受け身と能動と言う少し聞き慣れない言葉が出てきました。
この受け身と能動と言う表現は西洋的な表現です。
日本語ではあまり受け身と言うことが意識されません。

西洋占星術は西洋と言う通り西洋的な考え方が元になっているので、こう言う分類を考えるのです。

人間の行動を受け身と能動に分けることはかなり乱暴ですが、そもそも西洋占星術には乱暴に物事を分けるようなところがあります。

さて西洋占星術で受け身と能動というと何が思い浮かぶでしょうか。
思い付くのは男性宮と女性宮の違いがあります。
この場合、男性宮が能動に女性宮が受け身になります。

12星座で言いますと、牡羊座、双子座、獅子座、天秤座、射手座、水瓶座が男性宮です。
そして牡牛座、蟹座、乙女座、蠍座、山羊座、魚座が女性宮です。

ですから例えば蟹座の人は受け身なんですね。

それほど単純なことではありませんが、単純に言うとそうです。

そして占星術で使う、月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10ある星がそれぞれ男性宮、女性宮のどちらにあるかでその人が受け身か能動的が分かるのです。

これは単純な分類なのですが、意外にその人を知るのに役立つ情報です。

占いの勉強をするときに、深い内容の占いを目指せば目指すほど、些末なことに目が行きがちです。

例えばアスペクトの中のマイナーアスペクトを調べたりとか、三重円にこだわったりとか、コンポジットチャートに入り込んだりとか、アラビックパーツを調べたりとか。

そういうことに目が行くと肝心なところが理解できません。

男性宮と女性宮の男女比などは基本的過ぎて面白くないかもしれません。

しかし、受け身と能動と言うのは意外なほど重要なのです。

例えば例を挙げますと、作家と評論家の関係を考えてみましょう。

作家と言うのはまだ誰も産み出したことのない作品を作り上げるのです。
こうした行為こそが能動的な行為と言えます。

一方の評論家も文学作品についての批評は出来るので、文章力や表現力など、もの書きとしての力量はあるのだと言えます。

しかし、この評論家には創造性が無いのです。
出来上がった作品を批評することは出来ます。
ですがこの世にまだ存在しない作品を作り上げることは出来ないのです。

こう見ると作家の方が一段上で、評論家は下に思われるかもしれません。
しかし、それは違います。作家でも売れない作家はいるわけです。
また評論家として大御所もいるのです。

成功するかどうかは受け身か能動的かは関係ありません。

受け身で成功する人もいれば、能動的でうだつの上がらない人もいるのです。

また例えばサッカーですと、パスの出し手は能動的ですね。逆に受け手は受け身ですね。

私の好きな本田選手は双子座で能動的です。
本田選手はパスに対して自分の思い描く絵があります。
こうした組み立てをすると言う、自分なりのイメージがあるのです。

また、私の好きなもう一人の香川選手は魚座で受け身です。

香川選手の特徴はパスが出されたときの直感的な反応にあります。
出てきた瞬間にひらめくのです。
これは受け身と言えます。
受け身とは何もしないことなのではなく、置かれた状況に対するひらめきなども受け身の能力なのです。

ですからどちらが優れているのではなく、あくまで個性の違いだと思いましょう。

そう見てみると自分や自分の身のまわりの人が男性と女性の比がどうなっているのか、つまり能動と受け身の違いがどうなっているのかを調べると面白いことが分かります。

例えば暴力的で威張っている男性が受け身だったり、女性的でたおやかな女性が能動的だったりします。

こうした違いを調べるのは占星術の楽しみのひとつです。

占星術を知るには焦る必要はありません。
こうした基本的なことがらをしっかりと知ることが全ての解釈に役に立つのです。

難しい技法は基本をマスターした後で十分なのです。

と言うのも難しい技法はしょせんはこうした基本的なことを計算などで難しくしているだけなのです。

基本を身に付ければ難しいことの応用も利くのです。

今回のタロットカードは魔術師です。



魔術師はいろいろな技法を使って、いろいろなことを成し遂げます。
これはこのカードにあるようなテーブルの上のいろいろな小物が表しています。
しかし、魔術師は小さなカップを持っています。

これは基本と言うカップを大事にしていると言うことを表しています。

いろいろな技法より基本的なことを大事にすることで、魔術師はいろいろなことを成し遂げるのです。

西洋占星術の基本とは何でしょうか。
10の星、12の星座、12の室、男性宮、女性宮。四元素、活動宮、不動宮、変動宮の三区分。そしてメジャーアスペクト、出生、進行、トランジットの3つのホロスコープ。

それだけを知れば十分なのです。
ですがそれぞれにつき、経験と霊感に基づく深い理解が大事なのです。

そうすれば難しい技法よりも占星術の深い読み方が出来るのです。

私がこの占い師Hisashiの占い徒然草を始めたのもそうした占いを皆さんに伝えたかったからです。

私の占いのブログはそんな気持ちで書いています。