原作/アベ・プレヴォー 脚本・演出/中村 暁
作曲・編曲/西村耕次,青木朝子 編曲/多田里紗 録音音楽指揮/橋本和則 振付/羽山紀代美,若央りさ ファイティング・コーディネーター/渥美博 装置/大橋泰弘 衣装監修/任田郁英 衣装/薄井香菜 照明/西川佳孝 音響/加門清邦 小道具/上田晴夫 歌唱指導/彩華千鶴 演出助手/菅谷元 舞台進行/阪谷諒子
令和3年7月23日 11時公演 KAAT神奈川芸術劇場 3階B列センター
○ 『騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語』(Histoire du chevalier Des Grieux et de Manon Lescaut) 1731年刊
騎士デ・グリューは美少女マノンと出会い駆け落ちするが、彼女を愛した男たちは嫉妬や彼女の欲望から破滅していき、デ・グリューも巻き込まれて数々の罪を犯す。彼女はアメリカへ追放処分となり、デ・グリューも彼女に付き添って行くが、アメリカでも彼女をめぐる事件は起き、ついにマノンは寂しい荒野で彼の腕に抱かれて死ぬ。ファム・ファタール(男たちを破滅させる女)を描いた文学作品としては最初のものといわれ、繊細な心理描写からロマン主義文学の始まりともされる。
そっかー、私が、その昔見た、プッチーニのオペラ
『マノン・レスコー』
方が、原作に近いのかもしれませんね。
...はともかく、この作品は、18世紀のフランスの物語である原作を、
「19世紀のスペイン」
の物語に改変し、主人公の名前も、「ロドリゴ」に変えたってことですね。ちなみに『舞音-MANON-』は、
「20世紀初頭のフランス領インドシナ」
という設定でした。いかにも、植田先生らしい、
「繊細で美しい舞台」
が印象的でしたね。
○ Teenager?
ちなみに、原作の主人公デ・グリューは
「17歳」
という設定なんですよね。
③ 愛月 ひかる(93期・20番・研15 「あい」「ちゃんさん」) ロドリゴ 芝居 ☆☆☆ / 歌唱 ☆☆☆
そして、この作品でも、ロドリゴは、「学生」か、卒業したばかり的な設定であったはずなので、年齢設定は大差ないはず...そういえば、
「芝居の作り」
は、17歳っぽい感じがあったような気がするけど...。実際の舞台を見て感じことは、あいちゃんの持ちキャラって、やっぱり
「アダルトなセクシーさ」
だということだった気が...(笑)。
そして、ヒロインが年上設定ということもあり得ないでしょうね...。
④ 有沙 瞳(98期・19番・研10 「みほ」「くらっち」) マノン 芝居 ☆☆☆ / 歌唱 ☆☆☆☆
「男を惹きつけてやまない超美少女」
年齢は
「15~16歳ほど」
の設定でしょうか。まだ、「くらっち」の方が、役への収まりはマシだった気はしますけど...。とは言え、ちょっと前まで、美少女の
「乳母」
だったし...(笑)。やはり、
「研15/研10」
カップルでは無理が...って、いや、ちょっとだけ (?) 下の「こっとん」の「研13/研6」なら、全然問題なさそうなので、やはり
「持ちキャラ」
の方が大きいかもしれませんね。見終わって、このコンビなら、もっと相応しい作品があるのでは...って思いましたから。そして、これなら、
「あてがきの新作」
でも...とも思いましたが、再演の方が
「予算がかからない」
ってことがあるのかもしれませんね...。エンタメ業界、不況ですものね...
○ LOVE?
ただし、こういったことよりも、むしろ問題だったのは、
「ストーリー自体」
だった気もします。要するに、物語に、全く、宝塚的な (?)
「美しさがない」
ことこそが、一番の問題ではなかったかな。解説通り
「...一途にマノンを愛し続けるロドリゴは、彼女の為に罪を犯し、破滅への道を突き進んで行く...」
という物語でしたから、
「マノンを愛し続ける」
という要素に
「宝塚的な美しさ」
があるべきだと思うのですが (実際、『舞音』のストーリーは、そういう風に構築されていたと思う)、
「ロドリゴの愛し方」
って、「愛情」というよりも、もはや
「妄執」
のようにしか見えず (ほぼ「○気の沙汰」というか)、見ていて、全く
「共感できない」
んですよね...。ラストシーンについても
「自業自得」
といった感じで、一種
「冷めた目」
で見る感じにしかならない (ので、「感動」とかとは無縁。「レスコーの最後」の方が、遥かに印象的)。↑に書いた原作通りに作ったほうが、ずっとましだったと思うし、同時に、やはり、同じ原作から作られた『舞音』を思い起こしつつ、
「植田先生作品との質の差」
を感じずにはいられませんでした。
● 作品評 ☆
○ お楽しみポイント?
さて、ということで、本自体は「あれ」でしたが、主役コンビを含め、皆さん、好演でした。特に印象的だったのは、まず
⑤ 桃堂 純(97期 「たお」「MOMO」) ホアン 芝居 ☆☆☆☆
外箱での退団には、ちょっと驚きましたが、最後の舞台でも
「誠実な兄」
の役柄を、しっかりと演じていました。そして、
⑥ 紫月 音寧(92期 「おとね」) オリベイラ夫人 芝居 ☆☆☆☆
どんなになっても、息子を愛し続ける心優しき母親...
「一途の愛」
って、こういうのを言うのでは? 特に
第II幕 第4場 修道院(A)
この場面での、
「ロドリゴと夫人」~「夫人とホアン」
のやり取りには、胸を打たれるものがありました (そういうのって、ここだけのような気もするけど...)。これで、少しは改心するかと予想していたのですが...その後にやることが、
「あれほど○い...」
とは...(正に、「鬼○の所業」...に「超○ン引き」...)。そのあまりの
「美しくなさ」
にアゼンボーゼンとしましたっけ...
...はともかく、その他「あかさん」「KABU君」...などなど、皆さん、その実力を遺憾なく発揮されていました。ただし、やはり、最も魅力的だったのは、やはり
② 天飛 華音(あまと かのん 102期・2番・研6 「カノン」) レスコー 芝居 ☆☆☆☆ / 歌唱 ☆☆☆☆☆ (再掲)
「カノン君」だったかな。この物語で、最も惹きつけられた人物も
「レスコー」
だった気がします。まあ、めっちゃ
「悪い奴」
でしたけど、「ロドリゴ」とは違って、何か、「メッチャ悪い」なりに (?)
「一本ちゃんと筋が通っている (?)」
感じがして、どうしても憎めない...
「不思議な魅力」
がありました (まあ、お近づきにはなりたくないけど (笑))。そして、そういった魅力を感じたのも、
「カノン君の実力」
があってこそだと思います。
本当に
「ストーリー以外」
は、なかなか
「見ごたえのある舞台」
でした。
● 公演評価 ☆☆ (ちょっとオマケ (笑)。まあ「カノン君の超美声」を聞くためだけでも行く価値あると思う)
にほんブログ村