ヒルは、どのように人を見つけるのか | 子どもヤマビル研究会

子どもヤマビル研究会

2011年から市内の小中生とともにヤマビルの生態研究をしています。「ヒルは木から落ちてこない」の著者です。

去年の研究で、ヒルは、動物を足音(振動)、温度、二酸化炭素で見つけるとまとめた。その通りなのだが、説明がつかない部分が残っている。

そのことについて、みんなで考えあった。

①昨年度ヒルの採集場所にお湯の入ったペットボトルを置いてヒルが集まるか調べた。まったく反応がなかった。

②山道へヒルを探しに行ったとき、どんどん足音を立てたら、草むらから出できた。でも、もしそうなら、我々が採集場所に行くと、ヒルは首をもたげて待っているはずである。しかし、しばらくたってからでないとで来ない。


そのあたりの疑問を解くカギが、飼育していて見つかった。



見にくいが、中央にPossumが飼っていたヒルが静かに置いてある。しばらくすると、すべてのヒルは、底にある落ち葉の下に隠れる。


まず、瓶を少しゆらしてみたりどんどんしてみたりして、中の様子を観察した。

あまり大した変化はないが、驚いたように飛び出してくるヒルもいた。場所を変えて潜っていく。

再びヒルが落ち葉の下にもぐるのを待って、上の口から息を吹き込んだ。




ふたにはマスクを切った不織布が当ててあるので、それを通して息は瓶の中に入っていく。

すると、30秒くらい経ったら、落ち葉の下からぞろぞろとヒルが出てきた。



さらに



のように上に向かって一斉に登り始めた。


その後、不織布にたどり着いたヒルはしばらくそこでじっとしていた。



このことから、ヒルは、最初二酸化炭素を感知して動物と判断し、首をもたげて獲物を待ち構えることとなる。

でも、採集場所では、二酸化炭素は私たちの口から、あたり一面に出でいるのだから、この物体が動物であると気づくには、どのようなプロセスをたどるのか。

このあたりを次は解明しなければいけない。


それにしても、ヒルのセンサーはものすごく敏感ですねぇ。