ホタテパウダーは野菜からの残留農薬を除去できるの「嘘」 | 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

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“日本の農薬使用量は世界一”などと、まるで脅しているかのような発信を見る事があります(実際には世界第三位)。

そして、こういう発信ではホタテパウダーで残留農薬をを除去させるような画像を添付している場合もあります。

 

添付画像のような写真を見た事がある人もいる事でしょう。結論として、これはホタテパウダーを売りたいがための嘘です‼️

 

 

添付画像のように、野菜にホタテパウダーを入れると見た油や茶色ものが浮き上がってくるのは、野菜自体が分泌する表面保護物質や野菜の色素です。

ホタテパウダーは強アルカリなので、野菜からこのような現象が起きているだけなのです。

 

ところで、一部の農薬は強アルカリによって分解が促進されるのは事実です。ですが、農薬というのは表面へ付着しているだけではありません。根から吸わせるもの、植物体内部への浸透性を持つものが多くあります。また元々アルカリ性の農薬も存在します。

この様な農薬をホタテパウダーで洗うだけで除去・分解できるかと問われると、表面はできても内部に入った農薬はまず除去できません。

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こんな事を書くと、”えー、そうなんだ、怖〜い!”と思った方もいる事でしょう。

 

 

そもそも食の安全に世界一厳しい厚労省や食品衛生局が、農薬の危険性を無視していると思いますか?

 

日本のすべての食用作物用農薬は、個々の製品ごとに使用できる作物、使用量・濃度、使用時期、使用方法等が「登録内容」として法律に基づいて定められており、登録内容に従って使用すれば収穫時には安全基準以下まで分解される様になっております。

収穫された時点で落とすべき農薬は安全基準以下まで分解されているので、心配無用です。もちろん、ホタテパウダーなどを使っても使わなくても安全性に差は生じません。

 

尚、登録内容に反して食用作物に農薬を使用すると、家庭菜園であっても処罰対象の違法行為となります。

ちなみに「安全基準」とは、その農薬が使われている農産物を平均体重の人が1日あたりの平均摂取量で一生涯食べ続けても健康に影響が出ない量の1/100以下です。

 

無農薬だからと言って、農薬使用作物より安全とは限りません。場合によっては虫食いなどで、むしろ栄養価が落ちている可能性もあります。

また、元大学教授などが「農薬病」などの存在しない病名を作って、セミナーなどを開く事もありました。医師は農業の専門家ではありません。専門外である医師の言う事が正しいとは限りません。

 

もちろん、私も専門外です。ですので、この投稿にしても専門家の発信を参考にしております。

現場の事を一番わかっているのは、現場の者なのです‼️

 

 

 

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