以前、24Hという特殊な穴数のアラヤのエアロ4を購入したことを紹介した。
それも少し試してみたいことがあったからなのだが、それが今回のタイトルの通りである。
MAVIC AKSIUM RACE 24H
こんなハブが手元にある。これは以前、20Hのフロントハブが欲しくて前後セットで買った余りである。
マビックのアクシウムレースはマビックの完組ホイールでもエントリーグレードにあたる。これはおそらく20年以上前の製品だ。
このハブは初代のアクシウムレースのもので、二代目には反フリー側のスポークがラジアル組になるが、これはどちらもイタリアン組で組まれている。
フロントは首折れスポークで組むことができたので、普通にスポーク長を計算して組めたが、ストレートプルのリアは活用方法がなかった。
ネットで少し調べてみると、ストレートプルのスポークでも手組みをしている例はあるが、スポーク長の算出方法についてはCADを使うというのがあるだけで、一般的な方法が見つからなかった。
残念ながらCADを使う技術は持っていないので、普段通りのハブを地道に計測する方法をストレートプルのハブにも適用して、スポーク長を出してみることにした。
ゆえに、素人がノギスと定規を使って、スポーク長をかなり大雑把に求めていくだけなので、正確性には欠けると思われる。
ただ、もし仮にうまくいけば、計測がちゃんとできれば、ストレートプルでも手組みが可能だという参考くらいになればと思っている。
まず計測に使った道具。測定誤差がどうしても出るとはいえ、できる限り精度が高い道具を使うに越したことはない。
定規はさしがね(直角定規)があってもいいかもしれない。
計測は2時間ほどかかったが、スポーク長を出すのに最低限必要な情報だけであればもっと早く終わる。
図を書くのに熱中して余計なところまで測ったので時間がかかった。
図は断面で実際にはフリー側と反フリー側でスポーク穴が15度ずれているが、便宜上一直線上に並ぶように書いた。
なぜかOLDが131mmという数字で、何度測っても1mm長かったが、そのまま書いた。
フランジセンター間はスポークのおさまるスリットの中心を仮想のフランジとして測定した。スポーク穴PCDはスポークを通して、大体この辺りにスポークの頭が来るだろうと推定して求めた。
何度も言うが、素人がアナログに測定しただけなので多少誤差はある。
そしていつも通り、「スポーク長計算鬼 組まないか」のサイトを使わせていただき、24Hの通常のハブを想定して求めたのが、左296mm右293mmという上の数字である。
記入し忘れたが、リムはアラヤのエアロ4、ERDは610mmである。
構造上、スポークの向きによって、フランジに外側と内側という概念が生まれてしまったが、スポーク長に与える影響は軽微で、スポーク長は片側で揃えても問題なかった。
ここで、問題が生じる。写真を見ればわかるように、片側12本のスポークが2本ずつセットになっている。
それによって、仮想のスポーク穴が等間隔に並んでいないのである。
実際に倣って、スポーク穴をずらす必要がある。
それがこの図である。直径がスポーク穴PCDである円の円周上に仮想のスポーク穴が配置していると、簡易的な図で表す。
等間隔で並んでいる時は、スポーク穴が30°(360/12)間隔で並んでいることから、スポーク穴同士の距離は三角関数で求められる。
懐かしの高校数学である。
実際のスポーク穴同士の距離はノギスで測れるので、差を引いて、二つのスポーク穴でそれを分担しているとすると、スポーク一本あたり何mm補正すればいいかがわかる。
計算過程と結論を記してみた。汚い字で読みにくくて申し訳ない。
厳密にやれば、水平方向にスポークが短くなるわけではないので、単純な引き算とはいかないが、軽微な差だと考えたため、無視した。
結果として、フリー側は等間隔スポーク穴の時より0.5mmスポークが短くなり、反フリー側は2mm短くなった。
その結果こうなった。
フリー側293mm反フリー側294mm
フリー側は小数点以下四捨五入して、変わらなかった。
ここで思った。
まずこの計測と計算が全て正しいと言う前提にはなるのだが、完組ホイールだったときにフリー側と反フリー側のスポーク長の長さは同じだったのではないかと。
スポークの長さが同じであれば、メーカーとしてはホイールを組む時はもちろん、補修用のスポークも一種類用意するだけでいい。
スポークはパックスサイクルで買おうかと思っているのだが、2mm刻みで293mmのスポークが無い。短いよりは長いほうがいいので、294mmのスポークを24本買おうかと思う。