口裂け女やトイレの花子さん、コックリさんなどの怪異は世代を超えて語り継がれています。
それらは実態を伴わない存在であるはずですが「偽の月」が見えるようになると、実体化したそれらに襲われる人間が一定数存在するという世界のお話です。
実体を伴わないはずのそれらには、畏れない心を持っていれば襲われることがないのですが、「偽の月」が見えてしまった人はそういうわけにもいかず、闘わなければ襲われて死んでしまいます。
そして実体を持たないそれらには物理的攻撃が効くので、そのための組織が「唐木田探偵社」というわけです。
怪異に囚われ襲われる切なさと、時々報道される神隠し的事件が、微妙にリンクして、あり得ることなのかもと思ってしまう、妙にリアルなゾクゾク感のある作品です。