米粉って便利 2 レジスタントスターチとβでんぷん
生米(うるち米)はアミロース(硬い成分)とアミロペクチン(粘りと柔らかさの成分)というでんぷんが固く結合しています。
米を粉砕したものが米粉です。
生米のでんぷんをβでんぷんといいます。
βでんぷんの結合は固く、ヒトは消化できません。
米を加水加熱するとでんぷんの結晶構造がほどけて膨張し、粘性が強くなり糊化し、消化しやすくなります。これをでんぷんのα化といいます。
米のでんぷんの熱量は1gあたり4キロカロリー。
α化したでんぷんは冷えたり、乾燥するとまたβ化していき、固くなり消化しにくくなります。
最近ネットで米の難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)について、冷めると増えると書いてあるものが多いのですが、「それはβでんぷんではないのかな?」と疑問に思い、穀物研究をしている第一人者のO先生に聞いてみました。
私「冷やご飯ダイエットなどのネット情報では、ご飯が冷めるとレジスタントスターチが増加すると書かれていますよね」
先生「一般的によく食べられているうるち米に含まれるレジスタントスターチは約1%くらい。冷めてもそれほど増加はみられないし、レジスタントスターチの効果は一般的なうるち米ではそれほど得られないだろう」とのことでした。
レジスタントスターチ自体の熱量は1gあたり2kcal。
でんぷんを糖に分解する酵素アミラーゼ(唾液やすい液に含まれる)の影響を受けないため(噛んでも甘く感じない)小腸で吸収されずに食物繊維のような働きをします。大腸で腸内細菌の餌になり、腸内環境を整えるなど、乳糖の働きにも似ています。
そこから考えると、お弁当やおにぎりダイエットは、α化したでんぷんが冷めてきて、いくらか固くなり、消化に時間がかかり、腹持ちが良く空腹感が抑えられるという意味なのです。
おにぎりは噛めば甘く感じますから、唾液中のアミラーゼで分解されています。小腸で糖が吸収されるので、血糖値の上昇も起きます。
ご飯は冷めてもカロリーは変わらないので、低糖質になるとは言えません。
また、O先生から
「でんぷんは粒が小さいものの方が物理的に消化が速いので、血糖を上げやすくなる。
小麦粉や米粉は粉の状態ではGI(食後、血糖値の上昇のスピードを示す指標)が高めですが、粉よりも粒、粒よりも固まりを食べると消化に時間がかかるために血糖値の上がり方はゆるやかになります」と教えていただきました。
消化は粉→粒→固まりの順に速い→ゆっくりになります。
米粉は加水加熱すると短時間でα化し糊状になり、調理後温度が下がると徐々に固まります。
加熱するとドロドロとしたペースト状になり始め、さらに加熱すると固まります(水と粉の量にもよります)それが冷めると餅状になります。
うるち米の粉で作った餅は、歯切れ良く食べやすく、腹持ちが良いので、ダイエット中のスイーツに。
また、幼児や噛むのが苦手な高齢者にも楽しく食べていただけます。
米粉とパームシュガーのういろう
ういろうを薄く作り巻いてみました。
ういろーる。笑
小豆などの豆類にはビタミンB群やミネラル、抗酸化物質、食物繊維、タンパク質、レジスタントスターチが豊富に含まれています。
米と豆の組み合わせはタンパク質の面から見てもアミノ酸スコアが良くなります。
豆類の粉末、豆腐、おからなどの豆製品、味噌、醤油、醪(もろみ)などの発酵食品など、豆を使った食材はいろいろありますね。
米粉とおから粉、いろんな野菜を入れたお焼き
調理法や食べる順番や合わせる食材によっても変わりますが、米粉の料理を美味しく健康的に食べることができます。(簡単で時短。楽しくなりますよ〜♪)
(厳密に糖質制限されている方の場合はこの限りではありません)
豆乳、米粉、パームシュガーのブランマンジェ。
チコリコーヒーとパームシュガーのシロップ。
ありがとうございます。
(文章 Y.S)
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