【6-③参考ページ)】《エアシー・バトル戦略》構想 |   「生きる権利、生きる自由、いのち」が危ない!

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徳冨蘆花「謀叛論」を再発見してたら、
「ソクラテスの弁明」が、なぜ好きなのか、最近になって納得し始めた今日この頃です。

前記事を更新した後、
「そう言えば」と思い浮かぶことがあり、
そしてまた、
《エアシーバトル戦略》構想については
前記事をもって、先に進むにも、
何か落ち着かない、というか、
据わりが悪い感じがするので
その後に思い浮かんだことを基に
発見したことを記しておきたい
と思います。

このページでは、
〈自衛隊を活かす会〉(略称)さんが、
パワポ付きで文字お越ししてくれている内容の中から
高樹がいま興味を持っている部分を
いかに貼り付けて
つぎのページの内容に繋げたいと思っています。

が、
糸数 慶子 参議院議員の挨拶に始まる
以下でのシンポジウムの実際の登壇順とは違って、
〈柳澤 協二氏⇒渡邊 隆氏⇒伊波 洋一 参議院議員〉
の順番で、内容を以下に貼り付けさせてもらいます。

◇□◆■◇□◆■◇□◆■◇□◆■

沖縄から模索する日本の新しい安全保障
自衛隊を活かす会


【パワポつき文字おこし】
☞シンポジウム「沖縄から模索する日本の新しい安全保障
2017.9.30(土) (略称:自衛隊を活かす会)

◇□◆■◇□◆■◇□◆■◇□◆■

【以下は、柳澤協二氏の発表の一部】

〈3、米軍は何を守るのか?〉
〈(1)主権・生存の戦争と覇権の戦争〉


 基地の話ですが、米軍がいるから安心で安全なのか、
米軍は何を守るのか
ということです。
戦争というのは軍隊がやるわけではないのです。
政治が決めて、こうしろということを受けて、自衛隊が動くわけですね。
(引用者中略)

・・・・アメリカは何を守りたいのか
アメリカは尖閣を守りたいかというと、
そうではないのですね。
アメリカは
中国が勝手に
東シナ海で尖閣を取れるような力関係になってしまっては
アメリカが敷いている秩序が乱れる
それがアメリカは許せない
自分の秩序を守るというのが
覇権国、あるいは大国であるアメリカの守るべきものなんですね。
(引用者中略)


〈(3)米中は戦うか?〉

 しかし、そこでも
やはりアメリカが出てくるのかもしれないということになると、
アメリカと中国のどちらが
第1列島線の中、
第2列島線の中の西太平洋地域の覇権を持つか
という覇権の戦争ということになるわけです。

 そのために
アメリカと中国は戦争をするのか?ということは、
アメリカでも非常に大きな議論になっています
それが本当にどうなんだということ、
その根っこを考えていかないと、
日本と中国が仲が良いのか悪いのかとやっていても、
この話は決着がつかないわけです。

やはり、米中の関係の見通しというものを
考えていかなければいけない
のだろうと思います。
(引用者中略)

〈4 沖縄の地理的優位性とは何か?〉
〈(1)米中覇権の戦争における沖縄〉


 沖縄の地理的優位性の話も、
渡邊さんのプレゼンは
非常に説得力のある貴重なご意見
だと思います。
ただそれは、
中国とアメリカが
海洋支配を争う上においての地理的な優位性
であり、
重要性ということなのだろうと思います。
沖縄、琉球列島は
中国海軍が西太平洋に出てくるための出口なのですね。
両側を塞げば
太平洋に中国の北海艦隊や寧波にいる東海艦隊は出てこれない
という関係にあるわけです。
それだけではなくて、
沖縄から発進した爆撃機は中国本土を爆撃できる
という攻撃の拠点という意味もある。

おそらくその軍事的には
その2つの意味で、
沖縄の位置は非常に重要ということになるのですが、
それは米中が戦争をするという前提に立った時の話なのですね。

 だから、その前提どれほど道理にあったものか
ということを考えていかなければいけない
ということです。
沖縄は中国に近すぎるのではないか
という話もある

相手に近い方が
攻撃の拠点としては便利に決まっている、
しかし相手からも攻撃されるということになる
軍隊として考えるべきことは、
こちらの距離をどう有利に使うか、
近い方が良いという側面と、
自分の部隊がそれだけ危険になる、
そのどちらを優先するか。
それはいつでもトレードオフの関係にあって、
その中で
沖縄が本当にベストではないよね
という感じが米軍の本音では出てきている

