なんだかドキドキするタイトルです。
著者も主人公も外国語大学の学生です。
主人公は「アンネの日記」に感化されて、ドイツ語を専攻し、ドイツ人のバッハマン教授は変人でスパルタという環境にいます。
外大は女子学生が多く、バッハマン教授は彼女たちを「乙女の皆さん」と呼びます。
「乙女」たちは文字通り「乙女」であることを自らに課していて、男性と2人きり(たとえ教授であっても)でいたら、「乙女ではない」と噂が立ち周りから遠巻きにされる存在となってしまいます。
独特の清らかさは「アンネ」に通じるものがあるのかもしれません。
彼女たちはつねに「アンネの日記」の一節を暗唱しています。発音も完璧に、時間内に暗唱することに全力を注ぐ彼女たち。
ひとつのことに専心する清々しさが「乙女」の証なのかもしれません。