなときでも彼らは楽しむことを忘れなかった。

 

「サハラマラソンは暑さとの戦いですが、このレースに参加できることの喜びのほうが大きいのです。だから僕たちは常に歌って踊っている方がいいし、それが気晴らしにもなるのです!」と、彼らは笑ってそう答えた。

 

彼らは、ボビー・マクファーリン(Bobby McFerrin: 世界的に有名なアメリカのジャズ歌手)のヒット曲でもある

『DON’T WORRY, BE HAPPY !』

の精神を持っているのです。

だから、出会う人たち皆が彼らに心を動かされたのでしょう!

 

(サハラマラソンホームページより、フランス語翻訳)

 

世界一過酷なレースで、

日に日に皆から笑顔が消えるなか、

日本人選手たちは、

歌い、踊り、助け合い、ハッピーとハイタッチし、

楽しむことを忘れなかった。

これこそ、

『DON’T WORRY, BE HAPPY !』

の精神だと。

大会翌日にトップニュースを飾る。

 

 

2020年、あと3年後に

日本にオリンピックがきます。

 

くよくよしないで、楽しもう。

心配しないで。大丈夫。

ハッピーで行こう。

 

そんな『DON’T WORRY, BE HAPPY !』の精神こそ

日本人の3年後の雛形として

いまこそ僕らが受け取る必要があると感じたのです。

 

どんなに苦しくても笑いを忘れない。

どんなに苦しくても助け合いを忘れない。

『DON’T WORRY, BE HAPPY !』

 

そのことをあなたに伝えたい。

それが取材まで行き、

このシリーズを書いた、僕の最大の動機です。

 

2012年サロマ湖100キロウルトラマラソンを機に始まった

こーちゃんの挑戦は毎年恒例となりました。

 

2013年 サハラ砂漠レース

 

 

 

2014年 アマゾンジャングルマラソン

 

 

2015年 チリ・アタカマレース1回目

 

 

2016年 チリ・アタカマレース2回目。

 

 

挑戦プロジェクト

「TEAM A☆H☆O」は、

毎回新しい仲間たちと挑戦をしています。

 

 

 

そのたびに足はこうなりますが(笑)

 

 

そして、どの挑戦でも、

「ハッピー」とハイタッチし、

助け合う

『DON’T WORRY, BE HAPPY !』

の精神で、

彼らは「チームハッピー」と呼ばれ、

日本人ファンができているんです。

 

なかには

「君たち日本人の精神に感動して日本語で刺青を入れたよ」と大会後、

メールをくれる外国人選手もいたそうです。

 

その送られてきた刺青の写真がこちら。

 

 

 

 

 

 

 

首筋に「アスリート」とカタカナで入れた主張だけは、

どういうものかな感が否めませんが(笑)

まあ、ひとまず感動です。

 

 

『DON’T WORRY, BE HAPPY !』

 

 

この精神の原点は

一話目にかかせてもらったこーちゃんのおじいちゃん。

 

小学6年生の頃の記憶だそう。

おじいちゃんがこんな話をしてくれた。

 

「なあ、こういち。

 あの世には何も持って帰れないからな。

 もって帰れるのは思い出だけだよ」

 

 

 

おじいちゃんのその言葉は、なんだか深く心に刻まれた。

 

であれば、

ボクはどんな思い出をもってかえりたいんだろう?

 

ハッピーな思い出を持って帰りたい。

誰かを笑顔にする思い出をもって帰りたい。

一緒に喜び合う思い出をもって帰りたい。

一緒に助け合う思い出をもって帰りたい。

 

これが、こーちゃんがこの人生で願うすべてです。

 

こう言ってくれたおじいちゃんは、

こーちゃんが中3のときに息をひきとります。

お葬式では、おじいちゃんの仲間たちが、たくさん、

こーちゃんのおじいちゃんにお世話になったんだと本気で泣いていた。

 

おじいちゃんはいつも人を助けていたんだ。

だから死んだときにあんなに泣いてくれる人がいた。

こんなおじいちゃんになりたいと思った。

 