ということなのだと思います。

 昨年、
翁長知事の承認取り消しの違法性の確認の訴訟を巡って、
福岡高裁那覇支部が出した判決の判決理由に、
北朝鮮のミサイルの射程外にあるから沖縄は地理的に良い
というようなことが書いてあって
びっくりした
のですが、
それ間違いです。
北朝鮮のミサイル今やグアムにも届くわけですから、
沖縄にも届く
わけです。

 もう1つ言えば、
1週間ぐらい前にペリー元国防長官が
インタビューで言っておられたのは、
抑止という観点から言うと
沖縄何も特別な位置にあるわけではない
のだと。
要は米軍が駆けつけられる状況にあるかということが
抑止のポイント
なのだ
という言い方をしています。
これは全く常識的な話なのだろうと思います。

 地理的優位性という地理的な部隊の位置関係と
抑止力の関係で言えば、
日本人はアメリカが抑止してくれる、
そうすると平和になる

中間を全部すっ飛ばして物事を考える
日本の政治家には
特にそういう傾向が強い
のですが、
アメリカの考える抑止力は、
いざ戦争になったら絶対に勝つ
相手が手を出したらひどい目に遭わせるという、
戦争をすることができる力を持っていて、
戦争に勝つことの見通しやプランがあること
抑止力
なのです。


〈(2)抑止力=戦争に勝つ力……勝つために失うものは?〉

 抑止力と戦争というのは
同じコインの裏表なのですが、
日本人の受け止め方というのは
抑止力がある、だから戦争にならない、
だから戦争のことを考えなくて良い

という感じで見ている
と思います。

 では、
その抑止力としての戦争に勝つ力は何か
何のためにあるのかということですが、
当然、損害はありますから、何を失って何を守るのか
ということが問われます

アメリカにとっては、
アメリカの秩序アメリカの覇権というのが一番大きな目的
で、
そのために
拠点となる日本を守っていかなければいけない
というのがあって、
その手段として沖縄が軍事拠点としてあるということです。
この発想からすると、
沖縄そのものの安全ゼロと言うか、
逆にマイナスの話にもなりかねません

要は沖縄踏み石なんです。
それで日本を守り、結果としてアメリカの秩序を守る
という発想
です。
アメリカの抑止力依存するということは、
こういう発想にならざるを得ない
ということです。

 しかしそうは言っても
中国の覇権の下に入るのは嫌だ、私も嫌だけれども、
中国の覇権の下に入ったら具体的に何が困るのか
ということについては、
いろいろな論文を読んだりしますと、
中国の覇権許してはならないから
アメリカと一緒に力をつけていくしかないのだ、
という結論
になっていて、
許してはならない中国の覇権については
何が困るのかというところが
スポッと抜けてしまっている
のです。
今やそういうことまで
ちゃんと考えていかなければいけないのではないか

と思います。

 覇権国同士の勢力争いは、
どこかでバランスの良い棲み分けがいるのだろうと思います。
先ほどの渡邊さんのお話にあった、
均衡点がグアムに行ったという図
——データの入れ方によって均衡点はずれるのですが——、が
示唆するものは何かと言えば、
グアムつまり第2列島線のあたりで、
その内側の米中の相場観がどう形成されるか

ということが、
米中の一番の関心事になっていることだと思います。

 米中の相場観形成されて
中国も安心して海軍を出してきていいよという話になってくると
それ
日本にとって許し難いと言ったって
何が許しがたいのですかということになる

そのこと自体
トレンドとして防ぎようがないものだろうという意味で、
私は10年、20年先の日本を考えた時に、
中国の支配って何をどう支配されるの、
日本何が許せないの
許せなければその部分をどうしたらいいの
ということを今まで議論をしていませんから、
そういう観点の議論是非必要
と思います。

