古代史の闇と聖徳太子信仰の謎:関裕二 | 図書館司書の読書日記

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こちらは主に備忘録的読書日記と映画の感想を記しています。
著作権法上、ネタばれしないように書いているので味気ないとは思いますが、こんな本があるのだと興味を持っていただけたら幸いです。


 「聖徳太子」の存在が疑問視されるとは思ってもみなかった子どもの頃。

 ですが、蘇我氏を封じるために暗躍した藤原氏の陰謀が何重にも語られて、おおぅと思うことが何度もありました。

 神=鬼

 確かに畏怖する存在として神と鬼は表裏一体なのかも。

 存在する場所において、そして利用する側の都合においてその立場を入れ替える…。

 現在皇族の確保が審議されていますが、神の子孫の在り方について、民草ごときが何を語れるのかと思うこともあります。

 そして絶滅危惧種には及ばないほど子だくさんであった古代、中世、候補者が多いからこその後継問題の切実さ。

 加えて疫病が流行れば祟りを疑い、その原因を取り除くべく東奔西走。

 空海と親鸞も出てきますが、親鸞の煩悩に対して聖徳太子が諭したこと。

 修行という名で禁じられた女犯が合法になってしまう解釈の曖昧さ。

 先日低緯度オーロラが発現しましたが、そういった気象現象が科学的に解析されるようになっても人間にできることは多くないことを真摯に受け止めたいと思います。

 歴史は繰り返すし、ヒトは成長しないし、大して進化もしてない事実がそこにあると思うのです。