All for One 新人公演 ④ ‘17年・月組・東京 「ちゃぴって...」 | To TAKARAZUKA once a month at leastー観劇・備忘録

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My Favorites:
①ちーずちゃん ②はばまいちゃん ③たけちゃん ④こっちゃん ⑤キキちゃん
①20世紀号 ②1789 ③ファントム ④王家に捧ぐ歌
①とうこさん ②あさこさん
①あすかさん ②おはなさま 


三井住友VISAカード シアター
浪漫活劇(アクション・ロマネスク) 『All for One』 ~ダルタニアンと太陽王~
脚本・演出/小池 修一郎  新人公演担当/指田珠子

平成29年9月14日 月組・東京宝塚劇場 1階11列下手側S席

→雪→宙→月と、感想があちこち飛んでしまっていますが、この公演では、肝心のヒロインについて、まだ書いていなかったので...
これで、新公の感想は終了です。


考えてみれば、研2になったばかりの新人公演で「うみちゃん」のお市役だったのだから、すでに抜擢は始まっていたのですね。この新公は観ていたのですが、初ヒロインだった「こゆきちゃん」の方に気をとられていたのか、お市の方の記憶は全然残っていませんでした。
私自身が彼女の存在を意識したのは、『カルーセル輪舞曲』の群舞。
「笑顔が素敵な可愛らしい娘役さん」
としてでした。下級生なので、多分後ろの方にいたはずですが、今から考えると、きっとそれなりに目につくポジション (トップの後方とか) にいたのでしょうね。全然名前も分からず、プログラムの下級生さん方の写真を調べてみたものの
「どの子だろう??...(笑)」
『グランドホテル』新人公演観劇の時、新公フラムシェンへの大抜擢が話題となっていた研2生、結愛 かれん「ゆーゆ」ちゃんが、その子だということを分かった時は、結構ビックリしましたっけ。そして、そのフラムシェンは、(少々この役には上品すぎる感じでしたが) とても可愛らしく、しかも歌もダンスもとても上手くて、その実力にも驚かされ、そして、新人公演を観た後に本公演をみたら、何とまー、フラムシェンと真逆のガラの悪そうなメイドさんを演じていたことにも気づいて、さらにビックリさせられ...
そのチャーミングさだけでなく、確かな実力があっての大抜擢であったことがはっきりと分かり、将来、
「トップ娘役になるべき逸材」
と確信していました。

ただし、今回のこの役は、さすがにキャラに合わな過ぎと考えて、事前は
「さくさくちゃんかな?」
と予想...。でも、「ゆーゆちゃん」で少しだけ驚くとともに、
「まあ、順当かも」
とも思いました。
けど、ムラでは大苦戦との噂も...。さて、東京ではどうだったでしょうか?



○ ちゃぴの凄さ

ある意味、ちゃぴの凄さを実感する新人公演でもありました。外部で『1789』を観た時に、薄々は感じていたのですが...。ちゃぴは声にちょっとクセがあって、あまり歌ウマと称されることはないようですし、私もそういったイメージはあまりありません。けど、発声できる音域はかなり広く、音程のずれは非常に少ない (そういった意味でも、トップスターのサポートになっているでしょう)。しかも、ノドが強い。『1789』の最初のアントワネットのアリア、「てるさん」も、「おはなさま」さえも歌い切れてはいなかった。けど、ちゃぴは、毎回安定した発声でした。外部での『1789』観劇の時に
「あれっ、おはなさまの方が上手いはずじゃ?」
と感じたことは、はっきりと覚えています (ただ、その後の『エリザベート』でのおはなさまは、『1789』の時とは別人のように感じられたのも事実ですけど)。いずれにしろ
「ちゃぴで、発声技術も凄いの?」
と最近は思うようになっていて、今回新人公演を聞いて、それを確信しつつあるところです。
事実上、12作目も決定ですものね。すでに、レジェンドとなりつつありますね。


○ 確かにこれは...

さて、私がトップ娘役最有力候補と公言している、新公ヒロインは、大劇場新人公演の評判が今一つとの噂...。期待とともに、かなりの不安を抱いての観劇だったでしょうか? (って、それで飲み過ぎたのか? (笑))

結愛 かれん(ゆい かれん 101期・13番 「かれん」「ユイ」「ゆーゆ」)  ルイ14世  演技 ☆☆☆ / 歌唱 ☆☆

実力派娘役に育っていくものを予想していたのですが、ムラ新公の不評を聞き (キャラに合わな過ぎて)
「コメディー芝居にならなかったのかな...」
と予想していました。
でも、そうじゃなかったみたい。(少年?) 王様らしい (?) 仕草やセリフ声は、結構しっかり。ちゃぴよりもやや低めのしっとりとした良い声を、男の子っぽく、強めに発声して、ここは十分及第点だったでしょう。

一番の問題は、むしろ歌声の弱さ。ムラでの新公を経て、
「課題は歌」
と、新公のプログラムに書いてありましたが、克服できなかったようですね。歌唱技術と言うよりも、声自体が出ていませんでした。マイクのヴォリュームを上げて欲しかったほど、弱々しい発声。朗々と歌う「れんこん君」とはもると、殆ど声が聞き取れないほどでしたから。音程がとれていないわけではないようでしたが、声自体が聞こえないのでは...。

「フラムシェンの時の歌声は、夢幻だったのか...」
とも思いましたが、それも考えづらい...。そうなると、
「芝居で男の子っぽい発声が続くために、女性らしい裏声での歌唱で、声が出せなくなってしまうのかな?」
と考えています。

月組の大先輩、ゆうみちゃんが、『るろ剣』「薫」で強い発声を続けたせいか、公演途中でノドを痛めてしまったことや、その新公でのヒロイン「みちるちゃん」も、本公演での「弥彦」の男の子発声のためか、ヒロインでの歌声が上手く出せなくなっているように感じたことなどを思い出したりしてました。

この『All for One』は、“歌よりもコメディー” (?) でしょうから、歌に重きおいて、芝居の声出しが弱くなってしまう方が、舞台自体のレベルをより下げてしまいそうですから、どちらかとなれば、仕方なかったのかもしれません (でも、きっと悔しかったはずです)

実は、ちゃぴが、本公演で軽々とやっているように見える、
”ルイ14世とルイーズの声の切り替え~ルイーズでの歌唱”
って、かなり難しいことなのではないでしょうか? こんなところにも、ちゃぴの凄さを感じた新人公演でした。


○ まだ、これから!?

ということで、ここで、ちょっとつまずいたことは否定できませんが、私は次を期待しています (夢は、一応まだ醒めないでいますね (笑))
あとは、前にも書いたような気がするけれど、「ゆーゆちゃん」は「はなちゃん」とは全く違うタイプの娘役さんです。
お姫様的な美貌が際立つというよりも、(親しみやすい、庶民的 《?》 可愛らしさの魅力は十分ですが) むしろ
「実力で魅せる」
というか魅せなくてはいけないタイプ。

まだまだ、全然実力が足りないことが、はっきりとわかった公演でしたが、まだまだノビシロがあるものと信じています。


yu-yu
(「ゆーゆちゃん」はとても可愛らしいけど、とてつもなく美しい...というタイプではないかもしれません。でも、そこが「はなちゃん」とは、また違った魅力です)


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