 特に中国との関係では、
沖縄の立場は古くから一番交流があるところですから、
ある方が酒飲み話で、
わしが若い頃は台湾から来た奴と福建省から来た奴と
みんなで尖閣で酒盛りしていたんだみたいな
本当か嘘か分からない話をされていたのを
聞いたことがありますが、
そういう歴史的な立場にいる沖縄からの発信は
とても重要
なのではないかと思います。


〈5 同盟の抑止力論は、現代に通用するか〉
〈(1)勃興する大国との衝突<ツキディデスの罠>〉


 そういうことを考えると、
本当に抑止というのは
今まで通り通用しているのか
ということです。
アメリカではツキディデスの罠という、
挑戦国として台頭してくるパワーと覇権国との間で戦争は
不可避で避けられない宿命である
という議論があります。
しかし一方で、
今は経済依存を考えたら
お互いに相手をやっつけるような戦争できない
という意見も
アメリカの中にはあります。

 先ほど、
無駄な戦争まで行ってしまうのは
国民世論が背中を押す、それを政治が煽る
という関係にある

と言いましたが、
米中の国民の間にはそんな敵意ない
だから今は
戦争になるような心配現実的にはない

戦争がエスカレートして核まで行くのかいかないのか、
今や核はもう使えない
そうすると問題は
どこで戦争が止まるのか
ということになります。
要するにどこで戦争が止まるかが分からないと、
アメリカも中国も怖くて戦争なんかできない
わけです。

 そういう状況の中で、
どこかで落とし所が出てくる
のだろう
と思っています。
戦争ができない
できなかったらどうするか
妥協するしかない
ということです。
良い悪い、好き嫌いではなく、
物事の道理という話です。
これから米中の妥協進んで行くのだろうと思います。

 妥協邪魔するもの
そんなことで妥協してしまったら、次の選挙で勝てない
という国民世論の力でしょう。
妥協を後押しするのも国民世論の力
それを妨げるのも国民世論の力

ということです。
だから、国民という要素が、
戦争考える中で
ますます重要になってきている
のだろうと思っています。
(以下略)

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【渡邊 隆 元陸将・東北方面総監の発表の一部】

 中国は最近、
YJ−18という画期的なミサイルを開発
しました。
射程は220〜540キロ、
先ほど図の一番内側の円に届くようなミサイルです。
画期的なのは巡航ミサイルですから、
非常に遅い速度で長く飛んでいきます。
目標を補足してあたる寸前に
あっという間にマッハ2.2まで加速して、
レーダーに捕らえられても
対応が取れないぐらいの高速で
目標に向かって飛んでいきます。
このミサイルが
第1列島線の内側に〔地理的位置はリンク先のパワポを御覧ください〕
絶対に米軍入れないための
中国の一つの手段と言いますか、秘策
です。


 こう考えると、
中国の防御戦略が見えてきますし、
これどのように対応するか
というアメリカの戦略が
エア・シーバトルであり、オフショアコントロール

ということになります。
あくまでも
エア・シーバトルが先にあるのではなくて
中国の防御戦略対抗する手段、対抗策
エア・シーバトルであり、オフショアコントロール
と認識すべきではないかと思います。
(引用者中略)

 沖縄をもう一度確認してみると、
このような形になります。

中国の観点で見るならば、
主としてアメリカの軍事関係者
沖縄は近すぎるのではないか
と言っているのは間違いのないところ
だと思います。

 したがって、沖縄の米軍基地は
力のバランスや戦略的な優位性、
あるいはオフショアコントロールという
中国に対する対抗手段を取るためにグアムまで下がるのだというのは
考えられないことではございませんが、
これを明確に宣言したことはありません
アメリカの政策、軍事戦略として
明確に宣言はされていませんが、
そのように考えるのは極めて妥当だろう
と思います。

 ただしそれは中国に対してだけです

現在の主要な、喫緊の課題はどこか
と言われれば、
実際にアメリカが対応しているのは
38度線、北朝鮮ですから、
北朝鮮が最近、
核開発やミサイル開発を含めて
非常に挑戦的な活動を高めていることを考えれば、
北朝鮮に対してしっかりと手を尽くすというのは
非常に重要なことなのだろうと思います。

