タイトルの題名で、11月号は私がコラムを担当しました。
この冊子は院内に置いてあり、主に通院患者さんやそのご家族が読まれるものです。
従って、病気への予防という事にあまり関心がないという前提で、コラムの文面を作成しました。
以下、原稿文です。
ただし、ここではコラムより図を多く添付しました。
それは大きな間違いです。
日本は誰もが保険診療を受けられます。
気軽に診療を受けられる結果、例えばアメリカのような自費診療の国と違って、病気にならないような予防を考えない人が多いのが実情です。
では具体的には何に気をつければいいのでしょうか?。それは「食事、運動、睡眠」です。私はこれを「健康の三本柱」と名付けて、一般の方向けに健康セミナーを時々行なっています。
我々の身体は食べるものでできています。
特に大切な臓器は「腸」です。度々「腸内フローラ」などがテレビでも取りあげられています。
「腸」を悪化する食べ物は「砂糖」です。
特に白砂糖は「腸内環境」を悪化し、その結果、便秘やうつ病、認知症、花粉症などのアレルギー、潰瘍性大腸炎やクローン病などの難病指定の腸疾患、その他様々な病気の原因になります。
「腸」には免疫細胞の約70%が集まっています。
便秘が改善するだけでも、持病をも改善する可能性があります。
21時以降の食事は睡眠の質に影響するので食べない方がいいでしょう。
特に油(脂)は大切にすべきです。
「人間の脳の約60%は油で出来ています。」
「人間の60兆個の細胞を構成する細胞膜は油で出来ています。」
図1:オリーブオイルは地中海食でも推奨
マーガリンのような「トランス脂肪酸」を摂ってはいけません。
アメリカでは「狂った脂肪酸」として製造が禁止されました。
具体的には「エキストラバージン・オリーブオイル(図1)」か「エキストラバージン・ココナッツオイル(図2)」をお勧めします。
少々高めでも食用油には気を遣う必要があります。
尚、100歳を超えても2本足で元気に歩行できている人は104歳で現役の医師である日野原先生を始め、例外なく肉を食べています。
タンパク質の摂取はとても大切な事です。
図2:ココナッツオイルは体脂肪がつきにくい
「睡眠」
特にPM10~AM2時の間に「成長ホルモン」が分泌され、大人でも新陳代謝に影響を及ぼします。
ただし忙しい現代人、毎日7時間の睡眠というわけには行きません。
入眠時間はバラバラでも、起床時間は日曜・祝日でも一定にしましょう。
また昼寝は長くても30分までにしないと、夜の睡眠に影響を及ぼします。
寝る前のスマホ・パソコン・テレビはブルーライトが睡眠に影響を及ぼすので、出来るだけ避けましょう。
図3:理想的な睡眠時間
睡眠薬を飲むなとは言いませんが、出来るだけ頼らないような努力をしましょう。
具体的には、朝30分ほどの散歩です。
太陽の光を浴びる事で、14~16時間後に睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌され、眠りやすくなります(図4)。
また人は体温が下がってくると眠くなります。
よって眠る1時間前に入浴かストレッチをして体温を高める事をお勧めします。
図4:メラトニンの分泌
「運動」
適度な運動は便秘や不眠症、認知症など様々な効果があります。
定期的な運動が出来ない方は、上記の30分の散歩に工夫をお勧めします。
それは「インターバル速歩(図5)」です。
「普通の歩行を3分」「早歩きを3分」これを交互に繰り返して、最低15分行ないます。
これを週4回以上繰り返すことによって、人間の2/3の筋肉がある下半身が鍛えられます。
図5:インターバル速歩
運動は将来の寝たきりの予防にもなります。
日本人の平均寿命は世界一ですが、「健康寿命」は男性9年、女性13年の開きがあり、これも世界一です(図6)。
つまりこの期間が寝たきりの期間になります。
誰もがこんなに長く寝たきりになって、ご家族に介護してもらいたくはありません。
図6:平均寿命と健康寿命
金さん銀さんの銀さんは次の言葉を残しています。
「人は足から死んでいく」。
運動を開始するのに年齢制限はありません。
これを読まれた方は、ご家族一緒に早朝のインターバル速歩を行なってください。
薬や医療は必要ですが、薬や医療にできるだけ頼らない身体作りはとても重要です。
(写真の一部はネットより引用)