サーベルを持つ警察官の姿が美しくキリッと引き締まった感じがしの装丁です。
明治38年という年がどういう年なのか…。
幕末から明治維新にかけて激動を生き抜いた斎藤一が出てきます。
もうここだけでワクワクが止まらないのですが斎藤一が警察官になったことを現役の警察官が知らない程度には時間が経っているのが明治38年という年のようです。
不忍池で発見された帝大教授の遺体。
関係者として出てくる黒猫先生が夏目漱石だなぁと当たりをつけつつ、山縣有朋など長州閥の話も出てきます。
警察官が頑張っても手が出ない内務省という存在。
軍部や貴族院といった超えられない身分制度を匂わせながら、斎藤一改め藤田五郎が、その意義を糺すところに胸がすく思いがしました。
政治や国家をわたしくしている感のある今の為政者にその心意気を訓じて欲しいほどです。