人生最後にもって帰れるのは、

結果ではなく、思い出です。

思い出とはどんな心でその時間を過ごしたか、

ということです。

 

であれば、

どんなことが起きたって、

「ハッピー」とハイタッチを交わして

本気で立ち向かっていけばいい。

 

本気で打ち込んだことはすべていい思い出に変容する。

 

 

最高の思い出をつくるために、

現在、こーちゃんは、てんつくマンから

NPO法人 MAKE THE HEAVENを引き継ぎ、

理事となり

その NPOのひとつのプロジェクトとして

「TEAM A☆H☆O」の挑戦プロジェクトをやっています。

 

 

最後に、

こーちゃんの一番最初の挑戦

日本一周大作戦「まいどハッピー」の話に戻ります。

http://ameblo.jp/hisuikotarou/entry-12269885974.html

 

まいどハッピ大作戦は、

日本一周のゴールを果たす直前に実は中断しています。

 

東日本大震災があったからです。

 

2011年3月11日14時46分

そのとき、こーちゃんは、まいどハッピーの依頼を果たすべく

福島県にいました。

残念ながら、もう、「まいどハッピー」どころではありません。

まいどハッピーは、日本一周のゴールを迎える直前に中断となり、

こーちゃんの活動は即日、

NPO法人MAKE THE HEAVENの被災地復興支援

「め組JAPAN」に切り替わりました。

 

被災支援のなかで、

こーちゃんは痛感するのです。

 

あうんの呼吸で動ける仲間が最低100人ほしい。

100人いたら何かあったときに

すぐに声をかけて動ける。

即座に誰かの助けになることができるからです。

 

その仲間作りが、

TEAM A☆H☆Oの仲間作りでもあるんです。

それが毎年、チームメンバーを代えて挑戦している理由です。

 

その思いが2016年の熊本地震で、

大きな力になりました。

熊本地震の支援で、

この3人がリーダーとして大活躍をするのです。

 

 

 

そう、真ん中はこーちゃん、

左には、世界一過酷なレースに世界一軽い気持ちでのぞみたいとサハラマラソンを一緒に走ったちかちゃん。

右はダイエット目的でのぞんだけんちゃんです。

最強の3人組で、

見事にあうんの呼吸で熊本支援に動いたのです。

 

サハラマラソンで初日にリタイヤしたけんちゃんは

レース後こう語っていました。

 

「自分で自分に課した役割やハードルを創り、乗り越えていくとことが、本当に極限のときに、仲間を守る力になると確信しました!

今回の経験が、これからも僕に大きく影響することは確かです。

皆様の応援に、完走することでのお返しはできませんでしたが、

スペクタクルなお返しを必ずします」

 

けんちゃんは、きっちり熊本支援で、極限状態のなか

見事にスペクタクルな応援を果たしました。

 

未知なる領域に一歩踏み出す挑戦は、

そのときに結果は出せなくても

ちゃんとあとで生きるんです。

 


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というわけで……3秒セラピー。

 

 『DON’T WORRY, BE HAPPY !』

 

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この精神を日本人の雛形にしよう。

そして、最高の思い出をもってかえろうね。

 

 

 

「人が死んだあとに残るのは、集めたものではなく、与えたものである」

 

                                                    byジェラール・シャンデリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にお知らせです。

 

いよいよ

明日

5月3日大阪を皮切りに全国で

2016年の2回目のチリ・アタカマレースの挑戦を描いた

ドキュメンタリー映画

「LIFE TREASURE 」の上映会&トークライブがスタート。

 

この映画のマサオ監督もまさに

「『DON’T WORRY, BE HAPPY !』の人そのもの。

こーちゃんからの頼みはひとつも断ったことがないという理由で

世界一過酷なレースに選手として参加しながらも自ら撮影をし、

さらに監督としても大抜擢。

この映画が初作品となっています。

 

https://www.make-the-heaven.com/life

行けるスケジュール見つけて

ぜひ映画を見に行ってみてね。

 

 

おまけ。

 

取材後にね、

僕はこーちゃんに

こんな提案をしました。

 

「こーちゃん、ハッピーセッションやったら?」

 

