失敗は嫌ですねと言うこのシリーズ。タロット編の最後はこの塔のカードです。


この塔のカードは良い意味をあまり取りにくいカードなので、文字通り失敗を表すカードです。
しかもその失敗が天災などの災害から、事故、はたまた病気などである、本当の疫病神的なカードです。

私は比較的に悪い意味のようなカードにも良い意味を取るのですが、このカードだけは良い意味は取りにくいです。

ですが救いはあります。
それはこのカードが自分の殻を破るカードなのだと言うことです。
カードを見てください。塔は破壊されます。この破壊は自分を守る殻なのです。

例えばタロットカードに戦車のカードがあります。


この戦車のカードの戦車とは自分を守る言わば鎧です。
この鎧、実際にはいろいろな物があります。
例えば車、例えば家、例えば家庭、例えば会社。
人はこうした様々な鎧のような物に囲まれて生きていまして、それが故に生きていける強さを持てるのです。
例えば鎧は他にも一族やその地元、そして地方、最後には国家とそこまで行く鎧なのです。

そしてこの塔のカードはその鎧が壊れる破壊される意味のカードなのです。

ですから例えば家が地震で崩れる、家庭が離婚で壊れる、会社が倒産する、大地震で全てが破壊される。
そうした鎧のような物が崩れ去ります。
つまりは裸になるのです。

裸になった個人はどう生きるのでしょうか。
辛く苦しい状態が予想されます。
ただしこれは世の中の全ての物に執着を捨てて、悟りへと至った仏陀の境地とも一致します。
普通の人は仏陀のように悟りとは行かないですが、それでもそうした悟りの中から、何かをつかむはずです。
それは具体的な宝ではなく、心の宝です。

例えば家庭が離婚で破壊されたときに、果たして自分は本当にこの家庭で満足だったのかと思うでしょう。
また会社が倒産したら、果たして自分はこの会社で良かったのかと思うでしょう。
その中で、いやそうした体験の中でしか見えて来ないものはあります。

それは他者からの優しさだったり、または自分の新たな夢だったりです。

こうした破壊の中では純な、ピュアな自分が出てきます。
自分の若いときに本当にやりたいことはなんだったんだろうと、思い出す機会にもなります。
こうした時に沸き起こる希望。
それがその破壊の後にもたらされる最高の宝です。
さてそんなカードがあります。

星のカードです。この星のカードは塔のカードの次のカードです。


この星のカードの女性は裸です。
つまり塔のカードで鎧は破壊されたので裸になったのです。
星のカードの女性は水を地面に流しています。
これは過去の自分の経験を全て捨てているのです。
そして新たな希望を表すのが夜空に輝く星です。
たとえ、裸でも過去の経験を捨てても星の女性には笑顔があります。
それは星を見ているからです。

つまりはその星と言う希望があるが故に裸の女性の顔は輝いているのです。
それは新たな異性の存在かもしれませんし、新たな会社かもしれませんし、新たな家かもしれません。
しかし、この裸の状態で手にいれた希望と言う星はこれから先、自分の強大な力を手にいれる礎となるのです。
もしかしたら、この星と言う希望を手にいれるために、塔のカードはあったのかもしれません。

私見ではタロットカードの最高のカードがこの星のカードだと言えます。
その星のカードの言わば前提条件としてのカードが塔のカードなのです。

つまり星のカードは塔のカードとセットでないと力を真に発揮できないでしょう。

塔のカードで全てを失ってしまったと言う落ちこみ。
それがあってこその希望を表す星のカードです。
もしまだ戦車のカードのように鎧のある人なら希望と言う名の星は見つけられないでしょう。
今、成功している人には希望の星は手に入りません。

破壊と失望の中でこそ、希望の星は見つけられるのです。

タロットカードの最高のカードである星のカードの力を最大限に活かすと言う力を塔のカードは持っているのです。

ですから一番悪いカードである塔のカードにも存在価値はあります。

一番悪いカードの塔のカードは一番良いカードの星のカードを最大限にパワーアップさせる力があります。

ですから塔のカードが出ても落ち込まないでください。
塔のカードの後にたとえどんなに大変なことがあってもそれは星のカードに至る前提なのですから。

本当に悪いことはむしろ良いカードが出ているのに悪いことが起き始めたときです。
これは注意すべきです。
なぜなら運気を回復しようがないからです。

悪いカードはつまりは失敗は最後の成功への基礎となるのです。

失敗のない成功こそが真の失敗へと至る道なのです。

今回で失敗と占いのタロットカード編は終わりです。
失敗と占いは、かなり大きなテーマなのでまた書くこともあると思います。
そのときを楽しみにしていてください。