■「天才」




その男は知りたいことが山のようにあった。




読みたい本が山のようにあった。

そこでその男は食事は1日1食と決めた。

会社に来ていくスーツは10年間同じ物1着で通した。

そして残ったお金で本を買い続けた。



それでもまだまだ知りたいことは沢山あった。




その男は、本を買うために消費者金融に頼り、

ずっと欲しかった博物学の古書に手を出した。




古書は高い。


その男は1億4000万円の借金を背負った。


しかし神様は、その男を見捨てなかった。




膨大な知識量は、テレビや雑誌、その男を各メディアに登場する機会を作った。


そして、書き上げた『帝都物語』に印税1億5000万円が振り込まれた。

これで、めでたく借金を返済!




その男の名は荒俣宏。



今まで書籍に費やした費用は約5億!




知りたい!
そのためならスーツは1着でいい。

知りたい!
そのためならご飯も1食でいい!




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■24世紀の国語辞典

□「天才」=「暴走するマニア」(笑)




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