肥満者が少なかった1970年代、その理由とは? | 総合診療医:誰もがわかりやすく医療を理解する事ができるブログ

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「否定の極論」記事に疲れたあなたへ贈る:「食事」「睡眠」「運動」・・これら「健康の三本柱」をねじ曲げずにポジティブに考えるブログです。

まずは、1枚目の画像をご覧ください。

ここは1978(昭和53)年の東京・新宿、現在もある有名な「タカノフルーツパーラー」の看板が見える(私も一度だけ入った事があります)ので、東口駅前の交差点と思われます。

 

たまたまこの写真に限っただけかもしれませんが、文面の通り、確かに太った方が見当たりません。

 

 

もちろん、この時代に肥満者がいなかったわけではなく、2枚目の画像のように肥満者は確かにおりました。

 

しかし、特に男性において明らかに、肥満率は現在よりも低かったのです。

現在は20代・30代の男性で、肥満率が増えております。

 

では、なぜこの時代、肥満率が低かったのでしょうか?

私見ですが、理由は2点あると思います。

 

 

#食生活

1点目、よく言われる「食の欧米化」は、間違いなく理由の1つに挙げられます。

 

・ファーストフード

日本マクドナルド1号店は、1971年東京・銀座三越に誕生。

翌1972年関西1号店が京都市の藤井大丸に出店されました。全国の200号店は1979年に誕生しましたが、2900店舗ほどある現在より、はるかに少ない店舗数でした。

 

・コンビニ

日本初の「セブンイレブン」は、1974年に東京都江東区豊洲に誕生。

1980年に国内出店数が1000店舗になりましたが、20000店越えの現在よりもはるかに少ない店舗数でした。

 

・カップ麺

日本初の「カップヌードル」は1971年に誕生。

値段は1個100円で、25~35円だった袋入りインスタントラーメンの3~4倍の値段だったため、当時としては高かったのですが、翌1972年にテレビ生中継された「あさま山荘事件」で、機動隊や警察官の食べる場面が全国放送されて認知度が高まりました。

 

尚、私は決してこれらを否定するつもりはありません。大多数の日本人がお世話になったり、助かった事もあるはずです。

ただ、特に1人暮らしの男性は、依存する事により食生活が乱れた原因にはなったと思います。

 

 

その一方で、上の画像右下に示すように(出典:厚労省ホームページ)、20代30代女性は、むしろ痩せの者の比率が増えてしまいました。

 

これは食生活の乱れも関係あります。

食べやすいものだけで食事を済ませたり、肉が嫌いな女性も多く低栄養の女性は増えたと思います。

その他にも、若い男性の肥満率と若い女性のやせ率の大きな理由は、次の2点目ではないでしょうか。

 

#筋肉を使わなくなった生活

1970年代というと、まずデパートに関しては、ようやく上りエスカレーターが設置され始めましたが、下りエスカレーターはまだまだ多くはありませんでした。自宅マンションも現在ほど多くはなく、階段しかないアパートに住んでいた人も多かった事でしょう。

また、自宅のトイレは洋式ではなく和式トイレが多く、足腰の筋肉を使う必要がありました。

他にも学校の数が増えたり、大都市圏では電車の路線数がどんどん増えて、学校や駅まで歩く時間が短くなりました。

 

男性もそうですが、特に女性の皆さん、筋肉を意識して使っておりますか?

今は大丈夫でも、筋肉や骨が衰えると、将来寝たきりになってしまいます。スポーツやジム通いをした方がいいのですが、最低でも「筋肉を意識した行動」を心掛けるようにしてくださいね。

 

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