捜査一課OB 僕の愛したオクトパス:冨樫倫太郎 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 どこかで聞いたようなタイトルです。

 主人公はキャリアの警察官僚。

 母親とドライブの帰りにタコを保護し、自宅で飼うように…。

 仕事では連続殺人事件の捜査にベテラン刑事とペアになって臨んでいます。

 ベテラン刑事は頭とマンションの中庭で家庭菜園を営んでいます。

 しかしその家庭菜園のささやかな実りを盗まれる事件が起こります。

 勉強ができたが故に田舎から上京してきた若者は、奨学金とアルバイトでカツカツの生活。栄養不良で倒れたところで、行き詰まってしまいます。

 それぞれの世界で生きている人たちが交差して起こる事件が繋がって…。

 マンションの最上階に住むセレブ一家が、食べるものに困って家庭菜園の実りを盗んでいたり、母子家庭の女子大生が、風俗で働いたり。

 現代の闇が浮き彫りになるような事件の数々ですが、昭和タイプの操作がまだまだ通じるところが救いなのかもしれません。