帰省を迷い始める
母はわたしの気が変わらないうちに連れ帰りたかったようで、朝早い新幹線に乗ることになりました。
しかし、夜中に目が覚めてから、すでに実家へ帰るべきかどうか迷い始めていました。
きっかけは、前夜に父に電話したときに、家のトイレがひとつ壊れた、と言っていたからです。
この頃のわたしは、すべての物事を悪い方に考えてしまっていたため、わたしが行くところでは悪いことが必ず起こる、と思ってしまうのです。
わたしが帰ることで、父の身にも不幸がおそいかかるかもしれません。
帰ったほうがよいかどうかたちまちわからなくなり、朝起きてから皆に訴えると、旦那は「君の思うようにしたらいいよ」と言います。
わたしに何を言っても聞き入れようとしないので、この時期の旦那は一貫してこの態度でした。
それでもわたしは自分で決断できないので、繰り返し旦那に帰ったほうがよいか聞きました。
母は当然ながら、無理やりにでもわたしを連れ帰ろうとします。
駅でパニックになる
結局母に押し切られるかたちで、しぶしぶ支度をし、旦那に新幹線の駅まで送ってもらいました。
そして、自動券売機で指定席を購入しようとすると、乗る予定の新幹線はほぼ満席で、2人並んで座れないことがわかりました。
わたしは急に強い不安と焦りに襲われました。
今日新幹線に乗るのは無理だ、と思いました。
自由席では座れる保証がありません。
みどりの窓口に次の新幹線の空きがないか聞きに行きましたが、やはり2名並んで座れる席はありませんでした。
4時間近く、一人で座っている自信はありません。途中、乗り換えもあります。
そもそも、次の新幹線までの一時間、駅で待つことが無理だ、と思いました。じっとしていられないからです。
わたしは、無理だよ、無理だよ、と泣きながらその場にしゃがみこみました。
ちょっと待って、ちょっと待って、と訴えますが、聞き入れられません。
わたしはパニックになって旦那に電話し、切符が買えないことを訴えると、旦那はすぐに引き返すと言ってくれました。
母はわたしを無視して、切符を購入しています。
結局は自分がはやく家に帰りたいからだ、わたしの気持ちより自分を優先するんだな、と悲しくなりました。
旦那が戻ってきてくれて、わたしはやはり実家へは帰らず、このまま家に戻りたいと主張しました。
一刻もはやくこの場を去って、安全な場所に避難したかったのです。
母はわたしのぶんの切符をキャンセルし、一人で帰ってしまいました。並んで座れるよう、グリーン席を購入してくれていたようで、高いキャンセル料を払うはめになりました。
この日初めて、わたしは自分が病気なんだ、と認識しました。
人前でなりふり構わず、叫んだりしゃがみこんだり、正常な状態ならなんでもないことができなくなっていました。
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