★故司馬遼太郎さんの有名な言葉を幾つかご紹介。まずは、ちょっとウロ覚えですが、この言葉から。確か映像が残っていまして、ため息交じりに話されていたかと思います。

「この国を運営する人々は、なぜこんなにお粗末なのだろうか」。

 

そして、以下は司馬遼太郎さんのエッセイ集「旅のことば」から。

「どの東洋人の顔も日本語を喋る。しかしたがいに団体ごとにかたまっていて、他の団体の所属には会釈もしない。」 (パリのホテルで)

「多様な人種が、ああいうあかるい表情で暮らしている街こそ、世界感覚のある街だというべきだろう。くろぐろと一民族だけで構成していて、何代も住む在日外国人をさえ特別な法的処遇をしている東京や大阪というのは、本当の意味での世界性を身につけてゆけるのだろうか。」 (リスボンで)

「どうも日本人は後世を意識することが薄いらしい。そういう鈍感さを野蛮人であるとする定義が、古い中国にあった。後世を意識するのが、文明人だという。」 (中国・閩(びん)のみち、山から山へ)

 

司馬さんは、紛れもなく昭和を代表する知の巨人の一人。その優れた洞察力は凄いものがあると思います。そして、恐らく、日本の軍隊の理不尽さも体験した彼の重要なテーマの1つが、日本人とは一体何者なのか?ということ。