アマゾンプライムビデオにて「裸足の伯爵夫人」という映画を見ました。
1954年のアメリカ、スペインの合作映画。
監督、脚本はジョーゼフ・L・マンキーウィッツ。
主演がハンフリー・ボガードとエヴァ・ガードナー。
アマゾンでのレビューで星が多かったので見始めたのですが、思わず引き込まれて最後まで見てしまった、いい映画でした。
ハンフリー・ボガード扮する映画監督とエヴァ・ガードナー扮する売り出し中のスターをめぐるストーリーですが、何より映像が醸し出す重厚さ、これが良かったですね。
そして安直なハッピーエンドを拒んでいるストーリー展開。
そこに貫かれているのは、「現実と脚本とは違う、現実は脚本をより残酷に打ち破る」 という主題。
これは作中で何度か出くわす監督、脚本家(マンキーウィッツ)の言葉ですが、この監督、脚本家を演じているハンフリー・ボガードが醸し出す“渋さ”が異様な魅力をたたえ、尋常ならざる印象を残しています。
それに反し、視聴者レビューなどでは絶賛されているエヴァ・ガードナーには私は何の魅力も感じませんでした。
女性美の極致のように賛辞を送っているファンが多いようですが、その顔の造形美も表情の美しさも肉体美も、私はさっぱり感じられませんでしたね。
もっとも、悲劇のスター役としての演技は見事だとは思いますが。