El Japón ④ ’19年・宙組・東京・前楽 「最大の...」 | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

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宝塚ミュージカル・ロマン『El Japón(エル ハポン) -イスパニアのサムライ-』
作・演出/大野 拓史

令和2年2月16日 東京宝塚劇場 午前11時公演 1階2列最下手側S席

こんな「桃源郷」は、ほんとーに久しぶりでした...。

○ 綻び?
さて
ミュージカル・ロマン『El Japón -イスパニアのサムライ-』
ですが、世評はいかがだったんでしょう? 私自身は、ラストシーンについては
「意外系ハッピーエンド (?)
な感じで、結構好きなのですが...(ただし、正塚先生ワールドにまで行き着くには「もう一ひねり」欲しかったかな)。前にも書いたけれど、映像で
「最初にネタバレ」
するのは芸がないような気がするし...(とはいえ、他に方法もなさそうですが)。それに、最後まで見れば
「全体的なストーリー構想」
自体はわかるのですが、どうしたって
「藤九郎はどうなるの?」
って思うし...(ファンクラブの方が、この千秋楽の日までの滞在許可証を作ってくれたそうですけど (笑))。あとは、宿屋で
「はる達が、侍たちに襲いかかる」
シーンも、ちょっと無理があるのでは? いくら早朝で薄暗くても、フェルディナンドの手下と見間違えることはありえないでしょう。それと、王宮から宿屋に向かっているはずの治道が、かつてカタリナが踊っていた
「酒場で、彼女と偶然 (?) 出会う」
のも相当に不自然...。なんというが、全体に
「プロットの破○」
を感じさせるところが、やや多かった気がします。


○ いつものこと?
とはいっても
「オリジナル芝居作品」
で、ストーリーの破綻が全くない...こと自体が、滅多にないことですけどね(笑)。
「原作あり」
を感じるのって、そういった部分の差が最も大きな理由な気がしますし。名作の誉れ高い
『星逢一夜』
も、以前に書いたように、よく考えると
「辻褄の合わない」
ことは数多い (「領主と一揆の首謀者の決闘」が一番目立つけど、それ以外でも「正室がいるから泉と結ばれない」とか...大体、晴興自体、側室腹...)。それでも、あの作品が、名作と呼ばれるのは、ストーリーの綻びをものともしない程、全体のストーリーからもたらされる
「感情の揺り動かすもの」
が大きいからでしょう...(要するに、大○きしちゃう...(笑))。それと、この作品とは違って、ストーリー要素の破綻は
「きちんと考えないと気付けない」
ようにうまく書き込んであるとも言えるのかな?


○ 最大?
あと、この作品って、なかなか
「物語に入り込めない」
感じが強い気もする。その理由の一つは、物語世界に引き込むために大切な「つかみ」の部分、冒頭の

第1場 月の浦

にありそう...。ここって、一度見れば分かるけれど、初見だと、ぶっちゃけ
「いったい何が起こっているの??」
っていう感じじゃないかな。しかも、そういった気分を引きずったままなのに、その後は、それらの「?」に、全く触れられないまま
「物語の展開に全く無関係」
の群舞シーンが延々と続く...。さらに、続く

第2場 マドリードの王宮

のシーンは、最終的に、道化師にバカにされながら (?)、王宮から
「使節団が追い出される」
という、かなり
「不愉快な顛末」
に終わってしまうので...この辺で、「物語世界に入り込もう」という気持ち自体が萎んでしまう気がする。

計5回見たのですが、私自身、物語に入り込めるのって、結局

第5場 カタリナの宿屋

で、まどかちゃんが、ようやく舞台上に現れてからだと思う。特に、この日は、すぐ目の前に現れますので、一気に
「覚醒レベルが上昇」
しました(笑)。とはいえ、計14場中
「最初の4場」
まで、物語に入りきれないのでは...。ここが、この作品の
「最大の○点」
かな...。


○ ○作?
とはいえ、この第5場以後は、少なくとも再観劇以後は、十分に楽しめていました。実際に、お気に入り場面も少なからずあります。例えば

第9場 修道院

では、治道の切ない歌に○ル○ル...。そして、↑では、ちょっと突っ込みましたが

第12場 コリア・デル・ソロの街

では、治道にどうしようもなく惹かれてしまうカタリナに○ュン○ュンして、その後の悲しい歌に、再びウ○ウ○...。

第13場 帰路

では、キキちゃんが、めっちゃかっこいいし、そして

第14場 ドン・フェルディナンドの邸宅

では、ゆりかちゃんの「完璧なヒーローぶり」...だけでなく、キキちゃんの「最高の資質」 (お笑い系?) も堪能できる。さらに、

ラストシーン

のアレハンドロによる意外系 (とはいって、冒頭の映像で予感されてしまうけど) 「オチのつけ方」、さらに、微笑ましい「治道とカタリナのやり取り」と「まどかちゃんの可愛い笑顔」

...だけでなく、背後の舞台上では、「とら」に促され、「エリアス」が「藤九郎」に頭を下げ、さらに、「アレハンドロ」に握手を求める...少しの間があって、アレハンドロはその手をしっかりと握る...その後の何か憑き物が落ちたかのようなエリアスの表情...2回目の観劇の時だったかな? この小芝居に気づけた時に、すごく
「温かな気持ち」
になったことを覚えています。本当に
「後半~ラストシーン」
だけだったら、大野先生らしく作りこまれた、かなりの作品だと思うんですけど...やはり、つかみって、とっても大切ですからね...。

● 作品評 ☆☆ / 公演評価 ☆☆☆

前楽
(やはり桃源郷...)

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