帯状疱疹ワクチンの勧め‼️ | 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

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「否定の極論」記事に疲れたあなたへ贈る:「食事」「睡眠」「運動」・・これら「健康の三本柱」をねじ曲げずにポジティブに考えるブログです。

日本国内の成人の約9割がコロナワクチンを最低でも2回接種しております。

実は、コロナワクチン以上に皆さまに接種してほしいワクチンがあります。それは『帯状疱疹ワクチン』です。

 

まだ水痘に対するワクチンがなかった子供の頃、水ぼうそうに感染した経験のある人はかなりいると思います。

水ぼうそうは一度感染すると2度と水ぼうそうは発症しませんが、この原因となる「ヘルペスウイルス」は、中年以降の90%程度の人の例えば肋骨の裏にある肋間神経などにずっと潜んでいます。

そして主に50歳以上で、加齢・ストレス・過労などが原因となって、ウイルスが活動を再開して、片側の肋骨などの上の皮膚に帯状疱疹としての顔を出します。

 

80歳までに3人に1人が発症し、痒みと神経痛が生じます。治療が遅れると『帯状疱疹後神経痛』という通常の痛み止めでは効かない、かなり辛い神経痛が生じます。この痛みは経験した人でないとわからない痛みです。

 

 

さて、一旦話題を変えます。

 

コロナワクチンを接種すると体内のリンパ球が減って免疫力が落ちて帯状疱疹を発症しやすいなどと、反ワク派の医師がほざく事があります。

これはデマです。大阪大学免疫学宮坂名誉教授によると、これは『(リンパ球)シャットダウン現象』と言って、コロナワクチンに限らず、血液検査上は一時的にリンパ球数が減少するのですが、体内のリンパ球は全く変わらず免疫力の低下も起きません。

実際にワクチン接種者と未接種者の間で、帯状疱疹の発症率にほとんど優位差はありません。

 

専門家の言う事と、素人にしか支持されないSNS上の医療関係者の、どちらの発信を信じるかは各自にお任せします。

 

 

話を戻します。

 

この帯状疱疹の発症を予防するものが、『帯状疱疹ワクチン』です。2020年1月より、新たなワクチン「シングリックス」が発売となりました。

これは1回の接種に22000円と高いのですが、一度帯状疱疹を発症して、その後も辛い神経痛に苦しむ長い人生を過ごす前に接種した方がいいと思います。

気になる副反応ですが、私個人に関しては半日ほどの微熱がありましたが、コロナワクチンの副反応よりも遥かに軽いものでした。

 

日頃バランスの良い食事、適切な睡眠、軽く息が弾む程度の適度な運動を心がけていても、24時間365日暮らしていると、どうしたって避けられない疲れやストレスを生じる事があります。

たとえ値段が高くても、発症してから後悔する前に、50歳以上の人は帯状疱疹ワクチンだけはぜひとも2回接種をお勧めします。

 

 

 

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