 アメリカの陸軍と空軍は
明確に北朝鮮に対する対応を取っています

韓国には
アメリカ陸軍の第8軍という非常に大きな組織
4つ星の大将が指揮する組織を韓国に常駐させて
有事になれば
韓国軍を含めてアメリカの大将が指揮する

という戦時統制権まで一時期は持って、
北朝鮮の侵攻に備えようとしています
アメリカ空軍は
第5空軍このエリア統括しています

第5空軍の司令部横田にあります
在日米軍司令官
この第5空軍司令官が兼務
しており、
横田にある第5空軍司令官
韓国まで自らのエリアとしています

北朝鮮の脅威に対して
直接的にしっかりと守っている

というのがお分かりになると思います。

 ポイントはアメリカ海軍です。
海軍は船を主体とした機動部隊ですので、
北朝鮮に一番近い沖縄の第3海兵遠征軍(3MEF)の司令部が今、
グアムに移ろうとしています
グアムとの兼ね合いの中で動きがあるというのは事実で、
その中に沖縄もあり、キャンプ・シュワブもあるということになります。

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【伊波 洋一 参議院議員の発表の一部】


 私(伊波 洋一 参議院議員)は、
外交防衛委員会において、
エアシーバトル構想オフショアコントロール戦略という
アメリカの戦略についても議論をしてきました。

今度新設される水陸機動団の相浦駐屯地司令になった
中澤剛1等陸佐
は、
陸戦研究26年2月号に論文を書いているのですが、
九州から沖縄にかけて自衛隊を展開して
上陸してきた敵を攻撃する戦闘
をしている場合に、
敵国からはミサイル我が国の自衛隊部隊へ飛んでくる
しかし、アメリカ
そのミサイルの元攻撃しないということになっている

と書かれています。
そうすると自衛隊は、
敵からやられっぱなしになるということ
です。
離島防衛や離島奪還作戦を巡っては、
そのような問題提起自衛隊の側からある
ということです。


 参議院の外交防衛委員会でも議論をしてきました。
日米同盟が一体化して、いざという時に何が起こるかというと、
まさに敵国との戦争ですけれども、
その戦争が起こる場所は、南西諸島や九州地域である
と想定されているのです。
つまり、日本の国土戦場になって
日米同盟を守る戦略の中に私たちが居続けていいのか

という問いがここにあります


 日米安保どうなっているかというと、
日米安保条約日本を守るものではない

むしろ、日米安保条約があることによって
日本が戦場になる仕組み出来上がりつつある

もし戦争が起こった場合その場所どこか
というと最優先的には南西諸島である
ということです。
そういうことを私たちが問う必要があります

 次に、
南西諸島への陸上自衛隊基地建設の背景として、
米軍戦略からみえる狙い
を考えてみたい
と思います。

 今、何が起こっているのか。
辺野古の新基地建設、高江のヘリパッド建設、
伊江島へのオスプレイやF35戦闘機の訓練施設建設や
辺野古新基地建設や高江のヘリパッド建設などの
沖縄米軍基地の強化

離島への新たな自衛隊基地建設
これらとアメリカの対中国戦略をみると、
南西諸島での戦争準備が進んでいる
ということです。

 南西諸島中国への盾にする戦場にして
米中戦争や核戦争にエスカレートさせない
とする「オフショア・コントロール戦略
があり、
それがまさに南西諸島で現実に起こっていることと
ピッタリ合うわけです。

 これは2005年
日米同盟:未来のための変革と再編
という日米再編合意の共同文書
です。
共同文書でどうなっているかというと、
日本
弾道ミサイル攻撃やゲリラ、
特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略等の
新たな脅威や多様な事態への対処を含めて
自らを防衛し、周辺事態に対応する
と書かれており、
南西諸島などの島嶼防衛日本責任である
としています。
ですから、自衛隊
水陸機動団を作り、
オスプレイを17機と水陸両用車を52両を
米国から購入するわけです。
(引用者中略)

 主な論文を読みますと、
1997年12月
米国連邦議会が作った米国防委員会
2010年から2020年の間に(つまり今です)、
中国のミサイルが
沖縄や在日米軍基地に届くようになって

