あてもなく…彷徨う日々に…
疲れ果て…
誰かに…何かに…
息の根を…止めてもらいたくて…
なけなしの…身銭を切って…
海を…渡ってみました…
ただ…それだけ…
ただ…ここにいたくないだけ…
人脈じゃない…カネじゃない…
計算じゃない…戦略じゃない…
実績じゃない…キャリアじゃない…
伝わらない言語じゃない…言葉じゃない…
ない…ない…ない…
命のほかに…
なにももっていない…丸裸の僕が…
ただ…楽に…なりたくて…
この身を…差し出してみたの…
いまの僕の…
精一杯の…おめかしで…
プレゼンに臨んだ…
通訳なんて…いらない…
相手の反応なんて…どうでもいい…
ただ…がむしゃらに…話しました…
どう…思われようと…かまわない…
守りたいものなんて…なにもない…
死にたいんだ…潰れたいんだ…
倒れてしまいたいんだ…
殺せ!殺せ!殺してくれよ…
気分が…ほんのり…高揚したところで…
第二ラウンドは…
高級中華の円卓…
たったひとつの…僕の武器は…
目玉…
壊れかけてる…僕の…2つの目玉だけに…
祈りを…込めました…
どうか…どうか…
僕を…
伝えてくれて…伝えてくれ…
映してくれ!
宴もたけなわ…
僕の隣に座る…社長が言った…
「…先に…お金が必要ならば…着手金払います…」
「!!!!!!」
ん…本気…?
3秒考えて…
社長の目玉を…じっと見つめ…答えた…
「No… Thank You……いえ…いりません…」
社長は…ニコリと笑い…
「干杯(gān bēi)」と言って…
グラスを…強く…ぶつけてきた…
へへ…
僕の…目玉は…
伝わったのかもしれない…
遣隋使に…思いを馳せることなんて…
したことなかったけれど
小野妹子の気分が…
ちょっと…わかったような気がした…