「気にしすぎだよ」とか
「そんなに気にしなくて
いいんじゃない」という言葉は
相手にとって何の慰めにもならず
むしろ相手を否定することに
なるのかもしれないと思いました。
最近読んだニュースで
赤ちゃんに無断で触るのは
やめてほしい、と
訴えている人の記事がありました。
気にかけて、声をかけてくれるのは
大変ありがたいが、
このご時世、触るのは避けてほしい。
触らないでほしい、と伝えたら
赤ちゃんに向かって
「ママに怒られちゃった」と言われて
自分は悪いことをしたのだろうかと
悩んだという話でした。
その話を読んで、
確かに気にする人がよくない、
のような雰囲気になることは
色々な場面で起こっている
かもしれないな、と思いました。
「気にする人」は
将来起こるかもしれない
リスクについて
考えているからこそ
それを気にして、
備えた行動をとっているのだと
思います。
過ぎたるはなお
及ばざるがごとし
とも言いますが、
どこが「過ぎたる」なのかも
人によって基準が異なる
のではないでしょうか。
それなのに、
そして「気にしすぎかな」と
相談してもいないのに
「気にしすぎだ」と言われたら、
否定された気持ちに
なるだろうなと思います。
「気にしすぎ」が敬遠されるのは
本人が気にし過ぎの行動を
とっていることではなく、
他から見たら窮屈とも
思われる行動を勧められる
（押し付けられる？）
ことにあるのかもしれません。
一方で、
気にしない人から
気にする人への
「気にしすぎだよ」も
相手にとっては
何も備えていないか
準備不足とも思えるような
行動を勧める（押し付ける？）
ものであるようにも思います。
将来のリスクに備えると
一口で言っても、
どの領域で、何に、どのくらい
備えるかは
個人個人によって異なります。
一つには
リスクをどの程度まで
想定するか、の差があります。
同じ出来事を想像しても、
「そんなこと起こるわけないよ」
と思う人もあれば
「いや起こるかもしれない」
と思う人もあります。
どちらがいい悪い、では
ありません。
また、あるエリアでは
がっちり備えるのに
他のエリアでは全く備えないとか。
例えば防災グッズの中でも
食事、水の次に
私はトイレを重視しますが、
だんなは携帯の充電への備えを重視。
そして、二人とも着替えは重視しません。
二つ目には、
想定したリスクに対して
どこまで備えられるかということ。
例えば、
保険で備えたいと思っても
十分な予算がなければ
備えることはできません。
このように、
備える行動の元となる
リスクの想定が
個々人によって異なり、
また想定したリスクに
備えるための行動が
金銭を伴うものであれば
それもまた個々人の状況に
依存するものですから、
何をもって
「気にしすぎ」と言えるのか
分からなくなります。
そして、リスクに備える行動は、
そのリスクが現実に
ならない限りは
無駄なものとなります。
気にして備えている人たちは
万が一が起こらなければ、
「やっぱり気にしすぎ
だったじゃん」
「無駄だったじゃん」
「赤ちゃんを触っても
大丈夫だったじゃん」
と言われてしまうことだって
あるかもしれません。
でも、もし逆に
万が一が起こってしまったら
「気にしすぎだよ」と
言っていた人たちは
どう思うのでしょうか。
そう考えると、
誰かに向かって
「気にしすぎだよ」とは
言えなくなるような気がします。
「気にしすぎだよ」は
相手を慰めたり、
励ましたり、
気を楽にしようと思って
言う言葉だったりも
するのですが、
もしかしたら
相手にとっては
自分を否定されたように
感じてしまうものかも
しれない、と
ニュースの記事から思いました。
それこそ「気にしすぎ」
なのかもしれませんが、
やはり言葉には注意が必要だと
再認識させてもらいました。
【今日のまとめ】
相手のためを思って掛ける
「気にしすぎだよ」の言葉は
もしかしたら
相手を否定することに
なっているのかもしれない。
使う言葉には
よくよく気を付ける。