前方展開基地
一挙に無力化されるようになる

それ対応するためにアメリカ
従来とは違う遠距離戦略を作らなければいけない

ということを提言しています。
つまり中国から遠いところから攻撃できるようにするのです。
グアムまさにその場所です。
グアムには戦略爆撃機やミサイルが配備され、
米空母も停泊できるようになり、
攻撃原潜が入るようになりました。
グアムへの米本土から戦力の移転
現実に進んでいます


 日本の米軍基地のような前方展開基地は
ミサイルの標的になっても、
メリットであるようにしなければいけないから、
中国に勝たなければいけない。
勝つための戦略がエア・シーバトル構想でした。
(引用者中略)

 2012年5月号の海幹校戦略研究に掲載された論文の
「アメリカ流非対称戦争」(トシ・ヨシハラ/ジェームズ・R・ホームズ)に
何と書いてあるかというと、
「アメリカ流非対称戦争」論文は、
琉球列島での戦闘で米国政府の適度な目標達成に有効である。
重要な理由は、
戦争を
米中全面戦争や核戦争にエスカレートさせない制限戦争
行うためだ。
中国に対しては
「(米軍の)展開兵力の種別や量について、
核の閾値以下に留めることが肝要になる」
としています。
つまり、
それぞれの領土を攻撃しないことが想定されている
のです。


 結局、日本にとっての現在日米安保というのは、
中国に対しては日本列島を盾として戦場にして
アメリカが戦争をすることにならざるを得ない
ということです。
米中は、核戦争にエスカレートさせないため、
互いに相手国を攻撃しないことになっている
からです。
その戦略説明で
経済的な現実として、グローバルな繁栄は、
中国の繁栄に多く依存する

と書いてある論文が海上自衛隊幹部学校のコラムでも
紹介されているわけです。
私は、日米同盟のために日本国土を戦場にすること
本当に日本の安全保障なのかと、
参議院の外交防衛委員会で問うているわけです。

 論文「米国のアジア太平洋戦略と我が国防衛」(陸戦研究26年2月号)
でも、
水陸機動団が駐屯する相浦駐屯地司令の中澤剛1等陸佐は、
九州から南西諸島展開する自衛隊部隊に対して
中国から弾道ミサイルや巡航ミサイルによる攻撃が
繰り返されること
に対して、
米軍が打撃しないとするのは、
従来の日米同盟の役割を
「盾」と「矛」になぞらえてきたことにも矛盾し、
日米同盟の信頼性を揺るがすことになりかねない

と指摘して、
そうであるならば
日本が敵基地攻撃能力を持つべきではないか
と提起しています。

 でも、それはアメリカの思う壺です。
日本が敵基地攻撃能力を持てば
中国と日本の戦争になってそこで終わるわけです。
今年1月の予算委員会でも、
前防衛大臣の小野寺委員が
アメリカは日本を守らないのではないか
ということを質問しているのです。
だから、敵基地攻撃ミサイルを導入すべきではないか
と提起しました。
現在、小野寺氏は防衛大臣になっています。

 中国についての日米安保の現状は、
日米同盟のために
日本戦場を引き受けざるを得ないところにまで

追い詰められているということです

私たちの安全保障は、
誰を守るための安全保障なのか
ということを問わなければならない
と思っています。

 アメリカは、
中国に打ち勝つ「エア・シーバトル」を
2010年頃から見直すようになりました
アフガニスタン戦争やイラク戦争などの
対テロ戦争による戦費が大きくなっていったことと、
2008年に起こったリーマン・ショックにより
米国経済だけでなく世界経済が停滞し、
アメリカの財政赤字を増大させ、
軍事費の削減を余儀なくされた
からです。

 さらに、同時期中国
2桁の経済成長を持続して
GDPが急速に大きくなったこと
です。
1995年に日本の10分の1だったGDPは、
今では日本の2倍を超えました

そういう中でアメリカでは中国と戦争をしたら
米本土の都市が核ミサイルで攻撃をされて
米中核戦争になるかもしれない、
米中全面戦争になるかもしれない
という懸念が拡がるようになりました。
米中全面戦争にエスカレートしかねない
中国内部まで攻撃する
「エアシー・バトル戦略」ではなく、
そうならないための戦争戦略を取ろうということに
転換していった
のです。


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