築地に本店のあるすし店にて。
もちろん、こちらでも米騒動の影響を受けず、メニューや値段の変更などない(そもそも、お米に困っている飲食店はあるのか?)。
食べながら、ふと思った。そう言えば、「寿司」は英語でも「Sushi」。
寿司というものは、世界に誇る日本の食文化である。それにしても、他国ではなぜ生魚を食べる習慣がなかったのか?、そう思って調べてみた。
例えばイタリアのカルパッチョ、フランスのマリネのように、決して生魚を食べる習慣がないわけでもない国もあるが、日本のように広い範囲で生魚を食べる習慣のある国はない。
むしろ、生魚を食べる習慣のない国の方が圧倒的に多い。それはなぜか?
そもそも、牛肉や豚肉を食べるためには、飼育という手間がかかる。日本は周囲が海に囲まれた島国であり、昔から新鮮な魚が手に入りやすかった。
また、土地が牧畜よりも農耕に適していた事、奈良時代より仏教の影響で一部の肉食が禁止されていた事、日本刀の優れた技術を活かし切れ味のいい包丁が作られた事も理由の1つであった。
医学的に補足すると、アジア人は胃腸の機能は、欧米人に比べると悪い。だから、油を使った加熱調理で肉類を食べるより、生魚の方が日本人の胃腸に適していると言える。ただし、こちらは油をあまり使わなかった食文化のせいで胃腸の機能が落ちた可能性はあるが。
さて、魚を食べる習慣のある国でも、生魚を嫌う国はかなり多い。ついでに、生卵を食べる事を嫌う国も多い。なぜか?
それは、衛生環境が大きく関係する。専門家に言わせると、少なくとも江戸時代から、日本の衛生環境は世界一良好だったらしい。
確かにそう言われると、私もそう思った。例えば、江戸時代と時を同じくした中世フランスを例に挙げる。
この頃のフランスは、トイレ暗黒時代であった。当時のフランスは、トイレで用を足すのではなく、汚物を外に投げる習慣があった。当然、衛生環境は最悪。
衛生環境の目安として、ペスト感染がある。ペストは小さな流行を含めると、世界中で何度も起こってきた。ちなみに、日本では少なくとも江戸時代以降、持ち込みはあっても、流行した事は一度もない。
中世フランスでは、汚物を踏まないようにするために、男性が最初の「ハイヒール」を履いていたのである。また、なぜか汚物を元から断つという事を考えなかったのか、汚物の匂いを和らげるために、「香水」というものが作られ始めた。
ちなみに、誰しも名前は知っているベルサイユ宮殿。催したら出すその場で出すという習慣があったフランス人、宮殿の庭も例外でなかったが、庭には排泄してもいい場所といけない場所が作られた。排泄してはいけない場所を「エ・チケット」、これが「エチケット」の語源となった。
このように他人にあまり気を遣わないフランス人の習慣は、現代まで影響を及ぼしているのだろうか?
パリオリンピックの開会式、あれは最悪とも言われている。確かに、フランスの歴史や文化をある程度知っている人にしか理解が得られない演出と思われた。
また、選手村は肉類の不足、エアコンの不足(元々フランスではエアコンの設置率が低い)など、他国の人に気遣っているとは思えなかった。それでいて、他の欧米人と同様にS❤️Xの習慣は同じなので、医務室にはコンドームが沢山置いてあったようだ。
脱線してしまったが、日本衛生環境は世界一、これが生魚を食べる習慣、そして「Sushi」が世界に広まる事になった。猛暑の時期は食欲が落ちるが、こういう時期こそ、胃腸への負担が軽い生魚を頂くのがいいんだと思う。
ちなみに清潔好きの日本民族だが、コロナ禍に於いてゼロコロナ対策の中国に次いで感染対策が徹底していたのも、民族の血筋なんだと思う。
尚、日本では鮮度が長持ちするように、殺菌効果のあるワサビやしょうゆが生まれた。
ワサビは飛鳥時代、しょうゆは室町時代から使われ始めたとされ、現在のようにお寿司やお刺身に使われるようになったのは、江戸時代後期とされている。