「ひすいさん、ハッピーセッションってなんですか?」

 

「どんな悩みにも『ハッピー』と言ってハイタッチするの。

 どんな悩みにも「ハッピー」としか答えない(笑)

 こーちゃんはただただ笑顔で相手の悩みや夢を聞いてるだけ。

 いいことやアドバイスも一切言わなくていい。

 いいたければ言ってもいいけどね。

 こーちゃんがいうのは、ひたすら『ハッピー』とハイタッチするだけ。

 で、そんなハッピーセッションの価格は超高いの。

 1時間のセッションで5万円!」

 

「えーーーー。そんな受け取れませんよ」

 

「いや、僕ね、屋久島でこーちゃんとずっと『ハッピー』と言い合ってたでしょ?

 あのあと帰ってきてからもずっとハッピーが口癖になって、

 ついついまわりの人にも『ハッピーニューイヤー』とか言っちゃって(笑)。

 一瞬みんな戸惑うんだけど、いつのまにか、みんなも自然に『ハッピー』と言い合

 ってるんだよね。すると優しい空気に変わる。

 しあわせになるってこんなカンタンなことだったんだって改めて思った」

 

「最近は、ひすいさんの方から先に『ハッピーニューイヤー』っていいますもんね」

 

「そう!

言うと気持ちいいから言いたいだけなんだけど。で、少しまじめな話すると、

解答の『解』って

『解(と)く』と『解(ほど)く』と読み方が2つあるんです。

こーちゃんと話してて気づいたのは、こーちゃんは相手の悩みを『解(と)』いて答えを与えるの     ではなく、悩みそのものを『解(ほど)』いて問題を無くしてしまう力をもっている。

こんなことに悩んでたなんて、

『かわいい』って思えてくる(笑)。

で、問題の答えを解(と)くセッションより

問題そのものを解(ほど)く方が、すごいセッションだと思うんだ。

こーちゃんはテクニックじゃなくて、ひたすら毎瞬毎瞬、心からハッピーだなって思って生きている。それが伝わってくる。

だから、一緒にいるだけで、相手をハッピーの周波数に変えちゃう力があると思う。

だから、1時間5万円でやるといいよ。こういってる俺自身もこーちゃんのハッピーセッション、ほんとうに受けたいと思うもん。みんなの笑顔につながるからやるといいよ。

で、その5万円は、NPO法人 MAKE THE HEAVENのTEAM A☆H☆Oの挑戦プロジェクトの応援費用として寄付してもらえばいいよね?そうしたらその5万円は喜びの中で循環する。これで、みんなハッピーだ」

あなたにも、こーちゃんにリアルにまじかで接してほしくて、こんな提案をこーちゃんにしてみたわけです。

 

こーちゃんのハッピーセッション

まあ、基本、こーちゃんは「ハッピー」って言うだけですけどね(笑)

それでも受けたいという方は彼にメールしてみてくださいね。

 

 

メールアドレスはこちら。

info@maketheheaven.com

5万円は今後のTEAM A☆H☆Oの応援費用になります。

 

 

こーちゃんはいつも誰かの幸せを願っている。

そんな人ほど応援したくなっちゃうんですよね。

人生は、ブーメラン。

まさに投げかけたものが返ってくるんです。

 

人生は思い出づくりの旅。

だとするなら、

あなたが、人生、最後の瞬間に

もってかえりたい思い出(ブーメラン)はなんでしょう?

 

そこに踏み出した瞬間に、

あなたもHappy New Worldの住人です。

 

 

A Happy New World!

 

 

これにて

A Happy New Year 男シリーズ完結。

こんなところまで読んでくれてありがとね。

長かったでしょ?

珍しく、気合はいちゃってね(笑)

 

100年後の教科書を見る子ども達は

きっといまの時代をこう思うはず。

 

「明治維新よりすごかったよね。

 東京オリンピックがくるまでの3年間。

 あそこが時代の転換点。

 ターニングポイントだったよね。

 あんな時代に生きてみたかったね」

 

僕らはそんな時代をいま生きている。

 

 

ひすいこたろうでした。

Universe Thank you

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