■「幸福」
かつて給料が10倍になったことがあります。
というのは高校時代、僕は郵便局でアルバイトしてまして月に2万円稼いでいたのですが、
その後、社会人になり給料が20万円でしたので、2万円→20万円。
給料が10倍になったわけです(笑)
さて給料が10倍になった僕の幸せは10倍に増えたのでしょうか?
僕は大学生の頃、八王子で一人暮らしをしてまして、
家賃19,000円。風呂なし。トイレ共同。部屋にクーラーもありませんでした。
今はお風呂もクーラーもあり、おまけに部屋には任天堂wiiまで完備してあります。
さて僕の幸せは激増したのでしょうか?
彼女は、僕と結婚するのが夢だって言い続けてました。
夢を叶えた今、妻はこう言っています。
「選択ミスった」
あれだけ気に入って買った3年前の服、いま着るときも感動がありますでしょうか?
得たものはすぐに当たり前になり色あせます。
だから、何かを得たら、幸せになれると思ってる方は永遠に辿り着けないと思います。
でも、でも、でも、僕の中でずっと色あせない記憶もあるのです。
本気で打ち込んだときの記憶。
それが成功だったのか失敗だったのか関係なく本気で打ち込んだときの記憶は色あせてないんです。
中途半端に働いて20万円もらっていたときよりも、
はじめてのアルバイト経験、郵便配達。地図を読めない男が(僕のことです)、
道を覚えるのに必死だったあのときの記憶はいまだに鮮やかで、
給料は2万円でしたが、
あの記憶は僕にとっては大切な記憶です。
本気で打ち込んだ時間、
それは後に、あなたの心のダイヤモンドになります。
それを「幸福」といいます。
幸福とは今あるものではないのです。
振り返ったときに
気づくものです。
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■24世紀の国語辞典
□『幸福』=『本気で打ち込んだ時間』
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「本心 本気 本音 本腰 本物 本の字のつくものはいい」by相田みつを